轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

トヨタ・パッソ セッテ

2009-02-07 10:01:22 | TOYOTA
助手 「またダイハツOEMの車が増えましたね。」

所長 「ああ、パッソ・セッテにダイハツはブーン・ルミナスじゃったかのぉ。名前を見てもダイハツ版はあんまり売れる気がせんの。」

助手 「まぁ、パッソとブーンの販売台数を見ても明らかですけどね。当初はシエンタの後継車っていう触れ込みでしたけど、新規車種のようですね。」

所長 「コンテを出してもラテを併売しとるのとおんなじじゃろ。ようは売れるんじゃったら引っ込める必要もないということなんじゃろ。」

助手 「そうですね。特にパッソ・セッテはヒンジドアですし、スライドドアの人気を考えればシエンタ継続はうなづけますよね。」

所長 「クルマの雰囲気も全然違うし、シエンタの売れゆきがとことん落ち込むまで置いといても問題ないじゃろ。」

助手 「それにしてもここんとこ、併売の話題ばっかりですね。レクサスに移行してもハリアーをトヨタで売ってたり、プリウスに至っては新旧一緒に売るとか言ってますしね。」

所長 「ま、それぞれに事情があるんで一緒くたには出来んが、ワシはあんまり好かんのじゃけどな。」

助手 「ボクも正直後ろ向きなイメージなんでいいとは思いません。スライドドアのフリードに対抗するためとか、レクサス価格では従来のお客に逃げられるとか、値段勝負のインサイトを潰すためとか、いろいろ言われてますけど、要するに新しいクルマを売る自信がないってことですよね。」

所長 「結局どれも売る側の都合なんじゃろ。モノが売れる時代ならつくり手側がいいモンをつくっとればそれでよかったんじゃが、売れない時代には売る側の声に負けてしまうんじゃろ。」

助手 「言われてみればそうですね。開発してるヒトからしたら、あんまりいい気はしないでしょうね。」

所長 「そりゃあ、そうじゃろ。古いのが売れるんじゃったら新しいのをつくる意味がないしの。」

助手 「そう考えるとモデルチェンジのあり方を考え直さないといけないのかもしれませんね。」

所長 「そうじゃな。少なくとも4年や5年程度でのモデルチェンジは今の時代にはあっとらんじゃろうな。じゃが今のラインナップで売れとらんから目新しいのを出して、少しでも上乗せしたいと言うのもあるじゃろうし、難しいところじゃろうな。」

助手 「・・・・。パッソ・セッテに話を戻しますけど、どうですかこのクルマ。」

所長 「うーん、正直言ってあんまり興味は持てんの。」

助手 「ですよね。3列シートのラクティス、もしくは小ぶりなウィッシュって感じで、インパクトがありませんよね。」

所長 「思い浮かべようとしても、カタチが出てこんわ。これだけ存在感の薄いニューモデルも珍しいの。」

助手 「言えてますね。こんなんで大丈夫なんでしょうかね。ただでさえスライドドアが全盛なのにヒンジドアですし。」

所長 「スライドドアがそんなにいいとも思えんけどな。」

助手 「今売れてるのは断然スライドドアでしょ。特にスーパーなんかの狭い駐車場では威力絶大ですよ。」

所長 「じゃが運転席は通常のヒンジドアじゃろ。じゃったら降りれる隙間は開けとくモンじゃないのか。」

助手 「でも子供が勢いよく開けて隣のクルマにぶつける危険性もあるでしょ。」

所長 「それも躾けじゃと思うんじゃけどな。ま、それがいいというヒトがたくさんおるんじゃったら、しょうがないわな。じゃが今の主流の電動で開くタイプじゃったら、コストや重量が増えるだけじゃと思うんじゃが。」

助手 「それは仕方ないですね。でも納得した上で購入してるわけですし、いいんじゃないですか。」

所長 「じゃがこれだけ景気が悪くなると、より安い価格になびくモンもおるじゃろ。」

助手 「それはそうでしょうね。」

所長 「そう考えるとパッソ・セッテって時代にあっとるような気がするんじゃがな。」

助手 「ま、たしかに価格設定を見ても安いですよね。」

所長 「このクラスで調子よく売れとるホンダのフリードと比べると10万から20万ほど安いんじゃ。今の状況を考えるとそれも立派な武器じゃと思うんじゃがな。」

助手 「フリードって出たときから思ってましたけど、結構高い価格設定ですよね。」

所長 「ま、当時は原材料高騰が取り沙汰されとった頃じゃし、ある程度先を見越しての価格付けじゃったのかもしれんの。」

助手 「かもしれませんね。それにしてもこの不況にあわせて出したんなら凄い会社ですねトヨタって。」

所長 「開発期間がどれだけあったのか知らんが、ここまで悪くなるとは誰も思っとらんかったじゃろ。じゃが世界的に見て格安グルマが各地から出てきとるから、安いクルマの必要性は感じとったじゃろうな。」

助手 「でしょうね。」

所長 「特に日本では安いクルマは軽自動車にどんどんシェアを喰われとるから、普通車で対抗しようと思ったら、軽自動車にない魅力をつくらんといかんのじゃ。」

助手 「そうですね。広さや快適性では遜色ないクルマもありますからね。」

所長 「そうなると余裕のある排気量による長距離性能か、5人以上乗れる多人数乗車に行き着くと思うんじゃ。」

助手 「確かに。」

所長 「で、このクルマは軽自動車に対して絶対的に優位に立てる3列シートを備えとるじゃろ。」

助手 「はい。」

所長 「じゃからこのクルマの実質的な競合は、フリードなんかの同クラスよりも、タントやパレットを初めとする軽自動車なのかもしれん。そう考えるとこのクルマのデザインや装備、価格付けなんかが合点がいくじゃろ。」

助手 「ですね。」

所長 「ところで、パッソ・セッテのコマーシャルってどう思う。」

助手 「えっ、ああ、あの女のヒトがたくさん出てくるヤツですか。」

所長 「そうじゃ。ワシはあのコマーシャルを見てると殺意を感じるんじゃがな。」

助手 「えっ、そうですか。ま、確かに不況の欠片も感じられないお気軽な主婦って感じですよね。」


参考資料
トヨタ・パッソ セッテ(トヨタ自動車株式会社)
ダイハツ・ブーン ルミナス(ダイハツ工業株式会社)
ホンダ・フリード(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (llll)
2010-12-08 23:17:24
結果的にフリードと随分離されていますね。不況不景気つったって高い買い物なので、どうせ高いなら世間は安さよりも高機能を重視するんですよね。これってプリウス対インサイトと同じですね。立場が入れ替わっただけで。

シエンタは生産終了となりました。来年中旬登場の次期シエンタはポルテのロングバージョンとのことですが、それが登場したらセッテの立場は・・・
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Re:Unknown (宇垂r)
2010-12-09 18:40:44
llllさん

2009年 年間販売台数
フリード   79,595台
シエンタ   31,805台
パッソセッテ 15,300台

エコカー減税や補助金に適合しなかったとはいえ、導入初年度でこの台数では失敗としか言えませんよね。

>結果的にフリードと随分離されていますね。不況不景気つったって高い買い物なので、どうせ高いなら世間は安さよりも高機能を重視するんですよね。これってプリウス対インサイトと同じですね。立場が入れ替わっただけで。

安い価格が強力な武器になるかと思ったんですが、仰られる通りでしたね。

>シエンタは生産終了となりました。来年中旬登場の次期シエンタはポルテのロングバージョンとのことですが、それが登場したらセッテの立場は・・・

そのタイミングでフェードアウトとか・・・。
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