肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ザ・インタープリター』、観ました。

2005-10-06 20:40:35 | 映画(さ行)
ザ・インタープリター

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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 『ザ・インタープリター』、観ました。
事件は、国連通訳シルヴィアが、アフリカのマトボ共和国ズワーニ大統領の
暗殺計画を聞いたと通報したことに始まる。妻を亡くしたばかりの
シークレットサービス敏腕捜査官ケラーは、殺し屋のターゲットとなった
シルヴィアの警護を始めるのだが…。 
 まず、この映画に出演したキャスト、携(たずさ)わったスタッフ、
そのすべての人たちの“勇気”に感動した。「国連中心主義」、「テロへの
報復否定」‥‥、見方によっては“反政府的”とも“(ブッシュ)大統領
批判”とも受け取られかねない内容だが、それでも彼らは“伝えたいこと”への
使命感に駆られての決断だったに違いない。この作品が、今この時期に
公開されたことへの驚きと、他でもないアメリカ人がこの作品を作り上げた
という事実に心から拍手。その“考え方”と、その“意思の強さ”に
心打たれました。
 さて、映画は上にも書いたように、「テロとその報復」をテーマにした
社会派サスペンス。ハリウッド的な娯楽要素はやや薄いものの、主演の
二コール・キッドマンとショーン・ペン、、その両者の間に横たわる“2つの
哀しみの深さ”を描いた重厚な人間ドラマに仕上がっている。ボクが、
この映画を観て感じたことは、人が“哀しみ”に直面した場合、そこには
“2通りの選択肢”があるってこと。ひとつは、相手に復讐することで、
その哀しみを誤魔化す方法と‥‥、もうひとつは、相手を許すことで、
その哀しみに打ち勝つ方法と‥‥。勿論、「理想」と「現実」は違うのかも
しれない。もし、ボクがその状況に立たされたら、何をどうするかも分からない。
しかし、少なくとも“今だけは”せめて後者の方でありたいとボクは願う。
だって、“今の世界”を見れば、その答えは自ずと見えてくるはずだから…(涙)。


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