
虎杖(イタズリ)。春の山菜です。ちょっと時期が外れていますが、生えていたのでつい撮影。
山菜、とは言えこのイタズリを食べるのは高知県人だけらしいです…。日本全国では他にも食べる県人がいるかもしれませんが、四国内ではまず高知県人のみ。県内では生え始める4月初旬~中旬、道路の脇に車停めて採っていたり、バイクの籠に大量に載せて走るおじさんおばさんは見慣れた風景です。
職場の徳島県人(美馬出身・配偶者は香川県人)と愛媛県人(大洲出身)が教えてくれるに、
愛媛「生えているのを折って遊びの道具にするのはよくやったけど、食べなかったね~。むしろ高知に来て食べ物だと初めて知った。」
徳島「イタズリが生えたら、採ってきて一口噛んで「苦いね~すっぱいね~春やね~。」と言ってすぐに吐き出して捨てる」
香川は採ること自体が無いそうです、はい。
食べ方はいたってシンプル。
①まず折って採取。パキッっていう軽快な音をさせて気持ち良く折れてくれます。
②虎杖の由来となった斑点のある表皮をむきます。
③表皮下の瑞々しい茎に塩をかけます。そしてそのまま食べます。水洗い不要。
他にも煮たり焼いたりして食べます。一般的には煮るのが多いですね~。つか、私は煮たのしか食べたことないです。仕事場のお婆様が言うには焼いて食べるのが美味しいそうです。
そして、大人になってハマった食べ方、それは上記の採り立てホヤホヤでそのまま塩を掛けて食べる事!!
子供の頃は酸っぱくて苦味のある味が苦手で、すぐに吐き出して美味しくねーや!!という風に思っていましたが、大人になるとこれが美味しいんですよね~。この苦みと酸っぱさが。
もちろん、この撮影後、美味しく頂きました(笑)。けど、このイタズリはちょっと甘かったですね。苦みと酸っぱさはあまりなかったです。
他の県では食べないイタズリ。昔の事を色々調べていたら、長宗我部時代には土地は10万石も無く、気候は温暖であるとはいえ、晴れる時はトコトン晴れ、雨が降る時は降りまくる。更に夏は台風が常襲する土地柄。今でこそ治水出来ているものの、川が多いと言う事は台風や大雨で簡単に氾濫が起き、せっかく実った農作物も一気に駄目になるはず。作物が安定して育ち、一定の収穫を得るのは他の国と比較しても難しかった方ではないかと考えます。だから、他の国では見向きもされない山菜でも食材にしてきたのかな~と何となく思ってみたり。あ、あと、これは海産物ですが、ウツボを食べるのも高知県人だけらしいですね…。ウツボの唐揚げが呑み屋で出てきて話題になりましたのでこれも書いてみる(笑)。
春の食材・味として昔から採られて食べられたりしていたのかと、思うと何か感慨深いです。そして、たぶん、長宗我部氏時代も食べられていたのではないかと考えたり(笑)。
…長宗我部って勢力拡大しても、当主直々に普っ通~に、山菜とか採っていそうなイメージ(笑)。
