シービスケット プレミアム・エディションポニーキャニオンこのアイテムの詳細を見る |
『シービスケット』、観ました。
1930年代大恐慌。天涯孤独の騎手、愛する者を失った西部の自動車王、そして、
時代に取り残された昔気質なカウボーイ。彼らは、一頭の小柄なサラブレット
〈シービスケット〉に 導かれるように出会い、再起への闘いを始める‥‥。
昨年のオスカー候補にもなった作品ですが、残念ながらボクの私感では
“年度を代表する映画”には思えなかった。勿論、悪い映画である筈はない。
世界恐慌を経験し、どん底から希望を見出し這い上がったアメリカに、
駄馬から名馬へと蘇ったシービスケットをダブらせ、またその“希望の馬”から
勇気をもらい、挫折と悲しみを乗り越えた男たちをダブらせる。物語は
センセーショナルでドラマチック、、最後は津波のような感動が押し寄せる。
まさに《アメリカン・ドリーム》‥‥きっとアメリカ人が観たのなら拍手喝采、
「ブラボー!ブラボー!」と連呼しそう(笑)。全くもって言うことない映画なんだけど、
何故かオイラにゃ、そのセンセーショナルが“大袈裟”に、そのドラマチックが
“盛り上げ過ぎ”に感じちゃう。素直に観れないオイラはもうすぐ37歳バースデー、、
ちょっとスレたかな(笑)。
さてさて、そんなヘソ曲がりのオイラが訴えるこの映画の欠点は、意外にも
“臨場感たっぷりの競馬シーン”にあると睨んでる‥‥というのも、競馬シーンを
スリリングに描こうとするあまり、観客の興味が“レースの勝敗”ばかりに
いき過ぎて、肝心となる“人馬の固い絆”が気薄になってしまったように感じられた。
レースに勝った負けたも大切だよ、でもそれ以上にここではもっと大きな視点で‥、
大人の視点で‥、“馬への深い愛情”を描いて欲しかった。ボクとしては
実話でありながら、何処か「作り過ぎた美談」というイメージが最後まで
拭いきれませんでした、残念。。それでもね、今作名誉の為に言っておけば、
後日開いた「映画の会」では、オイラを除いた皆様方が揃ってこの映画を大絶賛。
孤立無援のオイラは、反論意見もそこそこに、静かにお茶を濁(にご)したので
ありました‥無念(笑)。