種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

ふたつの道

2008-02-23 22:20:36 | SEED DESTINY
デスティニーの構造についておもうところを・・・

「戦争」という世界へのアプローチについて、種運命ではふたつの道を提示していたとおもいます。
それも二部構成になっていて、第一部は、
ひとつは、「客観的に見て悪い方を撃つ」というやり方、主にミネルヴァのシン達が担っていたやりかた。
台詞としては、シンの「悪いのは全部地球軍」アスランの「その後の混乱はどうみたって連合が悪い」等に表されているとおもいます。
そして、ふたつはアークエンジェルのキラ・カガリ達が担っていた「オーブの理念」他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない、「他者不干渉主義」です。
キラの言葉、「地球軍を討っても、ザフトを討っても駄目」というところに端的に現れているんだと思います。
ただ、後者は、そのやり方が、理念をあきらめきれない故の、オーブが出征した戦闘への介入という無茶なやり方をしていたりして、どうにも作中での説得力が乏しいですが(汗)
とりあえず、第一部では、この二つが戦争が起こる世界へのふたつのアプローチだったんだとおもいます。

そして、第二部が、デスティニープランです。
というか、議長対キラですね。
ここで、キラと議長については前述の記事でかいたとおりですが、
「役割を果たす」という意味では、共通の認識ながら、
それを自分で選ぶか適正によって選ばれるか、に対立軸があったのだとおもいます。
ところで、無印種から変わった変わったといわれるキラですが、
殺したくない、戦いたくない、とないていたキラが、
「僕は闘う」と宣言する。
もちろん、これは戦闘を意味しているわけではありませんが、
闘うと宣言し、自分のために準備されたMSに感謝し、無印時代では敵対していた「僕はザフトなんかじゃ」ザフトの白服を着るという道を選ぶ。
その無印自体が、壮大な「伏線」で、
MSパイロットして、軍人として、戦うキラというのは、
なかなかブラックな経過にして結末だったんじゃないかなぁ、ともおもったりします。

第一部前半の対連合線。後半の対ロゴス戦。連合を討てば、ロゴスを討てば。
そして第二部のデスティニープラン。
それぞれの転換期は「議長の演説」によって表され、
その軸に一貫して対立するあり方として準備されていた無印キャラをメインとした、
アークエンジェル陣営、
というのが、運命の構成だったのではないかなぁ、とおもいます。

ふたつの道。
OPのタイトル場面、タイトルバックがストフリだったのは、それをイメージしていたんじゃないでしょうか。
タイトル「バック」はストライクフリーダムでも、「タイトル」はデスティニーだったわけですから、
ふたつを同時に描くイメージとして、(主役交代でもなんでもなくて)ああゆう演出になっていたんじゃないかなぁ、と思います。

二重構造

2008-02-22 22:06:54 | SEED DESTINY
批判されまくりの、23話と28話の戦闘介入について主観をすこし。

キラの狙いはなんだったのか、ということにたいしては、
カガリの気の済むようにさせよう、以上の意図はなかったのではないか、と思っています。
順をおって。
当時の状況。
「地球は、ブレイクザワールドで疲弊した状況」にあります。
そんな状況で、どうして連合(ロゴス)が開戦に踏み切ったか、といえば核で一気にけりをつけるつもりだったからでしょう。
しかし、その切り札は封じられてしまった。
その後、17話でカガリの「連合の混乱のニュースばかり」のとおり、
各地で連合は混乱をかかえこんでいます。
あそこで、カガリがなにを言おうが、オーブ軍がどう動こうが、
連合がオーブに攻める確立はかなり低い、その余裕はない、とキラはみていたのではないでしょうか。

ただ、現状はまだまだ連合の立場は強い。
たから、同盟は継続させておきたい。
カガリが戦闘中止を叫びながら、連合との同盟はとりあえずは続けておきたい
どうすればよいか?
オーブ軍にカガリを否定してもらえばよい。
事実そうなりました。
以前の記事にもかきましたが、キラ達はオーブ首脳部(ユウナ)の能力や人となりをある程度把握していたのだとおもいます。
ユウナがカガリを偽者だと判断することを、キラは期待していたのではないでしょうか。
実際カガリが撃たれたとき、驚いた様子もなく淡々と処理してました。

理念を捨てて、同盟を結んで、強者である連合に組する。
オーブ軍の戦闘不介入を叫び、オーブの理念をつなげる。
そのふたつの二重構造をつくりあげることが、キラの目論見だったのではないかと個人的にはおもっています。

そして、同盟の維持にはリミットがありました。
キラたちは、ラクス暗殺とミーアの活躍による、ナチュラルの親プラント感情のひろがりから、この戦争が、従来のナチュラル対コーディネイターの様相とは違ってきていることがわかっていました。
次になにがくるかにしろ(対ロゴス戦がきたのですが、そして即座にキラはオーブへカガリをかえすことを決めました)
この同盟の「有効期限」はそう長くない、とキラは思っていたのだとおもいます。その遠くない未来まで、オーブの理念をいきながらせることが、キラの目的だったのだと思います、

ところで、この戦闘介入。戦争はいけないことだからやめましょう、と言っているわけではないですよね。
オーブは手をだすな、とのみいっています。
連合がどんな非道を働こうが、ザフトがどう動こが、
オーブはそれにかかわるな、ということです。

眼中にない、ザフトと連合ですが、それに対してキラはどう了解していたのでしょうか?
私はキラは、彼らには彼らの仕事をしてもらいましょう、くらいに思っていたのではないかと思っています。

殺しにかかったシンとレイ。
敵艦として認定したタリア。
オーブへの脅迫材料としたファントムペイン。
偽者と判断したユウナ。
フリーダムを信じて撃ったトダカ。

そして、その間をごり押しさせてもらおう。
カガリとその思い、オーブの理念をつなげる手として。

キラはそんな感じで四面楚歌の中、戦っていたのかな、とおもいます。
いわば、理念を継ぐものとして、カガリのリハビリに、くらいに考えていたのではないかな、とおもいます。


なぜ、彼だったのか

2008-02-22 21:14:54 | SEED DESTINY
なぜレイが議長を撃つというラストになったのか。

キラファンとしては、キラがレイを「見殺しにした」という負い目があるため、
申し訳なさがさきにたつのですが、キラ好きなりにちょっと考えてみます・・・

デュランダルとキラが向き合うシーン。
あの二人の対決に「立ち会った」ことにより、レイは問答無用で選択をせまられます。
彼の短い生と、ここ、ここにいたったあの場面では、まさしく、「最後の選択」が

レイには議長を否定するしかなかったのではないでしょうか?
キラを生かすことはさほど重要ではなかったのかもしれません。

ただ、あそこで議長を選ぶことは、彼がその特殊な生の中で受けてきた愛情を否定することになってしまったのではないか?

クルーゼのいう「あってはならない存在」
そして、レイの宣告。「今度こそ、消えなくてはならない」
「俺達と一緒に」
もちろん、運命プランにおいて、レイの居場所がない、という意味ではないでしょう。その短い生を最大限生かせる立場が準備されるはず。
しかし、その世界では、レイやキラの存在が、レイやキラという存在を、
あるべきでないと、人の欲望の結果として、規定する世界。
キラやレイのような人間を生み出さないための世界。

「父も母もない」でも、レイにはクルーゼがいました。
自分を暗い研究所から助け出してくれたクルーゼが。
かつてクルーゼはキラに言いました。
「引き金をひく指しかもたない」と。
でも、彼はそう言った自分自身の指で、手で、
レイの頭を優しくなでました。
これ、デスティニー最大のしかけだとおもいます。
結局キラには否定できなかったクルーゼの言葉を、クルーゼ自身が否定している。
そして、レイにはギルバートがいました。
19話で、レイが議長に抱きついたのは、「愛された子供」という演出だったのだとおもいます。
そして、レイには仲間がいた。シンです。
シンは言いました。「俺もレイと同じ想いです」と。
シンは、すべてを賭けて、レイと思いを同じくしてくれました。
人の欲望の被害者、ステラやレイに徹底的によりそうシンの存在は、
レイの選択におおきく影響したと思います。

「いてはならない」自分、あってはならない「自分」
そんな自分がうけた愛情、献身、
あの場面で、議長を選ぶことは、自分が受けてきたそういうものを否定することになる。
それが、レイに議長を撃たせたのではないか。
あのとき、レイにあったのは、議長にたいする「大切に育ててくれてありがとう」という気持ちだったのではないではないかと思います。

そして、シン。
彼の「被害者」によりそう姿勢。
ステラのために、ステラの命をとことんまで惜しみ、
軍法違反をおかしてまで彼にできる手を尽くした。
そして、レイの望みをうけて、決断をした。
シン自身は、運命プランをかならずしも承諾していなかったでしょうが、
自分自身の違和感をねじまげて、レイの期待にこたえようとした。
そういう人間の存在は、レイの「希望」になったのだとおもいます。
そういったつみかさねの上で、キラの、
同じように「あってはならない存在」であるはずのキラの
「ぼくはただのひとりの人間だ」という自己肯定。
いいんだ、と思ったとおもいます。
そう思っていいんだ。居ていいんだ、望んでいいんだ。

それが、レイの最後の一押しをしたのかなぁ、と思います。

シンはあの場にはいませんでしたが、レイの決断においてキラ以上に重要な役割をはたしているとおもいます。
あそこにシンがいなかったのは、キラ、レイ、アスランほど議長がシンにとって重要な人物ではなかったことと、「オーブが撃たれなかった」場面に立ち会うことの方がシンにとって重要だったからだと思いますが、
レイの選択に影響を与えた、という意味で最大のキーパーソンとして存在していたとおもいます。