ライク・ア・ヴァージン |
野獣生誕(エアロスミスI) |
わたしが興行をやっていたころ、21時にコンサートが終了しないと、懲罰的に高額な超過料金を会場から請求されると、ソニー・ロリンズ・コンサートの件で書いた(7/29 ソニー・ロリンズは、とまらない)。きょうのニュースに、マドンナが、イギリスで高額な超過料金を払うことになった、とある。金額は、2,640万円だという。
マドンナはいまワールドツアーをやっている。9月11日、ロンドン、ウェンブリー・スタジアムで、マドンナは40分遅れてステージに登場して、ショーの終了が午後11時10分になってしまい、スタジアムの閉館時間10時30分を40分超過した。超過料金は、15分につき5万ポンド(約975万円)、合計13万5,000ポンド(2,640万円)だという。もともとの使用料金も高いのだろう。それに罰金的な割合を掛けるから高額になったのだろう。最終閉館時間に終わらないのだから、それなり請求するのは、会場として当然のことだ。
(出演者は、終演で仕事は終わって、打ち上げのパーティーか、ディナーにでもいけばいいが、会場係りは、終演後のかたずけに何時間もかかる。終演からが大仕事だ。だから、1分でも早くショーが終わるのを待ってる。それも仕事だから仕様がないが、それぞれ立場があるわけだ。スタジアムの場合は、何百人かの人間が、真夜中、片付け仕事をするのだろう)。
2,640万円など、マドンナには屁でもないだろう。客をじらして遅れて登場するのは、ロック・ショーの常とうの、陳腐で、客をナメた演出だが、効果はある。そして、マドンナが高額の超過料金を払う、というニュースが世界中に配信されたのだから、宣伝効果は抜群だ。(こうして)マドンナのワールド・ツアーなど、どうでもいい者たちの話題にもなった。いつものことだが、じつに臭くて露骨な宣伝だが、費用対効果は抜群にいい。最初から計算ずくで遅れて開演したのだろう。
日本では、客入れして、開演時間になってから1時間も緞帳をあげず、客をじらすロック・シンガーがいた。やっと登場すると、たった40分だけ歌って退場する。とうぜん、客は、アンコール! アンコール! となるわけだ。そこで2曲くらい歌って、終演。正味1時間のショーだ。まあ、客がこれで満足しているのだから、それでいいのだろうが……。マドンナの場合は、40分遅れて登場したが、予定どおり2時間のコンサートはやって、終演がおした。
きょうは、1973年デビューのエアロスミスのボーカル、スティーヴン・タイラーと女優のリブ・タイラーのことなど書こうかな、と思っていたのだが、マドンナのことなってしまった。エアロスミスのことは、あす、ということで。
マドンナが「ライク・ア・ヴァージンLike A Virgin 」でデビューしたのは、1984年のことだ。MTVの放送開始のあとだ。マドンナの成功は、MTVによるところが大きい。ヴィジュアルの時代、ダンス・ミュージュックの時代だ。(MTVのアメリカでのスタートは、1981年10月、日本で放送されるようになったのは、1984年10月)。ロックは、すでに終焉期に入ったといえる。ロックの創造のエネルギーは、どんどん終息して、元気なのは、60年代70年代からやっているバンドだった。
Aerosmith Dream On http://jp.youtube.com/watch?v=sNzEQ8hG1zA