注釈の注釈による超現実詩小説
棺詰工場のシーラカンス
【141】貴族のように
ただし貴族【16】ならば、その名誉にかけて呼ばれてもいないパーティーの席で後ろめたくなどならない。彼らはさり気なくそこにいて、誰かがナイフで切って口に運ぼうとしている料理を手づかみで頬張ることだって大好きだ。もちろん数度噛んだだけで、床にぺぺぺっと吐き出してしまう。ほんとは貴金属【15】さえ食べていれば満足なのだから。貴族の存在に気づいた客人たちが次々とおじぎ【163】をしていく。ご機嫌麗しい貴族なら、その場で熱便をふるってくれるかもしれない。湯気のたつパン【27】が誰をも驚嘆させるほどの輝きを放っているのは、貴族がおじぎを使わないため、価値が累々と貴金属に蓄積されていくからである。
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【131】いつも自分の姿を場違いに思っていた
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