レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ボル・ダーグル シュークリームの日!

2013-02-09 05:00:00 | 日記
キリスト教文化圏ではクリスマスとならんで春のイースター(復活祭)が大きな祭事となっています。イースターのことをアイスランド語ではパウスカーと言います。パウスカーそのものについては機会を改めてご紹介するつもりです。

さてそのパウスカーから遡ること四十六日間は受難節または四旬節という期間で、キリストの十字架刑を偲ぶ時期なのですが、この期間は肉類を食することを控える、という習わしが広く伝わりました。この期間をアイスランド語でファスタといいます。英語のfastと関連がありますが断食のことも意味します。

で、このどちらかというと暗ーい?気分の四十六日間の始まりが、今年は来週の水曜日、二月十三日に当たります。パウスカーはクリスマスと違い、毎年日が動きます。日本でパウスカーがいまいち商業ベースに乗らないのはそのためだとか。このファスタについても日を改めて書いてみたいと思います。

さて、そのファスタに先立つ三日間、今年で言うと二月の十日、十一日、十二日をパウスカ・インガングと呼び、これはファスタへの入り口の期間とされています。この入り口の三日間を始め、来週はいろいろと伝統的な行事が並んでいますので、ご案内したいと思うわけです。

と、長ーい前置きになりましたが、今日の本題です。ファスタへの入り口の月曜日はボル・ダーグルです。「ボル」は「ボラ」の連語形。ボラというのは魚ではなくて、日本で言うシュークリームです。ダーグルは「日」です。

ただこちらのシュークリームはカスタードクリームばかりではなく、ブルーベリー、チョコレート、ストロベリー、キャラメル、ミックス等いろんなバリエーションがあります。共通しているのは、いずれもカロリー満点のクリームが目一杯つまっていることです。



Myndin er úr Vísir.is


このボル・ダーグル、ノルウェーとデンマークの影響があるとかで、アイスランドへやってきたのは十九世紀になってからだとか。ただノルウェー等ではこのボル・ダーグルは翌週の火曜日らしいのですが、アイスランドでは一週間強早まってファスタへの入り口の月曜日に落ち着きました。

月曜になった理由はその翌日にあたる火曜日(今年で言えば十二日)の「スプレンギ・ダーグル」という別の伝統的な食習慣を邪魔しないように、との配慮だとか。このスプレンギ・ダーグルにはたらふく食べますので、シュークリームは余計だったのでしょう。

ボル・ダーグルには、見渡せる限りの周囲ではみんなシュークリームを食べています。幼稚園、学校、オフィス、教会でも。なぜか公費で買うことが認められているようで、オフィス等では代表が買いに行って何箱も持ち帰り、みんなただ酒、ではない「ただシュー」にありついています。私もこの日には必ず教会のオフィスへ顔を出すようにしています。

シュークリーム、結構いい値段でひとつ250から350クローネくらいします。スーパーなどではここ数年間はフライングが定着してしまい、月曜前の週末から特設売り場を開いてしまっています。

ワタシ、甘党では無いんですけどねエ、この日はシュークリームを食べるのが楽しみです。文字通り一年に一回かな?いや、まとめて幾つか買うので前後を合わせて年に三回程度のお楽しみです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本大使館 | トップ | 「灰の水曜日」の過ごし方 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事