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『半落ち』、観ました。
現役警察官の梶という男が妻殺しを自供。ところが、彼が殺人を犯してから
3日目に自供してきたことが問題になる。なぜすぐ出頭しなかったのか。
梶は“空白の2日間”の事を一切語ろうとしなかった‥‥。
この映画、凄く感動したという人もあれば、あまり感動しなかったという人も
あって、好みによって千差万別。早速、ボクの感想を言わせてもらえば、
さすがベストセラーの原作だけあって話自体は非常に面白いと思う。
ただし、これを“一本の映画”としてみれば、全体のバランスが悪いというか、
落ち着きのない作品になってしまった感は否めない。それというのも次々に
現れる登場人物が多過ぎて、それぞれが充分に描ききれてないままに次へ次へと
進んじゃう。この人、ホントに必要なキャラなの?と思う人物さえちらほら。
ぶっちゃけ、柴田恭平と伊原剛志のキャラもかぶってるし、登場人物の何人かを
削って整理した方が良かったんじゃないのかな。
一方、今作のテーマとなるアルツハイマー病や痴呆症、骨髄白血病など
重度の患者の介護問題については、はたから見る“他人の建前”と内側で
直面している“家族の本音”にはギャップがあって、非常に考えさせられるものが
ありました。この映画の良い点は、あえてその難しい結論を出さないことで、
「さぁ、みんなでじっくり考えてみませんか?」という形で終わっているところ。
勿論、不治の病といえ妻を殺した主人公は決して許されることではない、
しかし、愛するがゆえにとった彼の行動を一体誰が非難できようか‥‥。
この問題を議論するには「正論」とか「社会的モラル」とかいう前に、もし自分が
その立場に立たされたら‥、もし愛する人がこの病に冒されたら‥、という
前提のもとで 考えなければいけないと思う。