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『マシニスト』、観ました。
極度の不眠症で1年も眠れず、病的に痩せ衰えた機械工のトレヴァー。自宅で
不気味な貼り紙を見つけ、新しい同僚に出会って以来、彼の周囲で奇妙な
出来事が頻発する。誰かが自分を陥れようとしていると感じたトレヴァーは、
疑心暗鬼になっていく‥‥。
何時でも何処でもスヤスヤ“安眠”できちゃうオイラには、この眠れない
主人公の気持ちは分かるまい。瞳の輝きは消え失せて、頬はげっそり、
骨と皮だけになったお姿を見るにつけ、あ~ぁ、自分が自分で良かったと
思わずにはいられない(笑)。
さてさて、まず、この映画で驚かされるのは、あのクリスチャン・ベールの
“激ヤセ”変貌ぶり。恐らく優に30キロは減ったと思われる体型は、もはや
「ダイエット」と呼ぶには残酷で、何か変なクスリでもやってんじゃないかと
思えるほど(笑)。しかし、どうなんだろう‥‥、これを“ひとつの映画”として
観た場合には、痛々しくて…、重々しくて‥、オイラは主人公への同情や
憐れみよりも、むしろ“気持ち悪さ”の方が強かったかな。それに、人の
迷惑かえりみない主人公の言動にも、少なからずの“嫌悪感”を感じたし‥。
赤い車に…、謎の男に…、ひき逃げ犯…。天国行きか地獄行き…、空港の喫茶店…、
真夜中午前1時30分……。途中、様々なプロットを散りばめながら、パズルの
ワンピースのごとく、はめ込んでいった後に見えてくる“驚きの新事実”、、
その謎解きが鮮やかなだけに、そこに行き着くまでの過程を、もう少しスマートに
見せて欲しかった。こう暗くて重たいと、観ていてどんどん気が滅入ってくる。
やはり、ハリウッド映画はハリウッドらしく、明るくスカッといきたいですなぁ(笑)。