過去2回、行きたいと思えど日程の都合のつかなかった「東北地区の交流研修会」。3度目の今回、ようやく時宜を得て、顔を出させて頂いた。
とはいえ、翌日も、はずせない日程が入り、2日目の夕食から、3日めの朝食後までしか滞在できなったのが心残り。そこはあせらず次の機会を待つとしよう。
会場は、東北学院中学校・高校。夕暮れの小鶴新田駅から、風にあおられながら、徒歩10分で到着。ちょうどお帰りになるところの会津のふじ先生とおめにかかってご挨拶。ふじ先生には、いつか一献差し上げたいと思うが、それもまた次の機会となる。
夕食後、かなめさんの「カードチェック講座」を聴講する。
率直に、感嘆した。すばらしい講座、就中、教材である。
****
カードチェックといえば、ディベートの基本動作である。特に、反駁の作業はこれなくしては考えられぬ。
主張の裏づけとして、証拠資料が出される。
しかし、往々にして、それらの主張は、カード(その昔、証拠資料は、京大式カードに一件ごとにタイプアップしていたことの名残から、証拠資料のことを、別名「カード」と呼ぶ)の含意から逸脱している部分がある。
平たく言えば、
「証拠資料は、そんなことは言ってないぞー」
「証拠資料からは、そうは言えないぞー」
といった現象が生じてくる。
これに対抗し、ジャッジに対し、立証の不十分性を気づかせるために、
・試合中、スピーチでそのような証拠資料の「限界」を適切に示し、
・相手の主張の当てはまる領域、あるいは証拠能力の範囲を制約するという作業
を行う必要が出てくる。
これが、カードチェックである。
そうすることによって、相手にプレッシャーをかけつつ、味方にとって有利な体制を築くという意味では、サッカーで言えばパス、野球で言えばバントに比すべき基本動作であろう。
→で、あれば、練習なくしては、上達しない。
→ウラを返せば、適切な練習で、基本的な素養はしっかり身につく。
良い教材が望まれる所以である。
ここで、カードチェック講座で配布されたレジュメを見てみる。
恐れ入るばかりに念の入った構成である。
●まず、カードチェックの概念と重要性・留意点を説明し、
●数多くの実例による演習問題で着眼点を解説。その上で
●立論→第1反駁→第2反駁にわたるカードチェックに係る議論の流れをフローで示すことで、テキストに沿ってスピーチ練習を行うことまで可能にしている。
●加えて、演習問題での証拠資料の出典を「デタラメ化」することで、証拠資料の安易な流用をできなくさせているという芸の細かさ!
今回の交流研修会でも、参加者がスピーチ練習を行うところを見させて頂いたが、皆、一通りの動作をこなすところまで力をつけていた。
その夜、かなめさんに、この教材が成立した経緯を伺うに、だいぶ以前、東海地区の中学生(!)を対象として、カードチェックの訓練素材として開発されたとのこと。
東海地区の「足腰の強さ」の秘密の一端を、垣間見たような気がした。
また、
これで東北地区がまた一段強くなって出てくるのはまちがいない、と思った。
とはいえ、翌日も、はずせない日程が入り、2日目の夕食から、3日めの朝食後までしか滞在できなったのが心残り。そこはあせらず次の機会を待つとしよう。
会場は、東北学院中学校・高校。夕暮れの小鶴新田駅から、風にあおられながら、徒歩10分で到着。ちょうどお帰りになるところの会津のふじ先生とおめにかかってご挨拶。ふじ先生には、いつか一献差し上げたいと思うが、それもまた次の機会となる。
夕食後、かなめさんの「カードチェック講座」を聴講する。
率直に、感嘆した。すばらしい講座、就中、教材である。
****
カードチェックといえば、ディベートの基本動作である。特に、反駁の作業はこれなくしては考えられぬ。
主張の裏づけとして、証拠資料が出される。
しかし、往々にして、それらの主張は、カード(その昔、証拠資料は、京大式カードに一件ごとにタイプアップしていたことの名残から、証拠資料のことを、別名「カード」と呼ぶ)の含意から逸脱している部分がある。
平たく言えば、
「証拠資料は、そんなことは言ってないぞー」
「証拠資料からは、そうは言えないぞー」
といった現象が生じてくる。
これに対抗し、ジャッジに対し、立証の不十分性を気づかせるために、
・試合中、スピーチでそのような証拠資料の「限界」を適切に示し、
・相手の主張の当てはまる領域、あるいは証拠能力の範囲を制約するという作業
を行う必要が出てくる。
これが、カードチェックである。
そうすることによって、相手にプレッシャーをかけつつ、味方にとって有利な体制を築くという意味では、サッカーで言えばパス、野球で言えばバントに比すべき基本動作であろう。
→で、あれば、練習なくしては、上達しない。
→ウラを返せば、適切な練習で、基本的な素養はしっかり身につく。
良い教材が望まれる所以である。
ここで、カードチェック講座で配布されたレジュメを見てみる。
恐れ入るばかりに念の入った構成である。
●まず、カードチェックの概念と重要性・留意点を説明し、
●数多くの実例による演習問題で着眼点を解説。その上で
●立論→第1反駁→第2反駁にわたるカードチェックに係る議論の流れをフローで示すことで、テキストに沿ってスピーチ練習を行うことまで可能にしている。
●加えて、演習問題での証拠資料の出典を「デタラメ化」することで、証拠資料の安易な流用をできなくさせているという芸の細かさ!
今回の交流研修会でも、参加者がスピーチ練習を行うところを見させて頂いたが、皆、一通りの動作をこなすところまで力をつけていた。
その夜、かなめさんに、この教材が成立した経緯を伺うに、だいぶ以前、東海地区の中学生(!)を対象として、カードチェックの訓練素材として開発されたとのこと。
東海地区の「足腰の強さ」の秘密の一端を、垣間見たような気がした。
また、
これで東北地区がまた一段強くなって出てくるのはまちがいない、と思った。
ふじ@会津です。
自分のことが出ていて驚いています。
嬉しいなあ(笑)。
こちらのブログは
自分のお気に入りに入っていて
時々チェックしています。
これからも勉強させていただきますね。
カードチェック講座、やってよかったです。かなめさんを遠くからお呼びした甲斐がありました!
そして、3日目の朝の講義も、良かったです。
正直、カードチェック講座の当日は「言っていることはよく分かるが、試合でどの程度活用できるのかな?」と思っていたのですが、終了後の飲み会で語り合って、その重要さに改めて気がつき、時間が経って更に、その活用の意義が分かってきました。
特に、過去のディベート甲子園のビデオを見ると、「そこでカードチェックをすればどんなに有利に試合が展開できたか…」ということにたくさん気がつきました。更に3日目の講座の内容を活用すると…
“基本動作”のカードチェックが、なぜ今までの間、広まっていなかったのかと、不思議なくらいです。証拠資料の用い方の是正にも繋がりますから、これは広まればいいのに、と思います。
また、過去のディベートでは、このカードチェックを「その資料は~~のことまて照明していませんよね?」という質疑で行なっていて、聞いていてちょっとイヤミだなぁ、と思われるのですが、反駁で行なえばとても短く明瞭で有効ですよね。
生徒たちも研修会のおかげでカードチェックのことが分かりましたので、更に良いディベートを目指して努力したいと思います。
追伸:出典を「デタラメ化」…知りませんでした(爆)
旅日記、拝見しました。感想は、交流の広場の方で申し上げます。
新設されたブログの方も、楽しみに拝見しております。
熱のこもったコメント、ありがとうございます。
「重要性についての重要性」については、お話した内容を再構成しながら、近日中にアップする予定です。
では。