助手 「今度はレクサスからハイブリッドが登場しましたね。」
所長 「GSじゃな。確かGS450hとか言う名前じゃったな。」
助手 「そうです。3.5Lですけど、4.5L並の動力性能と言う意味らしいです。」
所長 「ハリアーなんかとおんなじで、ハイブリッドを過給器みたいに使っとるんじゃな。」
助手 「そうですね。燃費効率だけじゃなく、動力性能を向上させるのにもハイブリッドは有効と言うことですね。」
所長 「まあ、ターボやスーパーチャージャーなんかで高性能化を図るよりも、ずっと環境にはいいじゃろうからな。」
助手 「でも、前に所長が言ってたように、環境のことを考えるんだったら、まず普及させることが第一だと僕も思いますけどね。」
所長 「じゃがレクサスでハイブリッドをやることは、意味があると思うぞ。」
助手 「えー、そうなんですか。この間は新しいハイブリッドをつくるんだったら、プリウスなんかの量産ハイブリッドをもっと普及させないとダメだって言ってませんでしたか。」
所長 「トヨタが環境を良くするためにハイブリッドをつくっとるんじゃったら、もちろんそうじゃ。じゃが企業の付加価値としてハイブリッドを活かそうとしとるんじゃったら、レクサスに採用するのはありじゃ、と言っとるんじゃ。」
助手 「・・・はぁ。」
所長 「考えてもみろ、レクサスが高級車市場に展開するのに、これほど強い武器はないじゃろ。何度も言っとるが、今のクルマはすでに成熟しきっとるから、他メーカーとの違いなんてほとんどないんじゃ。それで各メーカーは自社ブランドの個性を強めるのにやっきになっとるじゃろ。」
助手 「はい。」
所長 「そこにトヨタが他メーカーとあきらかに差別化を図れる技術を持っとったら、どうじゃ。」
助手 「それは、強力な武器ですね。」
所長 「そうじゃろ、いずれハイブリッドも各メーカーが参入するじゃろうけど、今のところトヨタの向こうを張れるメーカーなんて皆無じゃ。その間にハイブリッド・イコール・トヨタのイメージを定着させることは、これから先、何年間のアドバンテージにつながる、と言うことじゃ。」
助手 「確かにそうですね。」
所長 「そう考えるとレクサスのブランドを強力なモノにするのに、使わん手はないじゃろ。」
助手 「それは、そうですけど。何もハイパワーにするのにハイブリッドを使わなくっても、通常の燃費を良くするだけでもいいじゃないですか。それでもトヨタの優位は動かないんですし。」
所長 「じゃが燃費がいいだけじゃと金持ちには買ってもらえんじゃろ。なんせ相手は5Lとか12気筒なんかの化けモンみたいな奴らじゃからな。そいつらと対抗出来て、なおかつ環境に気を使ってるように見えるんじゃから、見栄っ張りの金持ちにアッピール満点なんじゃ。」
助手 「まあ、それはそうなんですけど。この間、ハリアー・ハイブリッドをボロクソ言ってたヒトととても同一人物とは思えないですね。」
所長 「ハイブリッドをいつまでも特別なモンにしとかんと、トヨタの車種全部に採用すべきじゃと言う思いに変わりはないわ。じゃがいずれそういうときが来るにしても、特別視されとるうちに儲けるだけ儲けておく、という企業の理念もわからんでもない、ということじゃ。」
助手 「それはわかりますけどね。その分投資もしてることですし。」
所長 「そういうことじゃ。」
助手 「ところで気になってたんですけど、カタログ値では296PSなんですね。システム合計では345ps相当だそうですけど。」
所長 「今のところハイブリッドの出力を表す基準が出来てないんじゃろうな。エンジンで296PS、モーターで200PSという表記になっとるからな。」
助手 「素の350が315PSで、V8の430が280PS、ハイブリッドの450が296PS、となんかどれが一番いいんだか、わかりませんね。」
所長 「確かに例の280PS規制の影響で、本来もっと出力のでるV8が280PSしか表示出来んから、おかしなことになっとるな。次世代エンジンからまともになるじゃろうけど、その辺りの話しに疎いヒトからすると、奇妙に映るじゃろうな。」
助手 「やっぱり280PS規制は様々なところで悪影響をもたらしてますね。技術の進歩を妨げてたと思いますし。」
所長 「うーん、どうじゃろう。最近ワシは考えが変わってきたんじゃが、280PS規制はあって良かったのかもしれん。」
助手 「え、どうしてですか。」
所長 「日産のZやGT-Rが280PSを打ち出したあと、各社からこぞって強力なエンジンを積んだクルマが登場したじゃろ。あのまま野放しにしておったら、どんどんエスカレートして、カタログスペックのみを追いかけたチューニングカーみたいなクルマをつくるメーカーも出て来たかもしれん。」
助手 「そうかもしれませんね。でも規制が撤廃された訳ですし、これから起こるんじゃないですか。先送りしただけかもしれませんよ。」
所長 「15年の間に方向性が変わったじゃろ。昔は3Lのエンジンにターボなんかで武装して、無理やり出力を上げておったのが、今じゃ3.5Lや4L超えのエンジンで結果的に高出力になるモンに変わってきとる。仮に昔みたいにパワー競争が起こっても、カタログの数値を上げるためだけにチューニングしたモンにはならんじゃろう。それだけ日本車も成熟して来たと言うことじゃ。」
助手 「ランエボやインプレッサなんかは、まだまだパワー競争が起こりそうですけど。」
所長 「あれは特殊なモンじゃし、日本のクルマ文化の一端を担う存在なんじゃ。それに他社は参入せんじゃろうし、マーケットも固定しとるから広がることもないじゃろうしな。まあ、それでもいつまで続けられるか疑問じゃけどな。」
助手 「それもそうですね。話しをレクサスGSに戻しますけど、どうですかレクサス、あんまり売れてないようですが。」
所長 「クルマ自体は悪くないんじゃがな。昨日もワシの前を走っとったんじゃ。考えてみたら背後からじっくり見たのは初めてだったんじゃが、見れば見るほどに深みが増すような感じがした。ライバルとされるBMWの5シリーズやベンツのEクラスよりも、新しい分だけ魅力的に見えたぞ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「じゃがブランドが浸透しとらん分、訴求力が足りんのも事実じゃろう。これで上にLSが出たら、ますます埋没してしまうかもしれんのぉ。このクラスはそれだけ難しいと言うことじゃ。」
助手 「そうですね。そうするとCクラス並に売れてるベンツのEクラスってやっぱり凄いですね。」
所長 「うむ、Eクラスはベンツと言う名前だけじゃなくって、Eクラスって言う名前で売れるからな。それがブランドって言うモンじゃ。レクサスもそういう本当の意味でのブランドを確立せんといかんじゃろうな。」
助手 「先は長そうですね。」
所長 「そのための武器としてハイブリッドは有効に使わんとな。」
助手 「はい。」
参考資料
レクサスGS(トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・ハリアーハイブリッド(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「GSじゃな。確かGS450hとか言う名前じゃったな。」
助手 「そうです。3.5Lですけど、4.5L並の動力性能と言う意味らしいです。」
所長 「ハリアーなんかとおんなじで、ハイブリッドを過給器みたいに使っとるんじゃな。」
助手 「そうですね。燃費効率だけじゃなく、動力性能を向上させるのにもハイブリッドは有効と言うことですね。」
所長 「まあ、ターボやスーパーチャージャーなんかで高性能化を図るよりも、ずっと環境にはいいじゃろうからな。」
助手 「でも、前に所長が言ってたように、環境のことを考えるんだったら、まず普及させることが第一だと僕も思いますけどね。」
所長 「じゃがレクサスでハイブリッドをやることは、意味があると思うぞ。」
助手 「えー、そうなんですか。この間は新しいハイブリッドをつくるんだったら、プリウスなんかの量産ハイブリッドをもっと普及させないとダメだって言ってませんでしたか。」
所長 「トヨタが環境を良くするためにハイブリッドをつくっとるんじゃったら、もちろんそうじゃ。じゃが企業の付加価値としてハイブリッドを活かそうとしとるんじゃったら、レクサスに採用するのはありじゃ、と言っとるんじゃ。」
助手 「・・・はぁ。」
所長 「考えてもみろ、レクサスが高級車市場に展開するのに、これほど強い武器はないじゃろ。何度も言っとるが、今のクルマはすでに成熟しきっとるから、他メーカーとの違いなんてほとんどないんじゃ。それで各メーカーは自社ブランドの個性を強めるのにやっきになっとるじゃろ。」
助手 「はい。」
所長 「そこにトヨタが他メーカーとあきらかに差別化を図れる技術を持っとったら、どうじゃ。」
助手 「それは、強力な武器ですね。」
所長 「そうじゃろ、いずれハイブリッドも各メーカーが参入するじゃろうけど、今のところトヨタの向こうを張れるメーカーなんて皆無じゃ。その間にハイブリッド・イコール・トヨタのイメージを定着させることは、これから先、何年間のアドバンテージにつながる、と言うことじゃ。」
助手 「確かにそうですね。」
所長 「そう考えるとレクサスのブランドを強力なモノにするのに、使わん手はないじゃろ。」
助手 「それは、そうですけど。何もハイパワーにするのにハイブリッドを使わなくっても、通常の燃費を良くするだけでもいいじゃないですか。それでもトヨタの優位は動かないんですし。」
所長 「じゃが燃費がいいだけじゃと金持ちには買ってもらえんじゃろ。なんせ相手は5Lとか12気筒なんかの化けモンみたいな奴らじゃからな。そいつらと対抗出来て、なおかつ環境に気を使ってるように見えるんじゃから、見栄っ張りの金持ちにアッピール満点なんじゃ。」
助手 「まあ、それはそうなんですけど。この間、ハリアー・ハイブリッドをボロクソ言ってたヒトととても同一人物とは思えないですね。」
所長 「ハイブリッドをいつまでも特別なモンにしとかんと、トヨタの車種全部に採用すべきじゃと言う思いに変わりはないわ。じゃがいずれそういうときが来るにしても、特別視されとるうちに儲けるだけ儲けておく、という企業の理念もわからんでもない、ということじゃ。」
助手 「それはわかりますけどね。その分投資もしてることですし。」
所長 「そういうことじゃ。」
助手 「ところで気になってたんですけど、カタログ値では296PSなんですね。システム合計では345ps相当だそうですけど。」
所長 「今のところハイブリッドの出力を表す基準が出来てないんじゃろうな。エンジンで296PS、モーターで200PSという表記になっとるからな。」
助手 「素の350が315PSで、V8の430が280PS、ハイブリッドの450が296PS、となんかどれが一番いいんだか、わかりませんね。」
所長 「確かに例の280PS規制の影響で、本来もっと出力のでるV8が280PSしか表示出来んから、おかしなことになっとるな。次世代エンジンからまともになるじゃろうけど、その辺りの話しに疎いヒトからすると、奇妙に映るじゃろうな。」
助手 「やっぱり280PS規制は様々なところで悪影響をもたらしてますね。技術の進歩を妨げてたと思いますし。」
所長 「うーん、どうじゃろう。最近ワシは考えが変わってきたんじゃが、280PS規制はあって良かったのかもしれん。」
助手 「え、どうしてですか。」
所長 「日産のZやGT-Rが280PSを打ち出したあと、各社からこぞって強力なエンジンを積んだクルマが登場したじゃろ。あのまま野放しにしておったら、どんどんエスカレートして、カタログスペックのみを追いかけたチューニングカーみたいなクルマをつくるメーカーも出て来たかもしれん。」
助手 「そうかもしれませんね。でも規制が撤廃された訳ですし、これから起こるんじゃないですか。先送りしただけかもしれませんよ。」
所長 「15年の間に方向性が変わったじゃろ。昔は3Lのエンジンにターボなんかで武装して、無理やり出力を上げておったのが、今じゃ3.5Lや4L超えのエンジンで結果的に高出力になるモンに変わってきとる。仮に昔みたいにパワー競争が起こっても、カタログの数値を上げるためだけにチューニングしたモンにはならんじゃろう。それだけ日本車も成熟して来たと言うことじゃ。」
助手 「ランエボやインプレッサなんかは、まだまだパワー競争が起こりそうですけど。」
所長 「あれは特殊なモンじゃし、日本のクルマ文化の一端を担う存在なんじゃ。それに他社は参入せんじゃろうし、マーケットも固定しとるから広がることもないじゃろうしな。まあ、それでもいつまで続けられるか疑問じゃけどな。」
助手 「それもそうですね。話しをレクサスGSに戻しますけど、どうですかレクサス、あんまり売れてないようですが。」
所長 「クルマ自体は悪くないんじゃがな。昨日もワシの前を走っとったんじゃ。考えてみたら背後からじっくり見たのは初めてだったんじゃが、見れば見るほどに深みが増すような感じがした。ライバルとされるBMWの5シリーズやベンツのEクラスよりも、新しい分だけ魅力的に見えたぞ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「じゃがブランドが浸透しとらん分、訴求力が足りんのも事実じゃろう。これで上にLSが出たら、ますます埋没してしまうかもしれんのぉ。このクラスはそれだけ難しいと言うことじゃ。」
助手 「そうですね。そうするとCクラス並に売れてるベンツのEクラスってやっぱり凄いですね。」
所長 「うむ、Eクラスはベンツと言う名前だけじゃなくって、Eクラスって言う名前で売れるからな。それがブランドって言うモンじゃ。レクサスもそういう本当の意味でのブランドを確立せんといかんじゃろうな。」
助手 「先は長そうですね。」
所長 「そのための武器としてハイブリッドは有効に使わんとな。」
助手 「はい。」
参考資料
レクサスGS(トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・ハリアーハイブリッド(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
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