黒猫が言った
水晶玉を覗き込んで
見えない
五年 十年
二人の未来が映らない
小鳥はね
わたしを信頼して
なでて
なでてと
わたしにせがんで
手に頭をこすりつけるの
それから
うっとりした瞳で
わたしを見る
黒い瞳を少し細めて
だいすきという想いをこめて
わたしを見上げる
わたしの失敗も
できないことも
なんにも知らないよと
ぜんぶをわたしに預けるこの子は
ほんものの翼をもった
ちいさなちいさなわたしの天使
キミから零れる
98粒の 言葉の雫
白く優しく私を包む
キミから零れる
たった二粒の言葉の雫
たったふたつの雫が
真っ白い雲を雨雲に変える
わたしを惨めにさせる
小さな雫
わたしの目から涙が零れる
こんな顔ではお出掛けできない
こんな服ではお出掛けできない
涙で
お化粧が流れてく
こんなわたしが
あなたのくちびるを歪ませるの
わたしがあなたを
クルシメルノ
お別れはいや
お別れはいや
お別れはいや
お別れはできない
わたしはあなたとお別れはできない
ごめんなさい
ごめんなさい
だめなだめなだめなわたしをもうころして
ただひとつだけ
わかることがあるよ
それは
キミが好き
あいたい
キミと一緒に歩くのが好き
橋を渡る
かもめを見ながら
かわいいねって おおさわぎしながら
飲み物を飲む
順番に
気付くとたくさん歩いてるんだ
そんな時間が幸せなんだ
わたしは
キミ以外になんにもいらないと
強い風に言うんだ
何にも
見えないわからない
考えても
考えても
先が見えない
私には頼る人はいない
両親も
兄弟も
もう誰も頼れないのに
キミまで失うの
キミを想う気持ちはどこへ行くの
キミは私の
恋人で
お兄ちゃんで
弟で
保護者で
魔法使いで
時々
デビルだった
それは
愛なの
それとも
私がしつこく付いてまわったから
私はジメジメしてるけど
カラッと晴れた心の女性はたくさんいる
あなたを愛してるけど
私はあなたの思うりりじゃないから
だから
だから