緑色の紫陽花

梅雨入りも時間の問題。

お友達からいただいた紫陽花の花束、
透明なガラスの花瓶に、たっぷりと
水を張って飾る。

毎年、紫陽花の咲く時期には、
「咲いて来たから、貰いに来て」
と嬉しいお誘いがある。

ミカンジュースをひと瓶包んで、
いそいそと出掛けてゆく。

今年は「まだ咲く前の緑の紫陽花も綺麗だから」
と早めにお誘いをいただく。
緑の紫陽花も一輪混ぜて貰った。
贅沢な花束。

「咲いているうちに、もう一回ぐらい
　取りに来てね」
と言ってくれた。嬉しい。
遠慮なく行くつもり。


我が家の紫陽花は、一昨年に咲き誇って以来、
咲かなくなってしまった。
今年も青々とした葉が茂るのみ。
いつかまた、咲くだろうか。



今は、お昼を食べて一休み。
わっぱに入った、昨晩の残りのご飯に
海苔とタラコをたっぷり乗っけて
食べる。それと牛蒡の豚汁。

食後に熱いほうじ茶を入れて、塩大福
を頬張る。

そうして、ぐでんとソファに寝転んで思う。
主婦っていいなぁ。自分に合っている、と。

ほとんど変わりのない日常を
淡々と過ごすこと。
朝にはご飯を作り、子供を送り出し、
洗濯機を回し、掃き掃除や片づけを済まし、
ひとり昼ご飯。

買い物に出て帰って、少しのんびり、
子供を習い事に送ったり、子供の友達が
遊びに来たり、そうして夕ごはんを作って
食べ、お風呂に入り寝る。


図書館に行き本を読み、
レンタル店でDVDを借りて映画を観たり、
シンクや鏡や靴を磨いたり、
時々は親しい友人に会いに行く。

そんな変わらない日常が好き。


綺麗に整った部屋の中で、ひとり
ひっそりと在る瞬間、幸せだと感じる。

テレビも観ないし、流行の服やお店も
知らない。けれど、今この瞬間に満足している。


変わらない日常の中にも、非日常は
静かに存在していて、それも含めた
日常の面白さを、飽くことなく、
淡々と味わっている。


それにしても、昨日みたフランス映画は
ひさしぶりに酷く薄っぺらいもので、
雰囲気だけの映画で、見終わって
思わず「ケッっ！」と言ってしまう。