岩波写真文庫、全286冊ならびに 岩波写真文庫復刻ワイド版、全114冊の整理が一段落した。
どれも吾が子のように感慨深い冊子たち。
*左/No101【戦争と日本人~あるカメラマンの記録】
仮に全タイトル中、1冊だけ選ぶとしたら即座にこのナンバーを選ぼう。もう12~13年以上も経つと思う、当時アサヒカメラか日本カメラだったか、この[あるカメラマン・影山正雄氏]の特集を掲載したことがあり、不注意にも無くしてしまったその雑誌を今でも捜し求めて古本屋を彷徨う歩いている。以前にも、とらのこ日記に書いたことがあるがー。→101番・戦争と日本人売り切れ
*中/No148【忘れられた島】
286冊中、人気度No1のナンバー。寅の子文庫でも以前、復刻ワイド版を出したことがあったがわずか、3時間も経たず売れてしまった。何故それほど人気が高いのか? タイトルにある、「忘れられた~」という響きの中に己が存在を世の中の雑踏に埋もれさせまいと、無意識的な反発心が多分にこのタイトルをめ贔屓しているのではないのか。物語は薩摩半島の南、約50kmに位置する三島村(さんとうそん)の生活を克明に描写している。終戦間近い昭和20年3月、本土鹿児島との連絡が途絶え、電話も無線も無い生活の中、8月の終戦も知らずグラマンの機銃掃射を恐れて山中でじっと生きていた人たちの過疎地の村作りの記録。
*左/No188【離された園】
写真文庫編集部をはじめ、この冊子の製作に携わった全ての人たちに最大の敬意を払いたい。22年前、神田の古本屋で初めて写真文庫を手にしたとき、巻末目録にこのタイトルを見つけて以来探し続けた結果、ようやく入手したのが3年前、札幌の古書店から取り寄せる。このナンバーに掲載している写真は163枚、しかし製作にあたり国立多磨全生園をはじめ全国11の国立、3つの私立療養所の協力を得て、延べ4000枚もの写真が撮られたという。その労苦に頭を垂れ、病気に対する偏見と、園に生き続ける人たちの本来有るべき人権回復を願って止まない。この一冊がハンセン氏病と閉ざされた社会の闇を照らしゆく灯台の役割を果たし、50年の歳月を微塵も感じさせない先見性と困難に立ち向かう勇気に注目せずにはいられない。286冊の製作の意義は全てこの一冊に凝縮され、この一冊から286冊に光彩は正に解き放たれていると思う。
*ガラクタ箱、のサイトから【岩波写真文庫188・離された園】の全ての頁が公開されている。
岩波写真文庫がひとりでも多くの人の目に留まることを願って止まない。
忘れられた島 (復刻版 岩波写真文庫―森まゆみセレクション) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
離された園 (復刻版 岩波写真文庫―森まゆみセレクション) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
名取洋之助が編集している。確か写真家でしたね。
1958年以前の沖縄の様子がよくわかります。
女性が頭に荷物を載せて歩いている写真が多い。
ペプシやコーラの看板。
芭蕉布の着物の老人。
大切にしたいと思います。
その【285沖縄】はとても保存状態の良い掘り出し物です。岩波写真文庫は背表紙が命!直射日光は禁物、明るい部屋の中でも背の赤いタイトルはわずか2~3年で焼けてしまいます。私はこちらで今、【沖縄県1958復刻ワイド版49】を見ています。原本と見比べるとやはり復刻版の解像度に軍配が上がるようです。町並み風景など遠く写っているお店の看板まではっきり読み取れますし、なんと言っても43ページ左上、久高島の少女の表情がとても良いですよ!
早速、背表紙を奥にして本棚にしまいました。
>43ページ左上、久高島の少女の表情
麦わら帽子のワンピースの少女。頭にカゴを載せている。
もう47年以上経っていますが、健在でしょうね。
>ガラクタ箱
許可されて載せていますね。昔は偏見があって不治の病といわれていた。
この写真文庫、電子媒体で発行すれば買いたいですね。
148番忘れられた島、188番離された園、このナンバーはもうなかなか入手が難しいと思います。ヤフーオークションでたまに見かけますが、1冊数千円という高値がついてしまうのが実情です。しかしモノは考えようで、お付き合いの酒を一晩我慢すればお安いですよね(^-^)/
岩波写真文庫、ウチにもありますよ。父親が持ってて、古本として店頭に出してます。ウチ、実店舗あるんです。といっても古本屋じゃないんで、古本はほんの一角に置いているだけですけど。でも、近所の人は興味ないみたいで。(ーー;)。
あ、ウチのネット店の方ですが、いろいろ試行錯誤していて再開のめど立ってません。でも、いいWebツールを見つけたので、これを利用して改装を始めつつあるところです。うまくいけば管理がグッと楽になるんですよ。お楽しみに。
寅の子文庫が全知全能を投入しても、たおやんのサイトには遠く及ばないのです!あんなにスゴイいサイトを寝かしておくのはもったいないのでよ、すぐに再開してくださいね。ご実家が本屋さんとは驚きました。その上、写真文庫まであるとは!これはもう訪ね行くしかないですね。近々、行きますからお覚悟あれ(^-^)v
お店はあるけど本屋じゃないです。全然の別商売です。棚に空きがあったので、そこに古本をちょっと置いただけという……_(^^;)ゞイヤー。
ご訪問いただくなんてとてもとても、そんなレベルじゃあござんせん。でも、どこかでお会いしたくもありますね(ウチはご勘弁くださいm(__)m)。