親指側の手首の付け根がいたい! ドケルバン病とCM関節症<後編>~痛みとその治療~

2011年10月15日 | 治療の話
今日は9月25日の記事の続きです。

【ドケルバン病】

この故障の症状は、

親指を曲げたり、小指側へと手首を曲げる動作で

手首(親指側)に痛みがでます。


図版引用:WEB上のフリー素材より

痛む場所は、親指を広げるとできる手首(母指側)のくぼみ(嗅ぎタバコ窩)

を形作る腱の下側(手のひら側といった良いのでしょうか…)。

ここには親指を外へ開くための「短母指伸筋」と「長母指外転筋」の腱が

腱鞘というチューブにまとめられています。


ドケルバン病はここの部分の腱鞘炎です。


親指の使いすぎによって起こるとされ、

妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じる※と言われます。

※これは妊娠後期の血圧上昇やホルモンバランスの変化からくる

「むくみ」(浮腫)の影響ではないかと思われます。



痛みの原因は「親指の使いすぎ」…。


たしかにその通りなのですが、

治療を通じて観察していると、

前回挙げた「CM関節症」のように母指球の筋肉が縮み

CM関節での中手骨の開きが悪く、

親指を開く動作の際により大きな力が必要なシチュエーションにあることが多々あります。


このことの意味は、

親指の付け根の骨(中手骨)を内へ閉じる筋肉と

長短母指伸筋や長母指外転筋といった

親指の付け根の骨(中手骨)を外へ開く筋肉が

互いに強く引っ張り合っている状態が、

故障の背景としてある

というわけになる理由です。(←日本語が変ですね)




もうお気付きの方もいらっしゃることでしょう。



この状況は<前編>でご紹介したCM関節症の背景と同じなんです。

つまり、Aさんのように「CM関節症」と「ドケルバン病」を

併発する方がいても何ら不思議なことではないのです。



ドケルバン病の診断としては、

先ほどの場所にに腫れや圧通があって、

このブログの初めにも書いた通り

母指を握りこんで手首を小指側に曲げると痛むかどうかを確認します。

「いてーッ!!!」

となればビンゴです。(残念!)

ちなみにこの検査を「フィンケルシュタインテスト」なんて呼びます。(なんか賢そうでしょ)





治療としては、

母指の伸筋に無理をかけている固く縮みこんだ母指球筋を引き伸ばすことから始めます。

次いで疲労困憊した母指の伸筋の緊張を和らげ、

さらには大菱形骨と第一中手骨の位置を正しい位置に置きながら行う運動療法で

CM関節を含む、母指全体の関節の正常な動きを回復させる処置を施します。



はい、またお気付きの方もいらっしゃることでしょう。


そう!

「CM関節症」の治療とほぼ一緒なんです。

違いは短母指伸筋(もしくは長母指外転筋)へのアプローチがあるかどうかぐらいです。


大体のケースではCM関節症のセルフケアと同様の方法で対処ができます。


ということで、

最後にセルフケアを動画にてご紹介したいと思います。





☆ 注 意 ☆

患部の炎症が強いときに行うと悪化の危険性があります。

エクササイズ中に痛みが伴う場合、患部の炎症が考えられます。

そうした場合は、エクササイズを直ちに中止して

アイシングをされることをお勧めします。


※ビニール袋に氷を入れ、氷嚢をつくります。

腫れている患部に15~20分あてます。

次に氷嚢を外して5分ほど休ませます。

これを2~3回ほど繰り返しましょう。

強い炎症も、その多くは患部の安静とアイシングで3~6日で鎮静化します。
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