tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

今月読んだ本と観た映画(2015年6月)

2015-06-30 23:00:00 | 今日の出来事
気に入ったものはリンクあり。


<今月読んだ本> 4冊

10(水) ■橘玲 『バカが多いのには理由がある』

15(月) ■新庄耕 『狭小邸宅』

22(月) ■ジェニファー・L・スコット 『フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~』

      ■吉田修一 『女たちは二度遊ぶ』


<今月観た映画> 9本

2(火) ●渥美清 真野響子 『男はつらいよ 寅次郎と殿様』

14(日) ●妻夫木聡 松山ケンイチ 『マイ・バック・ページ』

15(月) ●堺雅人 松雪泰子 『クヒオ大佐』

18(木) ● マット・デイモン スカーレット・ヨハンソン 『幸せへのキセキ』

22(月) ●小雪 黒谷友香 『わたし出すわ』

23(火) ●ライアン・ゴズリング キャリー・マリガン 『ドライヴ』

24(水) ●雪村いづみ 桂春團治 『そうかもしれない』

26(金) ●渥美清 藤村志保 『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』

30(火) ●アナ・ウィンター 『ファッションが教えてくれること』

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新緑の京都旅 3日目

2015-06-08 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
ホテルの部屋の窓からは「京都国際会館」の独特なフォルムの建物がよく見えた。大谷幸夫設計、1966年開設の日本初の国立会議施設。

9:01 ホテルをチェックアウトして(カバンは京都駅のカウンターまで運んでもらえる)、宝ヶ池公園を歩く。平日の朝、訪れる人は少ない。

散歩やジョギング向きの園内の道を行く。今日は雨の予報もある曇り空、暑くはない。

下流で高野川(そして鴨川、桂川、淀川)へと注ぐ岩倉川沿いに出る。このあたりに建つ住宅、みな和風の佇まいで、間違っても「南欧風」などは存在しない。

9:25 昨日も2度訪れた叡山電車の宝ヶ池駅へ。今日は電車に乗らず踏切を渡るだけ。

9:44 住宅街を抜け、赤山禅院へ。山裾に建つのどかな佇まいとは裏腹に、天台宗の荒行「千日回峰行」の苦行の拠点だという。拝殿の屋根の中央には「鬼門封じの猿」が据え付けられていて、「暴れ出さないように」と、金網で囲まれていた。

拝殿の脇には苔むしたお地蔵様が何体か。他に参拝客もなく静か。

修学院離宮の前を通り、比叡山の登山道へつながる「雲母坂」を登り、
10:24 曼殊院。樹齢400年という「五葉の松」が手前に迫り過ぎていて、なんだか庭の広がりの見た目のバランスが悪いなあと感じざるをえなかった。

ここは庭園よりもむしろ、「江戸時代初期の代表的書院建築」だという建物や、狩野なにがし筆という襖絵、「曼殊院棚」と呼ばれる違い棚など、室内の設えを見るべきだったのかも知れないが、庭にばかりとらわれてしまった。

山腹に沿って続く静かな住宅街(今が本来なら東京の会社で仕事をしている時間だと思うと、ますます静けさが募る)を歩き、
10:58 詩仙堂へ。門の佇まい、良し。

くぐった先の竹垣の小道も良し。

徳川家康の側近・石川丈山が、隠棲のため59歳の時に造営。90歳で没するまで、清貧の中、聖賢の教えを自分の勤めとして、ここで過ごしたという。現代人も理想としたい余生の送り方かも知れない。

刈り込まれたサツキが美しい。

建物を出て、庭へとまわるアプローチ。石垣と竹垣に挟まれた小道が落ち着く。

庭から嘯月楼を望む。

僧都(添水:鹿おどし)も丈山の発案だという。「閑寂の中にこの音を愛し、老陰の慰めとした」とか。僕らもこの前に立ち尽くして、その音に耳を傾ける。

でこぼこした形状の敷地ゆえ、またの名を「凹凸窠」(でこぼこした土地に建てた住居、の意)。しかし、この凸凹こそが、庭の表情を豊かにしている。

11:50 一乗寺駅方面へと下る道の途中で見つけた店で、「暦プレート」なるランチを。最近オープンしたばかりの店のようで、フロアには開店祝いの花が飾られていた。

12:21 前に偶然テレビで見て知っていた個性的な書店・恵文社の前を通りがかる。ギャラリーに展示されていたサジマミキという人のコラージュ作品が良かった。旅先で集めたというヴィンテージの紙や素材を使って、小さな額縁の中に立体的なミニチュアが作り込まれている。

【高野―(バス)→洛北高校前→新葵橋】
12:59 1日目に行こうとして行けなかった下鴨神社へ。参道の「糺ノ森」を歩く。明治神宮のように立派に成長した木々の生い茂る森だ。

脇に清らかな流れが沿う。

本殿を参拝。この神社は賀茂川と高野川が合流する狭間の三角地帯に位置し、賀茂川は合流地点から鴨川と名を変える。こちら「下鴨」神社に対し、上流にあるのは「上賀茂」神社だ。

【下鴨神社前―(バス)→出町柳駅前→銀閣寺道】
13:33 ここが歩きたくてやって来た。「哲学の道」。あたりは銀閣寺へ向かう修学旅行生でいっぱいだ。土産物店が賑やかに立ち並ぶ雰囲気は、今日のこれまでの静かな道程にはなかったもの。人ごみにまみれながら銀閣寺に入るか、迷うが…。

「金閣に行って、銀閣に行かないのも…」という、わかるようなわからないような理屈で、銀閣寺にも入ることに。最初に現れる高い生け垣のこのアプローチは、中学校の修学旅行で訪ねた時の記憶が残っている。4人の「グループ行動」で、ここに着くまでの間、他のメンバー2人とはぐれてしまったほろ苦い思い出とともに。

銀閣が見える前にも、作りこまれた砂地の庭が。

本堂の前から望む、銀沙灘、向月台、そして銀閣。銀沙灘には、なぜだろう、蝿のような小虫が飛び交っている。

そうか、銀閣だけじゃなくて、裏山があったんだよな…と修学旅行時の記憶をたぐり寄せながら、順路を行く。

苔が見事にカーペットをなしている。

山を登りきる。銀閣を見下ろす。

何とも雰囲気の良い散策路が続く。銀閣寺といえば、修学旅行の時は“白砂のプリン”の「向月台」の印象が強かったけど、今日来てみると、この苔の道の美しさに惹かれる。

山を下り、錦鏡池越しに銀閣を望む。

14:20 法然院へ。山門を入った両側にある盛り砂、白砂壇。水を表わすこの砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味するという。

哲学の道へ戻る。哲学者・西田幾多郎らが思索に耽ったという、琵琶湖疏水沿いの桜並木の散策路。銀閣寺参道から若王子神社までのおよそ2km。雨降りの平日のせいか、歩く人は少なく、静かな散歩を楽しむ。

14:38 道沿いの「よーじやカフェ」へ。立ち寄りは予定していなかったが、旧家屋がそのまま店舗になっている風情が素敵で、吸い込まれた。

庭が眺められる座敷で、抹茶パフェ・和パフェの一服。平日の散策ならではの贅沢だろうな。僕らだけで占領。

再び哲学の道を歩く。雨がしとしと降っているが、それがまた良い。

15:27 南禅寺へ。高さ22mの三門。なぜ「三」? 仏道修行で悟りに至るために通過しなければならない三つの関門「空」(一切の姿かたちは空)、「無相」(比べるべきものなど何もない)、「無作」(何も無いものに望むことなどできない)を意味するそう。

国指定重要文化財である三門の迫力もなかなかだが、これが見たくてやって来た。水路閣。明治21年完成、全長93m・高さ9m、琵琶湖疏水の赤レンガの水路橋だ。

水路の上に登ってみた。今も現役の水路なんだね。この流れは、先ほど沿って歩いてきた哲学の道へと続く。

…さて、そろそろ帰りの新幹線の時間を気にしないといけない。バス停へ急ぐ。その途中、蹴上のインクラインを横目に見る。琵琶湖疏水の舟運ルートの途中、落差のあるこの場所に敷設された傾斜鉄道。
【岡崎公園美術館・平安神宮前―(バス)→四条高倉】
京都駅行きのバスに乗ったはいいが、渋滞もあってなかなか進まない(目抜き通りである四条通では歩道拡幅工事を行っていて、歩行者は快適になるのだろうが、バスを含む車の移動には難が生じているようだ)。やむなく途中で下り、地下鉄に乗り換える。バス車内には、僕らと同じように、バス路線図と地図を見比べながら、どこかへの集合時間に間に合うよう、懸命に行き方を調べる修学旅行の中学生グループがいた。京都の修学旅行のグループ行動は、タクシーを1日借り上げて運転士に案内してもらうというスタイルが一般的になってきているみたいだけど、僕の修学旅行がそうであったように、自分たちで電車やバスを調べて乗り継いで回っている子たちもちゃんといるんだな。どちらの方が「教育的」に意味があるかは、明らかだろう。
【四条―(地下鉄)→京都】
…そんなことを思いながらも、とにかく走る、走る。京都駅で地下鉄の改札を出て地上に上がってみたら、それが新幹線ホームとは反対側の烏丸口で、絶句する。京都駅コンコースを大横断、また走る。カウンターで荷物を受け取り、ホームに駆け上がったら、ちょうど列車が滑り込んできた。なんともギリギリ。でも間に合ってよかった。

本当は京都駅の売店でゆっくり悩みながら駅弁を選びたかったんだけど、そんな暇はなかったので、車内販売でわずかな種類の中から弁当を選ぶ。何はともあれ、無事に帰途につけてよかった。
【京都16:36―(のぞみ134号)→18:53東京】


<旅の会計> 64590

往復新幹線+ホテル2泊のパック 32900

■1日目 15130
地下鉄・バス2日乗車券 2000
嵯峨野ジオラマ 400
嵯峨野トロッコ 620
連絡バス 310
保津川下り 4100
「庵殊」ステーキ丼 1950
天龍寺 500(-50 ※2日乗車券割引)
金閣寺 400
大徳寺 350(-50)
「藤の家」川床コース料理 他 4600

■2日目 11470
三千院 700
「芹生茶屋」そばセット“大原女” 1050
寂光院 600
叡山電鉄 380
鞍馬寺 300
貴船おみくじ 200
「貴船倶楽部」パフェ 1200
バス(貴船) 160
叡山電鉄 380
「東華菜館」川床コース料理 他 6500

■3日目 5090
曼殊院 600
詩仙堂 500
一乗寺「茶乃えん」“暦プレート” 1080
バス1日乗車券 500
銀閣寺 500
「よーじや」パフェ 700
地下鉄 210
新幹線弁当 1000

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新緑の京都旅 2日目

2015-06-07 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
広いベッド、爽やかなシーツ、抜群の威力の遮光カーテンのおかげで、朝は寝坊してしまった。
9:06 同行者が身支度を整えている間、ホテルの中庭をぶらぶらと。建物がリング状をしている。

【国際会館駅前―(バス)→大原】
10:17 大原のバス停から歩き出す。しそ畑。「大原は日本一のしその里」と。

10:26 漬物店などが立ち並ぶ参道を抜け、三千院へ。

客殿から聚碧園を望む。江戸時代の茶人・金森宗和の修築と伝えられる池泉観賞式庭園。賑やかな緑だ。

つくばいが植物で装飾されて見事な作品に仕上がっている。

杉木立の下に苔が広がる有清園と、その向こうの往生極楽院。僕が中学校の修学旅行の際に買った(そしていまだに持っている)京都・奈良のガイドブックの表紙写真も、この眺めだった。この寺は、最澄が比叡山延暦寺を建立する際、この地に草庵を結んだのに始まるという。

苔の広がりが本当に美しい。数歩歩いては立ち止まる。

少し山を登ると、斜面にはアジサイが。登りきったところの庵でお茶がふるまわれていた。ピンク色の湯に金箔が浮かんでいる。しそが入っているのだろうか、スープのようで美味しかった。

名は分からぬが、小さな粒々が和の寺の雰囲気に似合うピンクの花が。

またしてもつくばいが様々な植物に装飾されて見事な作品に仕上がっている。

それもこれも、とめどなく流れる豊かな水が作り出すのだ。せせらぎ。

見上げれば新緑が綺麗。

山をめぐって再び往生極楽院前の苔の林へ。あらためて、自然と足が止まる。

三千院の門前のそば屋の座敷で昼食をとり、大原バス停を越えて、
12:22 寂光院へ。新緑のトンネルの石段に迎えられる。

聖徳太子の創建とされる尼寺。柱のスイッチを押すと流れる案内アナウンスの女性の声が妙に渋いと思ったら、このお寺の尼さんの語りなのだった。本堂は2000年5月、放火による火災に遭い、中にあった六万体地蔵菩薩像が損傷、庭先の樹齢千年の松も枯れてしまった。「六万体」の名の通り、菩薩像の中には小さなお地蔵様が無数に納められていたが、焼失を逃れた黒く煤けたお地蔵様は桐箱に詰められ、宝物殿で展示されていた。

こちらのお寺も水は豊か。鯉も気持ちよさそうだ。

大原の里を歩いてバス停へ戻る。正面はしそ畑。あの「ベニシアさん」も、この里のどこかにお住まいなんでしょうね。

【大原―(バス)→宝ヶ池】
宝ヶ池駅。ここから叡山電鉄に乗る。なかなか可愛い電車だ。
【宝ヶ池―(叡山電鉄)→鞍馬】

14:23 鞍馬寺。ここは、「宇宙の大霊であり大光明、大活動体」だという「尊天」から、「毎日を明るく正しく元気よく積極的に生きぬくための活力をいただくための道場」なのだと、パンフレットの説明文は熱い。山からのパワーをいただくとしよう。この山を歩いて越えて貴船に下りる予定。今日の行程のハイライトだ。

新緑の緑と、灯篭の赤のコントラストが美しい。

休み休み、山を登る。この時季、汗は「にじみ出る」程度で、夏ほどに「吹き出る」わけじゃないのがありがたい。「宗教法人が運営するケーブルカー」、そして「日本一距離が短い鉄道路線(200m)」として知られるケーブルカーは、改修工事のため来年まで運休している。

14:48 清少納言が『枕草子』で「近うて遠きもの」と記しているという(でもそんなに遠くはなかったぞ。清少納言は歩き無精の人だったのかな)「九十九折参道」を経て、金堂へ。

さらに奥ノ院へ。

「冬柏亭」。与謝野晶子の東京・荻窪の家にあった書斎。晶子の50歳のお祝いに弟子たちがプレゼントしたのだとか。その後、門下生の大阪のお宅、そしてここへと移築されたのだという。


15:29 貴船神社へ下山。こちらも新緑と赤い灯篭のコントラストが美しい。着物姿の女子がいる。縁結びの神に、女子同士、着物に着替えてお参りか。みんなよく似合っている。「1日着物レンタル」などもあるためか、京都の町中でも着物姿の女子をよく見かけた。町の賑わいに花が添えられていて素敵だ。京都市がレンタル料に補助金を出してもいいくらいじゃないかと思う。

水を司る神が祀られている神社ならではの「水占い」。白紙を水に浮かべると、字が滲み出てくる。2人とも「小吉」でした。小さな吉を大事に育てます。「きふね」には「氣生根」の字もあてられ、「万物のエネルギーである『氣』が生ずる根源の地」という意味があるそうだ。地名は「きぶね」と濁るが、神社名は、水の神様だけに、濁らず「きふね」と読む。

本宮から奥宮へ、川沿いの川床の店を覗きながら、緩やかな坂道を登る。

15:52 新緑の中に佇む奥宮。この神社は若い参拝客が多いようだ。流行りのパワースポットとしてもてはやされているのかな。

16:13 本宮へと折り返す道すがら、「貴船倶楽部」で抹茶パフェを堪能。店内はジャズが流れ、のんびり寛げた。

【貴船―(バス)→貴船口駅―(叡山電鉄)→宝ヶ池】
貴船口から乗った叡山電鉄は、天井までの大きな窓がある展望車両「きらら」だった。
17:28 宝ヶ池で下車。ちょうどホームに上下線の「きらら」が並んだ。

【宝ヶ池―(バス)→四条河原町】
18:06 昨日と同じく、今日も夕方は鴨川に来た。四条大橋を渡る。

同行者が「玉ねぎまるごと」の漬物を買った「西利」などを覗きながら四条通を歩くと、祇園に出た。あまりにも有名な祇園だが、僕は初めて来たかも知れない。人通りの多い道だが、時折プリウスのタクシーが音もなく通り過ぎる。

味わいのある路地。ここに、同行者がチェックしていたカフェがあったのだが、店名の小さな表札がかかるだけの素っ気ない入口に(それを見つけるのにも行ったり来たり探した)恐れをなして、扉を開ける勇気は出なかった。

建仁寺のお堂の上の空に、夕暮れのうろこ雲が広がる。

建仁寺の塔頭の塀に沿って歩く。祇園の賑わいは徐々に消えていく。

周辺の景観に配慮しているのだろう、なかなか凝ったデザインのマンションが。

19:00 法観寺の五重塔(八坂塔)に向かって、緩やかな坂道の路地を登る。

ひと気もなく、静かな夕暮れの街並みを堪能する。八坂道。

門の上に這わせた松がなんとも見事。

19:08 こちらもひと気がなく、黄昏に沈む景色がなんとも美しい。二年坂。あてどなく歩いて、こんなに素敵な光景に出会えるとは思わなかった。

奥にある店へと続く石畳の通路。水が打たれていて美しい。

八坂神社境内を通って、祇園交差点へ。再び喧騒の中へ。

四条通を四条大橋へ。橋の袂にある、いかにも老舗めいた佇まいの中華料理店「東華菜館」の納涼床で、前菜盛り合わせ/カニ入りフカヒレスープ/揚げ物/海鮮炒め/エビ炒め/鶏肉炒め/水餃子/餡入り揚げ餅/杏仁豆腐のコース料理を。2日連続の川床は恐れ多い気がしていたが、今日も贅沢をしてしまった。
20:48 食後に、橋の上から食べた場所をパチリ。
(後で知ったが、この店のビルには「日本最古のエレベーター」があるらしい。乗ってみればよかった)
【四条河原町―(バス)→四条駅―(地下鉄)→国際会館】

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新緑の京都旅 1日目

2015-06-06 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
「紅葉の名所は、すなわち新緑の名所ですから。」とは、JR東海のCMもうまいことを言う。まんまと唆された。新緑の京都をめぐる3日間の旅。京都を訪ねるのは4年前の出張以来。旅行では、中学校の修学旅行も入れて4度目。すでに3日前に梅雨入りしている京都。雨降りも想定に入れつつ、ここ1週間ほど、ガイドブックを10冊くらいひっくり返して、どこをどのように回ろうかと悩んだ。

【東京6:43―(のぞみ201)→9:01京都】
泊まるホテルは京都北郊なのだが、京都駅構内に「ウェルカムカウンター」があり、預けた荷物をホテルまで配送してもらえる。これは便利。ただし、在来線へ乗り換える15分間で、荷物を預け、京都のバスと地下鉄に乗れる「京都観光二日乗車券」(バス車中では買えないのだ)を買わねばならない。なかなか忙しい。
【京都9:17―(山陰本線)→9:33嵯峨嵐山】

嵯峨嵐山駅に隣接する嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵯峨駅」で、トロッコ列車→連絡バス→保津川下りとつながる一連の切符を買い、トロッコの出発時間まで、駅舎内にある「ジオラマ京都JAPAN」を見学。「日本最大級」と謳う鉄道ジオラマ。トロッコの待ち時間潰しのための心憎い施設を作ったものだ。ただし、線路の全長が「2.7km」もあるというのに、走る列車は1編成しかなく、それは「他の列車はお金を入れて運転して」という意図のようなのだが、どことなく「やる気のなさ」が漂う。街並みも、いくら京都市街地が平安京の「碁盤の目」状であるとは言え、無機質に区切り過ぎで、同行者は「自動車教習所のコースみたい」と辛辣なことを言う。清水寺や平等院など、京都の名所の模型もあるが、縮尺が鉄道と合っていないので、「子供騙し」の感がある。京都駅舎に至っては、ただの「透明アクリルの箱」だし。20分で見学し切れるかと焦ったが、20分で充分だった。客も、僕らともう1組しかいなかった。

トロッコに乗車。保津川渓谷沿いの山陰本線の旧線を、亀岡までの7.3km。こちらは後ろ側。亀岡方向へは機関車が押していく。

走り出すとガツンガツンと地面から突き上げが来るのが、いかにもトロッコらしい。眼下の保津川渓谷には、後で乗る予定の川下りの舟が流れてきて、その乗客が全員ブンブンと手を振ってくる。ずいぶん一糸乱れず手を振っているものだなと思ったが、後で舟に乗ったら、船頭さんが「トロッコが見えたら一生懸命手を振って“営業”に協力してください」と言っていたのがおかしかった。5両の客車のうちの1両は側板や床が素通しで、その名も「ザ・リッチ」。見た目が素寒貧の方が「ザ・リッチ」なのだ。途中の保津峡駅からナマハゲのような恰好をしたおじさんが乗り込んできたが、その名前を紹介する車内アナウンスの音が割れていて、いったい「何さん」なのかわからない。車内をうろつくこのナマハゲさんを、乗客ももてあましている風。そのほか、カメラマンが通路を来て写真を撮らせてくれと言ってきたり、乗車時間20数分にもかかわらずいろいろ放り込んでくる。この景色だけで充分なんだけどね。
【トロッコ嵯峨10:07―(嵯峨野観光鉄道)→10:30トロッコ亀岡】

トロッコの終点駅で、駅前で待機している保津川下り連絡バスに乗り換え。バスは15分ほど走り、1階がくり抜かれた乗船場ビルの中へ。バスを降り、階段で2階へ上がって乗船の受付。番号札を渡される。ここまで、実にシステマチックなベルトコンベアに乗せられている。ロビーのビニールスツールに座って番号が呼ばれるのを待つのも、なんだか病院にいるよう。
舟が岸を離れると、折悪しく雨が降り出した。4人いる船頭さんが「あーあ」と言いながら、船の縁を伝って、柱に竹竿を渡し、その上にビニールの屋根をかける。出航前の船着き場にいる時ならもっと難なく作業ができたろうから、なんともタイミングが悪い。あの岩はスヌーピー、あの岩はミッキーマウス…などと(承服しがたい形状のものもある)、船頭さんはいろいろガイドをしてくれるが、いい意味で「観光地擦れした流暢さ」がなく(毎日毎日同じことの繰り返しに慣れすぎて、隙なく完成されてはいるけれど、どことなく飽き飽きした空気が漂う…のではなく)、気さくで、ユルい。船頭同士で雑談もするし、あまつさえ、水底を竿で突く勢いが余って、水に落ちそうになった船頭さんさえいた。なんだろ、これが関西、京のノリなのかな。(この画像前方のトロッコ保津峡駅の吊り橋の下には、カメラマンが三脚を立てて待ち構えていて、舟の乗客をパチリと撮る。スプラッシュマウンテン方式ね)

…とは言え、ところどころに現れる落差のある細い瀬では、木のオールを器用に岩にあてがってそつなく舟を操るところ、やはり彼らはプロなのだった。何度か山陰本線の高い橋が渓を跨ぐが、電車はかなりのスピードで走り去る。トロッコに旧線を譲った新線は、相当真っ直ぐにできているのだろう。舟で1時間半かかる(ふだんは2時間だが、今日は昨日までの雨で川の水量が多く、速いのだという)区間を、電車はわずか7分で結ぶ。この航路は、1600年の昔、丹波地方の木材や薪炭などを京に送るために開かれたという。帰りは舟を上流まで上げるわけで、随所の岩に、その際の挽き跡だという筋が残っていた。
終点の嵐山まで近づくと、タイの水上マーケットのように、売店の船が寄ってくる。鉄板の上でイカが焼かれ、香ばしい匂いがたちこめる。両船はロープで繋がれ、売店船のエンジンで進む。船頭さんたちも汗を拭き拭き一休み。

「舟はどうやって出発点まで戻すんですか?」と訊かれれば、「ライトで照らして小さくして、ポケットに入れて持って帰るんですよ」とは、毎度お馴染みの受け答えなのか。どこか別の場所でも聞いたことがあるような。実際は3艙まとめてトラックで運ぶそうだ。
12:29 嵐山で下船。船頭さんたちは1日3稼働くらいこなすのかな?乗っていた客が、地面に降り立った時にキュウリの入ったビニール袋を落っことす。京都では「冷やしキュウリ」「アイスキュウリ」なるキュウリ丸ごと一本の漬物を棒に刺したものが食べ歩きグルメとして流行っているみたい。ただ、店頭でたらいの水に浸されて売られてるさま、食中毒が心配になるけど。

雨もすっかりあがり、陽射しが出てきた。嵐山公園の坂道を登る。新緑が輝く。

竹林の小道。美しい。あちこちで竹ならぬ自撮り棒がニョキニョキ立っているけど。

12:53 野宮神社。とても小ぢんまりとした神社なのに、参拝客がいっぱい。しかもそのほとんどがアジア系を中心とする外国人。外国人向けガイドブックには何か特別な記載があるのかな。境内の苔が美しい。

嵐山の目抜き通りで「黒毛和牛ステーキ丼」と「湯葉どんぶり&湯豆腐」のランチを分け合いながら食し、
13:53 天龍寺の庭園へ。強い陽射しに白砂が眩しい。京都にある臨済宗の五大寺「京都五山」とはよく聞くけど、ここはその第一位の寺。以下、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺。

境内の「望京の丘」に登ると、その名の通り、京都タワーなどの京都中心部が見えた。

14:35 渡月橋を渡る。風が気持ちよかった。バスに乗車。
【嵐山―(バス)→円町駅→金閣寺道】

15:30 修学旅行以来の金閣寺へ。入場券がお札なのは、修学旅行の時と変わってないな。受付から門をくぐるとすぐに金閣(舎利殿)が現れたので、「もう少し“タメ”があってもいいんじゃないかね…」と同行者と語り合う。

金箔部分の印象が強くて二層のイメージを持っていたけど、三層なんだな。一層は寝殿造、二層は武家造、三層は中国風の禅宗仏殿造。寝殿造(=貴族)は質素な木造りで、その上の武家造(=武士)が豪奢な金箔張りというのは、足利義満の権力観が反映されているのかしら。池(鏡湖池)の上に聳える“浮遊感”は、一層目を暗く見せた方が効果的なのかも、とも思う。

【金閣寺道―(バス)→大徳寺前】
16:11 大徳寺の塔頭、龍源院へ。大徳寺の中で最も古い寺だという。4つの庭があるが、最も大きい南側の方丈前庭「一枝坦」。奥の高い岩が、仙人の住む不老長寿の吉祥の島、蓬莱山。右の影の中にあるのが鶴島。手前の円形の苔山が亀島。白砂は大海原を表す。縁側に腰を下ろす。閉門時刻も迫り、訪れる客も少なく、静かだ。…ああ、これが今回の京都旅で味わいたかった空気だ、と思う。

“日本最小の坪庭”こと、「東滴壺」。方丈と庫裏の間の軒下にある小さな小さな庭。一滴の雨垂れが波紋を生み、それが世界へと広がっていくのだなあ。模様のついた白砂は縁の下の奥深くまで続いていた。

方丈北側の「竜吟庭」。青々とした杉苔は北側の庭ならではか。高く立つ岩は、仏教の宇宙観に説かれる世界の中心の聖山、須弥山。「人間はもちろん、鳥も飛び交うことのできない、誰一人として窺い知ることのできない、真の自己の姿、誰もが本来具え持っている超絶対的な人格、悟りの極致」を表現しているという。

閉門の16:30までじっくり過ごした。人がたくさんいた天龍寺や金閣寺では味わえなかった満足感を覚えた。外に出る。大徳寺の数々の塔頭が夕暮れの中に建ち並ぶ。

【大徳寺前―(バス)→河原町三条】
17:24 さらに下鴨神社などに寄りたかったのだが、どこも閉門時間が来てしまった。寺社巡りは今日はここまで。高瀬川沿いの木屋町通を歩く。100万都市の繁華街の中にこれだけ綺麗な水が存分に流れている、これこそが京都ならではの魅力だと思う。

17:42 木屋町通を四条通まで歩き、折り返し、先斗町通を歩く。人間サイズの細さが心地よい路地。

店々を見ていたら、川床で食事がしてみたくなった。先斗町通を往復して、手ごろな価格の店を見つける。通ぶって「“ユカ”空いてますか?」と暖簾をくぐる。江戸時代、裕福な商人が来客をもてなす際、鴨川の中州や浅瀬に床几(しょうぎ=腰かけ台)を置いたのが始まりだとされる。大正から昭和にかけての河道改修の結果、川の流れが速くなったため、床几形式の納涼床は禁止され、現在のようなデッキの納涼床になったという。付出し/炊き合せ/おばんざい/粟ふあげだし/焼き鳥/とろ湯葉/うなぎ蒲焼き丼のコースメニューをいただく。

19:18 店を出る。京都の日没は東京よりずいぶん遅いようだ。日の長いこの時季、まだトワイライトが続いている。

先斗町通を出て、鴨川の岸辺を川床を見上げながら歩き、地下鉄の駅へ。
【三条京阪―(地下鉄)→烏丸御池→国際会館】
ホテルは地下鉄の北の終点駅にある。地上に出るとあたりは山で真っ暗だった。喧騒を逃れて、とても落ち着いた気分になった。早朝の出立、欲張りな行程、ゆっくりとった食事…僕としては旅先では珍しいことなのだが、夜はぐっすりと眠れた。

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