東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく
久々に。恐ろしい小説に出会った。
王様のブランチで絶賛!ってこういう小説か~。角田さんアラフォーで結婚して。同世代の女性の心の中を、描いたのだろうか。この本は、少子化に拍車をかけるのではないか?
とにかく。母。子。お受験。深層心理。どろどろとした、女性特有の感情に戦慄を覚えた。実に衝撃的だ。
子供は、親のおもちゃじゃない。なんだか、虐待ではない。普通の家庭にも潜むのではないか、と思われる。恐ろしい。世界を垣間見た。そんな感じだ。
背筋が凍るような。実際、冷え性の私は、手が冷たくなった。
オカルトより怖い。ありそうな物語。316p中程からの、叫びが、すごい。その。女性の心の表現の描き方。角田さんの対岸の彼女から、どんどんエスカレートしていく内面の描き方に。畏怖の念を抱かずにはいられない。
話すことは大事だ。それは、夫婦の間で、しっかりと、子供の健やかな成長について心を通わせることではないだろうか。
蚊帳の外のかおりの男友達大介が「子供って僕たちが思うよりよっぽど気まぐれだし、忘れっぽい」っていう言葉がいかにも他人事だ。
傷つき、親の顔色をみて、健気な子どもたちのそれぞれが、胸痛む。
いったい、都会の幼児教育って、ほんとに、これに近い現状があるのだろうか?この中でどうやって素直に成長することができるのであろうか。大人も子供も病んでいる。
5人の母親のそれぞれの感情が交差する。
そこに、父親が、存在するだけで。少しだけ。温かな未来が見えた。
できれば、読みたくなかった本の部類であり、知らない方が幸せな世界だ。
あ~読書は。楽しくなきゃなあ~。スポ根か青春小説。明るいの書いてください。
けっして気持ちのいい、明るい話ではありません。でも私は、この小説をどうしても書きたかった。時にすれ違い、通じ合う、人の心を書きたかったんです~角田光代
帯に赤文字で警告あり。あ~でも読んでしまいました。これ、禁書だ。く…暗すぎます。どよ~~~~~~ん。