快読日記

日々の読書記録

「自殺自由法」 戸梶圭太 中公文庫

2008年03月31日 | 日本の小説
《せ~かいーに ひーと~つだ~けのはーなぁ♪》





生きることに絶望した人に安らかな最期を迎えさせてくれる、国営「自逝センター」をめぐるリアルすぎる寓話。
戸梶圭太の名言に「悪いやつには2種類ある。巨悪と激安人間だ」というのがありまして、この傑作にはまさに"巨悪が激安人間を喰いモノにする近未来"が描かれています。
激安人間は巨悪の格好の餌食です。
つながってるね☆ とか"個性を大切に"とか"感動をありがとう"とか"夢は叶う!"とか(しつこいですね)、いろんなキーワードが人間から判断力を奪い、激安化するのです。
そう言うわたしもかなりやられていますが。

文庫版に収められている雨宮処凛の解説もひっくるめて名作だと思います。
■2007/1/20読了