肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『呪怨2[ビデオオリジナル版]』、観ました。

2005-09-28 23:41:40 | 映画(さ行)
呪怨2

ジェネオン エンタテインメント

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  『呪怨2[ビデオオリジナル版]』、観ました。
不動産業を営む達哉はひょんなことから、とある一軒家を訪れる。そこは
かつて変死した小学校教師・小林が住んでいた家だった‥‥。
 残されたナゾを探るべく、ボクは『呪怨2』を観る。ついにこれで
ボクが観た『呪怨』シリーズは映画版1本とビデオ版2本の“完全制覇”と
なったわけだが、やはりその答えは見つからぬまま‥‥。ただ、今になって
思えば、この監督さん、 端(はな)から今作におけるナゾの理由付けなんて
するつもりがなかったかもしれぬ。世の中には現代科学で説明できない
現象が数多く存在し、正体が分からないからこそ、 人は“それ”に恐怖し
怯えるとも云える。アレは何だったのか‥、ヤツの正体は‥、そして
何処から来て、何処へ向かうのか‥。いや、この際そんなことを考えるのは
止めにしよう。むしろ、これは手を変え品を変えやってくるシュールで
“新しい恐怖”を堪能すべき映画なのだ。ショッカーや残酷描写に頼らず、
CGや特殊メイクにも頼らない。例えば猫の泣き声であったり、狂気的な
愛を綴った日記帳であったり、押し入れの天井に空いた穴であったり、
荒らされた部屋にポツンと座る少年であったり、平凡な何気ない風景の中で
〈あるべきものがない恐怖〉、逆に〈ないべきものがある恐怖〉、、、
そんな日常の“違和感”から恐怖感を引き出す演出の切れ味が凄い。
更にはオムニバスの形式を逆手にとり、枠に捕われない“自由な編集技法”が
映画に独特のリズムを導き出す。今シリーズ3本ともが90分か、あるいは
それに満たない短い上映時間の小品ではあるけれど、小粒でもピリリと辛い
山椒のような映画。ハイ、ボクは存分に満喫できましたヨ。


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