助手 「モーターショーの出品車で、今度はダイハツからエッセっていうクルマが出ましたね。」
所長 「うむ、そうじゃな。」
助手 「なんか、こっちの方が現行のミラよりもミラっぽい気がしませんか。」
所長 「昔のミラをモチーフにしたんじゃろ。というよりも初代ミラが影響を受けたルノーサンクなんじゃろうな。じゃがちょっと下半分のボリュームが大き過ぎて下膨れみたいじゃがな。」
助手 「確かに下膨れっぽい感じはありますね。でもシンプルなところが今の時代に合ってて、好感が持てますよね。」
所長 「現行のミラがプレミアム流行りの影響で高級感を出そうとしとったから、かえってシンプルなエッセが新鮮に映るんじゃろうな。」
助手 「でもミラの立場が辛くなるような気がしますね、価格も安いようですし。今度こそスズキを抜いて一番になりたいということなんでしょうけど、ミラが喰われたら意味がないように思えますけど。」
所長 「ダイハツの狙いは、ヴィッツに対するイストにしたいんじゃろう。」
助手 「え、イストですか、逆でしょ。イストってプレミアムコンパクトっていうのが売りでしょ。どこがプレミアムかは別として。」
所長 「イストのプレミアムは単にマーケット受けするキャッチコピーに過ぎんじゃろ。ワシが言っとるのは、どっちが高級かと言うんじゃないんじゃ。つまり、おんなじマーケットに違うカタチをしたおんなじようなクルマを投入したと言うことじゃ。」
助手 「でもそれじゃあ、競合してしまうでしょ。」
所長 「もちろんそれも織り込み済みじゃ。じゃが他社にもっていかれるよりはいいじゃろ。」
助手 「それはそうですけど、だったら違うコンセプトのクルマにした方がいいんじゃないですか。」
所長 「それが出来たら越したことはないんじゃが、そうそう違うコンセプトのクルマってつくれないじゃろ。そもそも軽自動車のマーケットのお客は一緒なんじゃから。」
助手 「それはそうですね。」
所長 「今の市場って新車効果に頼り切っておるじゃろ。じゃから4年から6年ぐらいのモデルサイクルじゃ、販売がどんどん落ちていく一方じゃ。それにその間にどんどん他社から新型車が出てくるから、モデルチェンジまで待っとったらシェアがどんどん奪われてしまうんじゃ。」
助手 「はい。」
所長 「例えばヴィッツの場合、プラットフォームを共用した兄弟車をどんどん増やしていってじゃな、シェアを確保しようとしとったじゃろ。」
助手 「はい、それはわかります。」
所長 「じゃが、競合車のフィットやマーチ、キューブなんかの強力なクルマが出てきたお陰で、メインで台数を稼がないといかんヴィッツの台数が目に見えて落ちてきたんじゃ。しかしまだモデルチェンジのタイミングには早いから、トヨタとしては、その間のシェア確保のために新型車が欲しい訳じゃ。で、つくられたのがイストという訳じゃ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「で、イストが新鮮味がなくなって、販売が落ちる頃にヴィッツをモデルチェンジすれば、トヨタとしてはシェアは保てるじゃろ。」
助手 「なんか太陽と月みたいな関係ですね。」
所長 「ま、言うなれば二毛作みたいなもんじゃな。それを軽自動車に当てはめたのがエッセじゃとワシは睨んどるんじゃ。」
助手 「なるほどそういうことですか。じゃあ、ミラがモデルチェンジするまでの間、ミラのマーケットを確保するのが、エッセの役割りということですね。」
所長 「まあ、平たく言えばそういうことじゃな。それにによってモデルサイクルを半分に出来るから、他社に対してアドバンテージを保てるわけじゃ。資金と車種が豊富なトヨタらしい戦略じゃ。」
助手 「わかりました。」
所長 「あとエッセで気になるのが、カラー展開じゃ。」
助手 「アースカラーでしたっけ、カラフルでいいですよね。ターゲットの女性にはウケるんじゃないですか。」
所長 「違うんじゃ、ワシは少し疑問に感じるんじゃ。」
助手 「どういうことですか。モーターショーの展示でもポップなカラーリングのエッセが並んでるのが、いい感じに見えましたけど。きっと所長はターゲットじゃないから、良さがわからないんじゃないですか。」
所長 「また、年寄り扱いしおってからに。ワシにも良さぐらいはわかるわ。ワシが言いたいのはそうじゃなくって、並べたときの見映えに重点を置いとるような気がするんじゃ。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「ディスプレイ映えばかり考えて色を選んどると言う意味じゃ。ほら、よく雑貨屋なんかで、ペンやノートなんかを種類別じゃなく色別に展示してあるじゃろ。店で見たときは綺麗な色じゃからつい買ってしまうんじゃが、家に帰って見てみるとなんてことないモンじゃったりするんじゃ。あれと一緒でエッセのカラー展開ってショールームで並べてある状態が一番よく見えるんじゃないかと思うんじゃ。」
助手 「うーん、確かにそれはあるかもしれませんね。」
所長 「実際に所有するのは一台だけじゃから、その状態で一番映える色を選ぶと、もっと違った色展開になると思うんじゃ。」
助手 「そう考えると、もっと深みのある色もあった方がいいかもしれませんね。顧客層も広がりますしね。」
所長 「まあ、買うヒトの好みの問題じゃから大きなお世話なんじゃけどな。ワシが実際に買うとしたら結局どれも選ばんような気がしたんで、気になったんじゃ。」
助手 「そうですか、手厳しいですね。僕はてっきり所長は気に入ると思ってたんですが。」
所長 「いや、クルマ自体は気に入っとる。シンプルだのエコだのと言って今の時代に合わせとるが、簡素な装備を色使いやデザインで魅力的に変えてるところや、室内空間の拡大よりも小さいクルマならではの持ち味を売りにしとるところなんて、一昔前の欧州車みたいじゃろ。多分開発に携わっとる連中が好きモン揃いなんじゃと思う。」
助手 「そうかもしれませんね。少なくとも現行のミラやアルトよりは魅力的に見えますね。」
所長 「じゃろ。じゃからターゲット顧客をピンポイントで絞り込むよりも、もっと広い客層に合わせてよりベーシックに徹して欲しかったモンじゃわい。」
助手 「そうですね。それにしても、所長って雑貨店なんかに行ったりするんですね。所長がステーショナリーを買ってるところが想像出来ないんですけど。」
所長 「う、うるさい。どこで何を買おうとワシの勝手じゃ。」
参考資料
ダイハツ・エッセ(ダイハツ工業株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「うむ、そうじゃな。」
助手 「なんか、こっちの方が現行のミラよりもミラっぽい気がしませんか。」
所長 「昔のミラをモチーフにしたんじゃろ。というよりも初代ミラが影響を受けたルノーサンクなんじゃろうな。じゃがちょっと下半分のボリュームが大き過ぎて下膨れみたいじゃがな。」
助手 「確かに下膨れっぽい感じはありますね。でもシンプルなところが今の時代に合ってて、好感が持てますよね。」
所長 「現行のミラがプレミアム流行りの影響で高級感を出そうとしとったから、かえってシンプルなエッセが新鮮に映るんじゃろうな。」
助手 「でもミラの立場が辛くなるような気がしますね、価格も安いようですし。今度こそスズキを抜いて一番になりたいということなんでしょうけど、ミラが喰われたら意味がないように思えますけど。」
所長 「ダイハツの狙いは、ヴィッツに対するイストにしたいんじゃろう。」
助手 「え、イストですか、逆でしょ。イストってプレミアムコンパクトっていうのが売りでしょ。どこがプレミアムかは別として。」
所長 「イストのプレミアムは単にマーケット受けするキャッチコピーに過ぎんじゃろ。ワシが言っとるのは、どっちが高級かと言うんじゃないんじゃ。つまり、おんなじマーケットに違うカタチをしたおんなじようなクルマを投入したと言うことじゃ。」
助手 「でもそれじゃあ、競合してしまうでしょ。」
所長 「もちろんそれも織り込み済みじゃ。じゃが他社にもっていかれるよりはいいじゃろ。」
助手 「それはそうですけど、だったら違うコンセプトのクルマにした方がいいんじゃないですか。」
所長 「それが出来たら越したことはないんじゃが、そうそう違うコンセプトのクルマってつくれないじゃろ。そもそも軽自動車のマーケットのお客は一緒なんじゃから。」
助手 「それはそうですね。」
所長 「今の市場って新車効果に頼り切っておるじゃろ。じゃから4年から6年ぐらいのモデルサイクルじゃ、販売がどんどん落ちていく一方じゃ。それにその間にどんどん他社から新型車が出てくるから、モデルチェンジまで待っとったらシェアがどんどん奪われてしまうんじゃ。」
助手 「はい。」
所長 「例えばヴィッツの場合、プラットフォームを共用した兄弟車をどんどん増やしていってじゃな、シェアを確保しようとしとったじゃろ。」
助手 「はい、それはわかります。」
所長 「じゃが、競合車のフィットやマーチ、キューブなんかの強力なクルマが出てきたお陰で、メインで台数を稼がないといかんヴィッツの台数が目に見えて落ちてきたんじゃ。しかしまだモデルチェンジのタイミングには早いから、トヨタとしては、その間のシェア確保のために新型車が欲しい訳じゃ。で、つくられたのがイストという訳じゃ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「で、イストが新鮮味がなくなって、販売が落ちる頃にヴィッツをモデルチェンジすれば、トヨタとしてはシェアは保てるじゃろ。」
助手 「なんか太陽と月みたいな関係ですね。」
所長 「ま、言うなれば二毛作みたいなもんじゃな。それを軽自動車に当てはめたのがエッセじゃとワシは睨んどるんじゃ。」
助手 「なるほどそういうことですか。じゃあ、ミラがモデルチェンジするまでの間、ミラのマーケットを確保するのが、エッセの役割りということですね。」
所長 「まあ、平たく言えばそういうことじゃな。それにによってモデルサイクルを半分に出来るから、他社に対してアドバンテージを保てるわけじゃ。資金と車種が豊富なトヨタらしい戦略じゃ。」
助手 「わかりました。」
所長 「あとエッセで気になるのが、カラー展開じゃ。」
助手 「アースカラーでしたっけ、カラフルでいいですよね。ターゲットの女性にはウケるんじゃないですか。」
所長 「違うんじゃ、ワシは少し疑問に感じるんじゃ。」
助手 「どういうことですか。モーターショーの展示でもポップなカラーリングのエッセが並んでるのが、いい感じに見えましたけど。きっと所長はターゲットじゃないから、良さがわからないんじゃないですか。」
所長 「また、年寄り扱いしおってからに。ワシにも良さぐらいはわかるわ。ワシが言いたいのはそうじゃなくって、並べたときの見映えに重点を置いとるような気がするんじゃ。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「ディスプレイ映えばかり考えて色を選んどると言う意味じゃ。ほら、よく雑貨屋なんかで、ペンやノートなんかを種類別じゃなく色別に展示してあるじゃろ。店で見たときは綺麗な色じゃからつい買ってしまうんじゃが、家に帰って見てみるとなんてことないモンじゃったりするんじゃ。あれと一緒でエッセのカラー展開ってショールームで並べてある状態が一番よく見えるんじゃないかと思うんじゃ。」
助手 「うーん、確かにそれはあるかもしれませんね。」
所長 「実際に所有するのは一台だけじゃから、その状態で一番映える色を選ぶと、もっと違った色展開になると思うんじゃ。」
助手 「そう考えると、もっと深みのある色もあった方がいいかもしれませんね。顧客層も広がりますしね。」
所長 「まあ、買うヒトの好みの問題じゃから大きなお世話なんじゃけどな。ワシが実際に買うとしたら結局どれも選ばんような気がしたんで、気になったんじゃ。」
助手 「そうですか、手厳しいですね。僕はてっきり所長は気に入ると思ってたんですが。」
所長 「いや、クルマ自体は気に入っとる。シンプルだのエコだのと言って今の時代に合わせとるが、簡素な装備を色使いやデザインで魅力的に変えてるところや、室内空間の拡大よりも小さいクルマならではの持ち味を売りにしとるところなんて、一昔前の欧州車みたいじゃろ。多分開発に携わっとる連中が好きモン揃いなんじゃと思う。」
助手 「そうかもしれませんね。少なくとも現行のミラやアルトよりは魅力的に見えますね。」
所長 「じゃろ。じゃからターゲット顧客をピンポイントで絞り込むよりも、もっと広い客層に合わせてよりベーシックに徹して欲しかったモンじゃわい。」
助手 「そうですね。それにしても、所長って雑貨店なんかに行ったりするんですね。所長がステーショナリーを買ってるところが想像出来ないんですけど。」
所長 「う、うるさい。どこで何を買おうとワシの勝手じゃ。」
参考資料
ダイハツ・エッセ(ダイハツ工業株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
社会人になって初めての車なんですが、家族に勧められてオレンジの4WDタイプを購入しました。当時は全くクルマなんかに興味がなくて、とにかく安いモノがいい!!って思っていましたが、小さくても乗り心地はいいですし、運転が楽しい車ですよ。
オレンジは気恥ずかしさがあったんですが、意外と同色の車に男性が多く乗っているのに驚きました。内装が同色っていうのがまた可愛いんです。
あと住んでるのが北国なんですが、真っ白な雪の中、オレンジとか黄色とかポップな色のエッセがグイグイ走っていく様はなかなか頼もしく見えますよ(笑)
オレンジのエッセにお乗りなんですね。
本文中で所長が色のコトをいろいろ言ってますが、ボクはエッセのオレンジ色いいと思いますよ。
最近めっきり見る機会が減った気がするエッセですけど、あのシンプルなデザインは貴重な存在だと思いますので、永く乗られるコトを祈ります。
真っ白な雪にオレンジや黄色のエッセ、なんか美味しそうな気がします。