『プロデューサーズ』、観ました。
ブロードウェイのプロデューサー、マックスの事務所に、会計士レオが帳簿を
調べにやって来た。やがてレオがふと漏らした「どんなに高額の製作費をかけて
舞台を作っても、赤字なら帳消しにできる」というアイデアに閃いたマックスは、
最低の脚本&演出&役者をそろえ、わざと打ち切られるミュージカルを製作。
出資金を丸ごとゲットしようと…。
コイツ(この映画)を良識あるオトナが観たら、きっと眉を顰(ひそ)める。
いや、オイラみたいな非常識な人間でも、この刺激はチョット強過ぎた(笑)。
お寒いアメリカンジョークなんて当たり前、下ネタ全開、ブラックな笑いも
ふんだんに盛り込まれて…、それにしても、果たしてこのハイテンションのまま
130分も持つんだろうかと、オレの余計な心配は嫌がおうにも増していく。
まずは、冴えない主人公たちの自虐系ギャグで順調な滑り出し。その時点で
毒はなく、まさか…、まさか…、その後の大暴走など思いもしない。しかし、
いよいよ、ゲイの演出家コンビの登場から、映画は俄(にわ)かに動き出し、
大暴走への序幕は切って落とされたのだ。その、彼らの踊る“オカマ”ダンスに
オレの理性は掻き毟(むし)られ、アタマの中じゃ「トニー(賞)、トニー、
トニー、トニー‥‥」の言葉が呪文のように繰り返される(笑)。さらに、
追い討ちをかけるが如く、観ているオイラの目に飛び込んできたものは、
歩行補助器に捕まりながらも笑顔で踊る、シルバーエイジの婆様方だ。さすがに
これは道徳的にヤバ過ぎる、やっぱりこれは社会的にマズいだろ。だけど、
こりゃたまらん、ついにオイラはこらえ切れずにプッと吹き出した(笑)。
そして、その後は坂道を転げ落ちるように“禁断の世界”へと真っ逆さま。
ハゲネタ&ズラネタで腹も捩(よじ)れんばかりに爆笑し、ヒトラーの髭(?)が
今宵はアタマから離れない(笑)。そのバカバカしさが痛快!!、その開き直った
お下品さが清々しい。それからそれから、役者陣では、思わずユマ・サーマンの
スレンダーなお色気にメロメロ。思わぬマシュー・ブロデリックのスウィートな
美声にクラクラ。勿論、“ミュージカル映画”としても最高にゴキゲンだぜ。
ここには、いかにもアメリカ的で、人々を強烈に惹きつけるものが3つある‥‥、
戦争。エロチズム。そして、ブロードウェイの華やかさ。