レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「灰の水曜日」の過ごし方

2013-02-11 05:00:00 | 日記
今週の水曜日からファスタ(受難節、四旬節、レント)に入ります。そのしょっぱなの水曜日は「灰の水曜日」と呼ばれます。もともとは「灰の日」だけだったのですが、いつも水曜なので一般に「灰の水曜日」が取って替わったそうな。

これはもともとカトリック教会の伝統で、受難節の始めに当たって「灰をかぶって嘆く」(旧約聖書などを読むと、人々は悲しいこと、恐ろしいことに出くわすと「服を引き裂き、頭から灰をかぶって嘆く」描写がよく出て来ます)という精神で始められたようです。

今もカトリックでは額に灰で十字を書く儀式があります。聖公会ではどうか?うーん、存じません。ルーテルでは儀式はないですね。

アイスランドではこの日は「オスク・ダーグル」と言います。「オスク」は灰、「ダーグル」は日です(もう、覚えてくれましたか?)。この日にはきちんとした伝統行事があります。「灰をかぶって嘆く」こととどう関わりがあるのか、全く不明です。

その伝統行事とは、まあ小学生が中心なのですが、思い思いの仮装をして歩く、ということです。この時期になると、町のおもちゃ屋さん等の店先にはざまざまな仮装用の衣装が並びます。スパイダーマン、シンデレラ、忍者、ジェイソン、妖精等々...

私の長男が幼稚園だった頃、というのはもう十七年くらい前のことですが、出来合い物ではつまらない、と思いウルトラマンのお面を作ったことがありました。お面と言っても上頭部がすっぽり隠れるような七十五パーセントヘルメット的なものでした。

人間の頭に合うように紙や新聞を形作るのは難しかったですが、非常に良い出来映えで、園のスタッフや園児のお母さん方から賞賛をいただきました。「見たか!ウルトラマンを。知らねえだろう?」と、文化的適応未完了だった私は得意になったのを覚えています。

さて、子供達の仮装大会ですが、学校に集まることもあれば、この日は全くのお休みということもあります。それぞれの学校で決めているようです。



Myndin er úr Ferdamalastofa.is


仮装するだけなら問題はないのですが、続きがあります。スーパーマンやゾンビや赤毛のアンが集まると、彼らは町や近所のお店やオフィスを訪ねて回ります。そしてそこで何か一曲、コーラスを披露します。コーラスは大げさ、何か歌うのです。そして歌い終わるとキャンディとかチョコとか、小さなお菓子をもらえるのです。

配布用お菓子を用意しておくのはお店やオフィスの「大人の」常識です。面白いのは、ただお菓子をあげるのはよくないらしく、大人達の方から「何か歌え」と催促することがあることです。労働の対価?

というわけで、「灰をかぶって嘆く」はずのこの日は、ミニ・ハロウィーンと化しています。まあ、教会のオフィスにゾンビ軍団が入って来ても、子供だとやっぱりかわいいですけどね。

一言付け加えますと、先日のJapan Festivalでは大学生たちのコスプレ・コンテストをやっていました。仮装が好きなのかな?みんな。なんて他人事のように言っていますが、若い女性を含む邦人の仲間ではクリスマス仮装飲み会をしましたし、「またやろう」ということになっています。

大人の仮装もそれなりに「見所」がありますが、較べてみると、ちいちゃなゾンビ軍団の方がまだ健康的な気がしなくもないなあ...へへ)


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