帰り道の贈り物

小さな人はこのところ
小さな贈り物を持って
帰ってくる。

小学校の帰り道で
見つけた色々なものたち。

桜の季節は桜の花を
「春のおくりものだよ」と
言って渡してくれた。

それからは缶バッチだったり、
何かのバネだったり。
今日は直径５mmほどの
ドーナツ型で平たい金具。
多分、ボルトをしっかりと
締める時に挟み込む金具。
少しばかり錆が浮いている。

この頃は、インターフォンの
レンズ越しに、今日の
贈り物をアップにして
見せてくれる。


小さな人の密やかな贈り物。
共通するのは小さいという事。

ありがたく頂戴して、
棚に控えめに置いておく。
小さな人は手渡した事で
満足するのか、その後
贈り物がどうなろうと
興味が無いみたい。


ところで、
以前、デパートで落とし物をした時、
「遺失物拾得物係」という存在を
初めて知った。

遺失物とはハッキリと
どういう意味なのか調べてみたら
「占有者の意思によらずにその所持を離れた物」
と在って、その言葉の明確さに
胸を打たれる。



今日の夕ごはん。
レモンを搾ったスズキのバターソテー。
春菊のお浸し。
長芋の短冊に茗荷を散らしたの。
ふろふき大根。
それから昨日の晩ご飯の残りの
煮込みハンバーグ。

明日は一日雨らしい。
寒い一日になるらしい。

5月のお祝い事と矢印以下の事

小さな人のお誕生会に向けて
準備を進めている。

ゴールデンウィーク、
我が家では小さな人のお誕生会が
メインイベント。

今年は早めの日程で
お誕生会をする事になったので、
今から少しずつ用意をしている
ところ。

家族皆で、ペーパーチェーンを
作ったり、お祝いのボードを
描いたり。

お祝いボードを飾り、
ペーパーチェーンを部屋中に
吊り下げたら、それだれで
もうすっかりお祝いムード。


招待する方にもお知らせを
して、さて、今年は何を
作ろうかな、と思い巡らして
いる。


先日、「バベットの晩餐会」を
観た。美味い料理で人の心も
解れ、それぞれが心を開く様に
感極まる。
静かな美しい映画だった。
慎ましやかな暮らしの中にさえ
美しさが在って。

そんな訳で、映画を観た直後は
こってりとした重厚な料理を
作りたいと思っていたけれど、
今はもう少し気の張らない、
楽しげな料理を考え中。


お天気がよければ、窓を
開け放って、風が吹き抜ける
気持ちの良い室内で、
晴れ晴れとお祝いしたい。

5月はいい季節。
梅雨前の
「倒れるほど清々しい一日」
というのが在る日。


ところで、小さな人。
今日は「太」の漢字練習が宿題
だった。
「のび太の太だね。」と
嬉しそう。

自由に作る文のところで、
「とんもが太る」と書いて
さらに嬉しそう。

「とんもが太る」の後に矢印を
付けて、「これはほんとうの
ことです」と書いてますます
嬉しそう。
「キキキィー！！」と
もはや叫ぶほど。

けれど、喜んだ後、
「やっぱりこれは、ちょっととんもが
かわいそうだね」と言って
矢印以下を消していた。

呑みながら考えること。

お酒が好き。
本当に。
食べる事も好き。
心底。

私が生きていて一番
好きな事。
それは食べる事だ。
圧倒的に。

お酒を飲みながら、
ミーハーについて考える。
私はつくづくミーハーではない。
メジャーな事にも、
マイナーな事にも。

マイナーな事にもミーハーな
人というのが居るな、と考える。

ミーハーとはつまり、憧れる事。
憧れて追い求める事。

私には憧れて追い求める人が
居ない。ずっと。
これからも居そうにない。


トンカツを揚げます。
これから。
たっぷりの春キャベツの
千切りと、種類いっぱいの
みそ汁が今晩のおかず。

それだけでなく、
山形からいただいた
大根の味噌漬けと、
北海道のタラコと筋子と、
松前漬けもあって、
とにかくご飯がすすむ。

食欲に関しては完全に
肉食系な私であります。


今食べたいのは
フランス料理のフルコース。
食前酒も食後酒もあって、
食後にチーズも色々食べて
どっぷり濃厚なフランス料理。


昔の手紙を整理していたら
「お誕生日おめでとう。
　もう24歳なんだから、
　お酒の飲み方をもう少し考えるんだよ」
というかつての友人からの
カードが出てきて、苦笑い。


「バベットの晩餐会」が
上映されている。
見逃さないようにせねば。