大切にしていた101番、岩波写真文庫 『戦争と日本人~あるカメラマンの記録』 が今日売れた。開店2ヶ月で約60冊の岩波写真文庫が売れた、本当にありがたい。半世紀を経てなお、人の心を虜にする写真文庫たち・・・一人でも多くの方がこの286冊の1冊でよい、読者ならんことを只願う。この小冊子の《はじめに》を書写することを許し請う(実際は縦14文字X26行)
《はじめに》
《「今日この本を世に出すに当たって、私たちの希うことは、人々にこれを冷静に見ていただきたいということである。維新以来八十年の日本の歴史は、戦争から戦争へと歩んだ跡だといっても過言ではあるまい。戦争がどのようなものであるかは、國民がみな知っている筈である。しかも、それが日々に忘れられてゆきつつあるということもまた否みがたいだろう。この本に収められた写眞の大部分を撮影した影山正雄氏は、優れた報道写真家であり、戦争中には複雑な体験をした人である。その一家の記録は、戦争によって傷められた人人の生活を代表しているものと考えてよいだろう。今それに、苦心蒐集した歴史的な写真を加えて、日本が歩いてきた姿を如実に描いて見た。掲載された写真の数は少ないが、この背後にあるものを考えていただきたい。再び希う。読者がこの本を静かに見て下さることを。」》
時を隔てて1987年7月20日復刻されたワイド版には写真の下に小さく2行の白抜きで文章が加えられている~ 《「もし戦争がなかったら、私は愛児を死なさないですんだかもしれない。けれども私の一家の生活は、戦争に傷められた数多くの人々のなかでは、ましなほうなのかもしれない。」》
《はじめに》
《「今日この本を世に出すに当たって、私たちの希うことは、人々にこれを冷静に見ていただきたいということである。維新以来八十年の日本の歴史は、戦争から戦争へと歩んだ跡だといっても過言ではあるまい。戦争がどのようなものであるかは、國民がみな知っている筈である。しかも、それが日々に忘れられてゆきつつあるということもまた否みがたいだろう。この本に収められた写眞の大部分を撮影した影山正雄氏は、優れた報道写真家であり、戦争中には複雑な体験をした人である。その一家の記録は、戦争によって傷められた人人の生活を代表しているものと考えてよいだろう。今それに、苦心蒐集した歴史的な写真を加えて、日本が歩いてきた姿を如実に描いて見た。掲載された写真の数は少ないが、この背後にあるものを考えていただきたい。再び希う。読者がこの本を静かに見て下さることを。」》
時を隔てて1987年7月20日復刻されたワイド版には写真の下に小さく2行の白抜きで文章が加えられている~ 《「もし戦争がなかったら、私は愛児を死なさないですんだかもしれない。けれども私の一家の生活は、戦争に傷められた数多くの人々のなかでは、ましなほうなのかもしれない。」》
戦争と日本人―あるカメラマンの記録 (岩波写真文庫 赤瀬川原平セレクション 復刻版) | |
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