「彼らの活躍により、世界に平和は訪れたのだ……」
モモヤが謎のナレーションを入れる。
「いやいや、
あのね、毎回だけどね
同僚達を倒すんじゃなくて、
助けて欲しいわけであって!!」
うおーーーー!!
と、へび呼ロイド。
「ちなみに、ラスボスはギャーズン(以下略)であって
今ので最終回じゃないからね!!!」
へび呼ロイドは
いつも大声でツッコミ大変だな。
「なによ、とりあえず
北一族の村が崩壊することは防いだんだから
いいじゃない」
「あの魔法、(精神的)体力を使うんだよな」
あー、肩凝った、と
アヅチとマツバが戻ってくる。
「「というか、お腹空いた」」
「やっぱり凄いね、南一族の魔法は」
「僕たちにはとても真似できない。
凄いなぁと思いました」
海一族のシオリとナギサが言う。
ナギサ、心のこもって無さ100%。
「騒ぎが落ち着いたことが分かれば
実行委員会のスタッフも帰ってくるだろう。
そしたらみんなに甘栗をごちそうしよう」
ヘイマスターが気前の良い宣言をする。
甘栗お気に召したらしい。
「あー、ちょっと、
アマキが居ないじゃない」
「もう逃げたわねー!!」
「お前ら、他の村では
騒ぎ起こさないんじゃなかったのかよ」
さっさと、姿をくらましたアマキの代わりに
タツキが砂一族に絡まれる。
そんな戦いが終わり一段落ついた皆の中心。
料理対決会場だったステージの上には
トウノとミィチカ、
そして、更に後から追いついたトウノの妹キーリが。
「ミィチカ離してくれ
俺は行かなくては、
第三の目がうずき始めるのだ」
「………っ」
「とのにいさまグルグル巻きだから
今動けないじゃない」
「そうだが我が妹キーリよ。
俺を呼び続ける人が居る限り」
「何処によ!!」
急にミィチカが大きな声を上げる。
「ミィチカ?」
「ミィチカお姉ちゃん」
「一体誰がトウノを呼んでいるというのよ。
本当に呼んでいるのが誰だか分かっていないくせに」
「……ミィチカ」
こ、これは、
このパターンは、と
他一族の皆の視線はそこに集まる。
「私が!!
私がずっと呼んでいるじゃない。
いつもそばに居て欲しいって!!」
ミィチカほろりと涙。
「ミィチカ、俺!!」
と、トウノがミィチカを抱き寄せようとするものの
なんせ手も足も出ない状態なので
ミィチカがトウノを抱き寄せる。男前。
ゴーン。ゴーン。ゴーン。
ナイスタイミングで時報の鐘の音が響き渡る。
「ステキっ!!」
クリミアが感動で震える。
「私もあんな恋がしたい!!」
「いや、したいか、あれ??」
アヅチは戸惑うが
「憧れる!!しびれる~!!」
同じく女子の、海一族シオリまで。
じっと、アヅチはマツバを見つめる。
「……お、おい」
「アレはないわ」
ですよねー!!
ちなみに砂一族フワ&シマも『あれはちょっと』派です。
すっと、涙を拭きながら
ミィチカがアヅチとマツバに歩み寄る。
「お二人ともありがとうございます。
トウノを止めて頂いて」
「いや、別に俺達は」
「たいした事はしていないわ」
「いいえ!!
お二人とも身体を張って下さり」
本当にありがとう、と
ミィチカは頭を下げる。
「あんな台詞とポーズまでとって頂き
いかに普段の姿が回りから見てどん引きかを
身を以てトウノに思い知らせてくれたというか」
「や」
「やめてーーー!!!」
今日一番のえぐる様な攻撃が
アヅチとマツバを襲う。
そんな二人をよそに、
タクトがマツバの手を引く。
「そうか、さっきの鐘の音。
もう9時になったんだ、行こう!!
ほら、人のざわめきも聞こえてきた」
巨大同僚で非難していた人たちが戻ってきた様だ。
だが
「ちょっ!!行こうって?」
何処に?
「お祭りの最期を飾るイベントです。
ほら、アヅチさんも行きましょう?」
「ええ?何があるんだ??」
クリミアもアヅチの手を引く。
「踊りましょう、一緒に。
祭りの最期を飾るダンスパーティーです」
「ダンス??」
「バーティ??」
そんな事より二人はお腹が空いている。
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