とんもの日記

いつか どこかの 本当のはなし

祭りだよ

2016-06-30 11:33:42 | 日々のこと
毎朝、窓を開けるのが
楽しみなこの頃。
なぜって、ベランダの朝顔が
咲き始めたから。

今日はいくつ咲いているかと
楽しみな気持ちで窓を引く。


今日は6つも咲いていた。
白い縁取りのある青紫の花が3つ、
白い縁取りのある赤紫の花が2つ、
縁取りの無い、濃い青紫の花が1つ。

嬉しくなって、小さな人の寝床へ
走る。

まだフワフワと眠っている小さな人の
耳元で「今日は、朝顔祭りだよ」
と囁いた。

その途端、小さな人が目をパチりと
見開いて「ホント!」と起き上がる。

ベランダに走っていて、歓声を
上げていた。
予想以上に沢山咲いていたらしい。



ここ3日ほど続けて、
酷くののしり合う夢ばかりを見た。
おまけに今日はののしり合いつつ、
エベレスト級の山に登頂するという
なかなか壮絶な夢だった。


そんな時、想い出す事は
小さな人が歌う唄。
テレビアニメのエンディング曲の一節。
「うまれて いきて しんでく」

歌った後に、
「私はうまれたばかりだから、これから
 『いきて』だね。
 とんもはもうかなり生きてるから
 後は『しんでく』だよ」
と付け加える事。

後は「しんでく」なのか、そうか、
と思うと、ふぅと心が解れて
笑ってしまう。


朝顔がたくさん咲く日もあって、
ののしり合う夢も見て、
いつか死んでくのだと
思うと、私ひとりをとっても
バラエティに富んでいてなかなか
楽しい人生ですね、と思う。


どんより雨の降らぬ
梅雨空の今日、
朝顔が惜しげもなく
涼しげに咲いている。


今、観たい映画。
「ノーマ、世界を変える料理」。
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鶏の唐揚げを揚げながら

2016-06-15 09:44:24 | 日々のこと
今晩の夕食は、
久しぶりに鶏の唐揚げ。

揚げながら、ふと想い出した事。
それはある社員食堂にお務めの
食堂のおばさんの事。


大学を卒業して1年くらいの間、
私は実家に戻っていた。
やりたい事をする為の勉強と
それに必要な資金作りの
アルバイトをする為に。


そこは精神的にかなり
キツい職場で、私以外の同期は
すぐに全員辞めてしまった。
私も相当参っていたと、今に
なって思う。
「ご飯が白い」という
だけでぼろぼろと泣けてくるほどだった。


さて、そんな話はいいとして、
言いたい事は、
そこの社員食堂の事。


社員食堂には2人のおばさんが
お務めで、どちらの方も
恰幅が良く明るくて、それだけで
料理が美味しいと思えるような
お二人だった。


中でも一人のおばさんは
とびきりの美人なのだ。
目鼻立ちがパリッとしていて、
ゆるくカールした長い髪を
後ろで結び、清潔な白い
三角巾をきりっと巻いている。
おまけに声も色っぽい。

予想通り、その社員食堂の
お料理はどれもこれも
びっくりするほど美味しかった。
中でも、鶏の唐揚げは素晴らしく、
衣のふわりとした纏わり具合、
味付け、カリッと揚がった見た目
などなど、うっとりするほどだった。

ある日、あんまり「美味しい」
と言う私に、おばさんが
唐揚げの作り方を教えてくれた。
その作り方には、卵や小麦粉が
加えられてあって、それで
ふんわりとした食感になるという
話だった。


あれからしばらく、おばさんの
作り方を真似て、鶏を揚げた。
けれど、どうしてもおばさんのように
美味しくカラリと揚げられないのだ。

そのうち、その作り方も止めてしまい、
今では、唐揚げと言えば、片栗粉のみ
のシンプルな衣ばかりを作っている。


おばさんとは短い期間のおつきあい
だったけれど、食の記憶は今も鮮明に心に
焼き付いている。

そうして、時々心を明るく点して、
今という日を勇気づけてくれている。

普段は忘れていていたとしても
酔っぱらいながら、唐揚げを揚げる
今の私という存在を、
確実に温めてくれている。
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つ、付いてるし。

2016-06-09 13:26:05 | 日々のこと
小さな人、足が痒いと言い出す。
このところ、学校や公園で
沢山、蚊に刺されているので。


「そうだ、糊を塗ったら痒く
 なくなるかも」

そう言って、小さな人は
痒い部分にスティク糊を塗ると


「ほらぁ~痒みが止まったわ~」
と嬉しそう。


しばらくして、
「私、足に鉛筆を付けるね」

と言って、糊を塗った場所に
鉛筆を立てて接着しようと試みているよう。

「え~足に鉛筆、付かないでしょ~」
と私。



と、ここまでは小さな人と私は
それぞれ違う部屋にいて、声同士で
会話をしていた。

だから、
『足に鉛筆を付ける=足の指の間に
鉛筆を付けている』
だと思い込んでいた。

しばらくして、小さな人の傍にゆくと、
足の甲から鉛筆が生えていて、
大層驚く。

つ、付いてるし。
し、しかも甲に。
な、なんの為にそこへ。

小さな人は足の甲に鉛筆を
付けた状態で数歩歩くと、
やっぱり歩きづらいと思ったのか、
ベリッともぎ取っていた。


足の甲に鉛筆が付いている人
というのを初めて目撃する。
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瑞々しい手紙 / 草臥れちゃった

2016-06-07 13:02:57 | 日々のこと
お友達のこどもから
お手紙が届く。

ちょうど、そのお友達に
会いたいと思っていた時。
ポストを覗くと、馴染みの
文字が目に留まって、
嬉しくなる。

そうして、よく視たら、
差出人はお友達ではなく、
お友達のこどもだった。

子供と言っても、もう中学生。
手紙には、私が誕生日にお菓子を
贈った事のお礼、今好きな歌手の事
などが書かれていた。
繊細な手描きの絵と共に。

早速、そこに書かれていた歌手
(グループ)をYou tube で聴いてみた。

遥か遠くまで続く、果てない
希望を感じさせてくれる声だった。


胸が熱くなる。
中学生になると、こんな曲を聴いたり、
それを強くいいと思ったりするんだな。

私も中学生から大学生には
色々な曲を、もっと新鮮な気持ちで
柔らかな感性で聴いていた事を
想い出す。


手紙から瑞々しさが溢れていて
眩しいほどだった。



夕方、紫陽花を貰いに
自転車で出掛ける。

庭先に大振りの紫陽花が
もりもり咲いている。

どれでも好きなのを切っていいからね、
と鋏を渡される。
5本ほどいただいて、嬉しく帰宅。

我が家の紫陽花、去年は見た事もない
くらいに咲きに咲いて、今年はひとつも
咲かない。

去年でちょっと草臥れたのかな、
と呑気に構えているけれど、
本当にいったい、どうしちゃったのかな。


紫陽花、梅雨の中の希望。
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キャサリン

2016-06-06 12:50:29 | 日々のこと
それは、
お掃除ロボットの名前。
父親が名付けた。

ついに母親の家に
お掃除ロボットが
やってきた。
円盤状のあの有名なやつ。

母親が興奮を抑えきれない
様子で言う。
「うちにね、キャサリンが来たのよ!」
と。

キャサリンの働きぶりは本当に
すごいらしい。
2cmくらいの段差であっても
越えてゆき、絨毯でも和室でも、
ベッドの下でも、トイレでさえも
綺麗に掃除してくれると言う。
一部屋に4回くらいやってきて、
すみずみに渡ってくまなく
目を光らせ、小さな埃も見逃さない。

もはや、キャサリンの居ない
生活は考えられないらしい。



キャサリン。
働きもののメードさん。

肉付きのよい身体で、
茶色のカーリーヘアを
揺らせながら、小気味よく働く
気だてのよいキャサリン。

フリフリの白いエプロンに
スモーキイアクア色の
ワンピースを着て、
今日も家を清潔に保って
くれる。
勿論、ウィットに富んだ会話も
忘れない。

これが私の思う
キャサリン。
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