局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

鳥肌エリザ

2016-07-13 23:58:07 | 見る(映画 劇場 美術館など)


何度目だろうか?この演目の観劇は・・
この中の歌、ほとんどメロディーはそらんじられ、転調部分もわかってしまう。我ながら入れ込んでる。

去年もおはなさまと井上君で観て良かった~と感動したのだけど





この公演を見る時は前の日からウキウキ、帝劇前でワクワク



今日の布陣。
あ~ 良かった・・・



始まる前



幕間後



今年は去年より東京での公演期間が短く、花総・城田の組み合わせのチケットの入手困難を極めたのだけど(私も友人と一緒に色々試したけど自力ではぜんぶ外れてしまった) 今回も舞台友Nの尽力で素晴らしい席であった。ありがたや~~




シシーはおはなさま ホントにそのものの皇妃の気品、そしてもろさと強さと女のワガママさを合わせもって、自由を求めて永遠の自分探しをしながらも運命に翻弄された美貌の王妃にぴったり。
少女の頃の甘い歌声、成熟してからの深みのある声の歌い分けも。



一幕最初にトート閣下が出てきたとたんに嬉しいびっくり。
ホントに歌がパワーアップしている。以前も彼のトートは観たんだけど、ちょっと音域によって不安定なところがあった記憶があった。
相当トレーニングしてる感じ、そしてそれが自信になって、ナルシストっぽいキャラが良い方向に昇華されてる。
それにあの190cmの長身、そしてあの美貌。ここまでトートにふさわしい役者ってそうそういないと思う。
ついオペラグラスで追ってしまうあのオーラ・・・

この二人のハーモニーの相性の良いこと。




フランツ・ヨーゼフは佐藤くん 1789で観た時、周りが今時のイケメンばかりの中、一人顔がでかいし昭和の雰囲気を漂わせていて、ワタシは秘かに歌ウマカバさんと呼んでいたのですが(ファンの方すみません、すみません)ホントに歌うまいのね~ 聞き惚れます。
そしてマジメで融通が利かず、ママ(ゾフィー)と妻(シシー)の間で悩み、皇帝という立場でも悩みながらもシシーを愛しぬく切ないフランツにぴったりの役回りだと思った。
最近年のせいか、夜のボートの場面でいつも涙腺がゆるむのだけど(熟年の夫婦の切なさがひしひしって感じで)今回もゆるんだ。ついでに鳥肌もたった。



ルドルフは京本くん あの必殺仕置き人がパパなんですってね。こういうジュニアが出てきて、その親の代も知っているとなると時は確実に流れてるってのが感じられるわけです。色んな感慨と共に。
達者なルドルフだった。闇が広がるでのトートとの絡みも良かった。




その他、ルキーニの山崎いっくん。なんか締まって良いオトコになっていた。歌ももちろんうまいし、抑えられた狂気のようなものも良く表現されていた。去年、あの歌舞伎の人のルキーニがイマイチ不満だったのだけど、今年の布陣は良かったと思う。

チビルドルフは加藤くん。お兄さんはあの子供店長ですってねえ。どんな育てられ方をしたんだか興味あり。歌も演技もうまかった。

しかしルドルフの悲劇って観点から見るとエリザベートってどうかと思うね。姑からムスコを取り戻しておいて、自分では育てずに、彼の悩みも受け入れず、父の皇帝との間の葛藤も無視して自殺されちゃったわけだから。その辺がこの作品の一番の悲劇的なところであり、それがあるから深みも出るんだけど切ない。

ゾフィーの香寿さんもさすがの貫録と歌うま。
あとトートダンサーズの体重を感じさせない(人間味を感じさせない)ダンス、ホントに足音がまるで聞こえないのですね。

ホント一分一秒、終わりに近づくのがもったいないと思わせられた舞台だった。


もちろんストーリー展開もどこでどの歌が歌われるかも全部わかっているんだけど、それで新鮮味がなくなるってわけじゃないのがこの作品の凄さだと思う。
以前も書いたけど、少女の時に事故で生死をさまよった時に、死の帝王トートに出会い愛されてしまった美貌の皇妃。そのため、彼女の華やかに見える生涯にはいつも死の影がつきまとう。
それでいて悲劇と言えば悲劇だけど、やりきれない悲劇じゃないのも不思議な魅力。

それにしても、このお花さまと城田君の組み合わせは最強ですね。
ウィーンのはDVDで観たし、マテさまのトートも観たけど、その誰よりもトートらしい城田くん。
そしてなぜ経年劣化しないのか、そのまんまエリザのお花さま。
この際、この組み合わせであと何十年かいけるんじゃないですかね? 放浪記の森さんみたいに。でんぐり返しが「わたしだけに~~♪」の高音部だねw

そして、このメンバーの舞台で逆輸出してもいいんじゃないですかね? クールジャパンだよ、これと思った。

今回修学旅行か鑑賞教室かって感じの女子高生の子たちが、一階後ろと二階の前にたくさん居たのだけど、カーテンコールの時、すごい声援だった。
特に一旦幕が下りたあと、スタンディングだったのでもう一度幕が開き、シシー&トートの二人が出てきた時の二階をゆるがす悲鳴のような声援と手ふり。二階から落っこちてきそうなほどで心配してしまうほど。
城田くんが投げキッスした時のキャーキャーは頂点に達し、お花さまが苦笑して、(ほらあなたのお客よ)って感じのジェスチャーをしてたほど。
またお花さまのお辞儀に際しても同じようなリアクションだったけどね。
彼女たちの初鑑賞が今回の舞台だったとしたら幸福な舞台との出会いですね。うらやましい。







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