轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ダイハツ・ミラ

2006-12-31 23:24:53 | DAIHATSU
助手 「また年末にダダッと新車が出ましたね。」

所長 「そのようじゃな。」

助手 「ダイハツのミラにマツダのCX-7、トヨタのブレイド、あと商用車ですけど日産のADバンも新しくなりましたからね。」

所長 「一体、何車種出せば気が済むんじゃろうな。」

助手 「ホントですよね。特にダイハツの軽自動車なんて、ひとつのカテゴリーにおんなじような車種をどんどんつぎ込んでますからね。」

所長 「ま、昔みたいにひとつの車種で台数が稼げるほど易しくはないんじゃろうな、今のお客は。」

助手 「それと勢いのあるうちにシェアを獲得しときたいんでしょうね。スズキが軽自動車の減産を決めたんで、チャンスですからね。」

所長 「そうじゃな。じゃがこれだけ次から次へと新しいクルマが出てくると、逆に新鮮味が薄らいでしまうような気がするわ。」

助手 「確かにそういうところはありますよね。」

所長 「今年の前半はあんまり新車が出んかったから、どのクルマも結構話題になっとったじゃろ。それが秋からのニューモデルラッシュでは、話題性がないとどんどん影が薄くなってしまうんじゃ。例えばキープコンセプトのパジェロとかekワゴンとかカローラなんかがそうじゃ。」

助手 「言われてみればそうかもしれませんね。そう考えると今度のミラなんかヤバそうですよね。ただでさえムーブの影に隠れてしまいそうですし。」

所長 「じゃろ。せめて半年ぐらい遅らせて出せば、それなりにインパクトがあったんじゃがな。」

助手 「それよりもムーブをあとして先にミラを出した方が良かったんじゃないですか。プラットフォームやエンジンなんかは共通ですし、ムーブの完成度、居住性を考えてもミラが優るところはないでしょ。」

所長 「確かにその方がインパクトはあるじゃろうな。じゃが所詮ムーブを出すまでの期間限定の話題性ではしようがないじゃろ。それと今年度末までに少しでも販売台数を伸ばしたいじゃろうから、ムーブもミラも少しでも早く出したかったのが本音じゃろうな。」

助手 「そうですね。悲願の軽自動車ナンバーワンの座が見えてますからね。」

所長 「ワシから言わせれば、そんな目先のことよりも次のモデルチェンジまでの間、いかに売るかを考えんといかんと思うんじゃけどな。」

助手 「そうですね。ところでミラにもカスタムが設定されましたね。」

所長 「先代にあったAVYの名前を変えたに過ぎんじゃろ。」

助手 「それにしてもカスタムシリーズが定着したみたいですね。エッセにまで採用されましたし。」

所長 「そのようじゃな。お客にも浸透しとるようじゃし、ダイハツのブランドの柱なんじゃろう。それに徐々に位置付けも変わってきたようじゃしな。」

助手 「どう変わったんですか。」

所長 「当初は顔をイカツクしてエアロパーツを纏った、兄ちゃん仕様じゃったじゃろ。」

助手 「今もそうなんじゃないですか。」

所長 「今はワル顔が普通になってしまったじゃろ。エアロパーツもどんなクルマにでも設定されとるしな。」

助手 「そうですね。」

所長 「じゃからカスタムは標準モデルの高性能版という位置付けに変えてきとるんじゃ。言ってみればプチAMGじゃ。その証拠にムーブにしてもミラにしてもカスタムの顔が標準モデルとして出て来ても何にもおかしくないじゃろ。」

助手 「言われてみればそんな感じですね。」

所長 「じゃがエッセに設定されたカスタムはちょっと事情が違うようじゃがな。」

助手 「どう違うんですか。」

所長 「エッセには元々カスタムの設定は考えとらんかったんじゃろ。じゃから後付けパーツでお茶を濁しとるだけなんじゃ。ま、言ってみればムーブラテ・クールと同類じゃな。」

助手 「言えてますね。話しをミラに戻しますけど、クルマ自体はどうですか。ボクは結構いいと思うんですけど。」

所長 「そうじゃな、クルマとしての完成度は文句ないじゃろ。ただミラの立ち位置があいまいな気がするんじゃ。」

助手 「立ち位置ってポジショニングですか。」

所長 「そうじゃ。かつてはダイハツの看板車種じゃったが、その座をムーブに明け渡したあと、ベーシックな軽、言わばカローラみたいな存在だったんじゃ。」

助手 「そうですね。ワゴンRやムーブみたいな背の高いクルマはちょっと、というヒトもいるでしょうしね。」

所長 「そうじゃな。じゃがよりベーシックに徹したエッセをつくって、背の低さを売りにしたソニカを出した今となっては、ミラの存在価値がわからなくなってきたんじゃ。」

助手 「それもそうですね。ま、ビジネスユースとしての市場はあるんでしょうけど。」

所長 「じゃが今度のミラは高級を売りにしとるじゃろ。いろんな車種を増やしたせいで、本来の持ち味を出せんようになってしまった感じがするんじゃ。」

助手 「言われてみればそうですね。」

所長 「ま、カローラと一緒で名前が通っとるから、保守的な客を逃さんように魅力をプラスする意味での高級化なんじゃろうけど、ミラとして新しいユーザーを広げようとしとるようには思えんのじゃ。」

助手 「そうかもしれませんね。」

所長 「さすがにネタが尽きたのかもしれんのぉ。車種を増やしたことで今までの蓄積したアイデアを短期間に出し過ぎたんじゃろ。そうなるとこれから出るダイハツ車はどれも今のコンセプトのままで品質を高めて、そこそこ出来のいいクルマにしかならんじゃろう。」

助手 「そこそこ出来のいいクルマですか。」

所長 「そうじゃ。どれに乗ってもそこそこ満足できるが、それ以上のモンはないクルマじゃ。」

助手 「それってトヨタみたいですね。」

所長 「まぁそういうことになるんじゃろうな。」

助手 「なんかつまらなくなりそうですね。」

所長 「まぁ、そのうちどっかのメーカーから新しい提案が出るじゃろうけど、それまでは高品質化や、装備の充実なんかでお茶を濁しそうじゃな。」


参考資料
ダイハツ・ミラ(ダイハツ工業株式会社)
ダイハツ・エッセ(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日産 スカイライン その2 | トップ | マツダ CX-7 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

DAIHATSU」カテゴリの最新記事