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一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『インファナル・アフェア』、観ました。

2005-09-25 14:40:42 | 映画(あ行)
インファナル・アフェア

ポニーキャニオン

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 『インファナル・アフェア』、観ました。
警察に潜入した“マフィアの男”ラウと、マフィアに潜入した“警察の男”ヤン。
ある夜、大きな麻薬取引の際、組織と警察は互いに情報漏れに気付き、
警察はラウに、組織はヤンに、それぞれ内通者を探すよう命じる‥‥。
 03年度キネ旬年間9位、すでにハリウッドでのリメイクも決まっている
映画とのことですが、さすがに評判通り面白い。一寸先さえ読めない予測
不能の展開と、窒息しそうな緊張感が映画の魅力。使命感と良心の呵責に
揺れる2人の男、、そして彼らを支える2人の上司、、単なる“追っかけっこ型”
サスペンスの枠に収まらず、両者の心の葛藤にまで押し入った描写が
スリリング。個人的には『男たちの挽歌』の面白さも‥、衝撃も‥、遥かに
凌駕する香港サスペンスの最高傑作だと思います。
 さてさて、物語自体はあまりにもよく出来すぎたお話で、現実問題として
考えれば「そんなバカな‥」って思うんだけど、警察とマフィアの間を
行ったり来たり、常に“カットバック”しながら進む展開にぐいぐい引き込まれ
見入ってしまう。携帯電話や封筒など小道具の使い方、モールス信号の
アイデアも素晴らしくて、ボクが思うにこの監督さん、、“サスペンスの面白さ”を
十二分に熟知した人なんだと思うよ。 ひとつだけ欠点を挙げるとすれば、
“女性の描き方”がやや弱いかなと‥‥。 いっそ登場させない方が
良いのになぁと思うキャラもありました。
 それにつけてもラストシーンに漂う何ともやりきれない余韻といい、
まざまざと“男の生き様”を見せつけられた骨太サスペンス。香港らしい
“アツイ映画”でした。


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