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地球人カレッジ 9月

2011年09月13日 | 地球人カレッジ
*とき:9月10日(土)19:00~21:00
*参加人数:28名(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:吉田 益子さん(徳島小水力利用推進協議会 運営委員)
*テーマ: ドイツ、フライブルグの環境政策とエネルギー自給の村を訪ねて

福島での原発事故をきっかけに、
ようやく日本でも本格的な省エネや再生可能エネルギーの議論がなされるようになってきました。

今回の地球人カレッジでは、6月に環境先進地のドイツを訪れた吉田さんから
・世界の環境首都ドイツ・フライブルグ市
・エネルギー自給の村フライアムト
・原発に依存しない電気の配給会社を住民投票によって立ち上げたシェーナウ村

のエネルギー政策とまちづくりについてご紹介いただきました

ドイツでは再生可能エネルギーに世界第2位の投資額を費やしています。
また再生可能エネルギー業界で37万人を雇用し、
今年前期で全電力の21%(2010年は17%)を達成しました。

国レベルでなく、地域レベルでも取り組みがなされています。
フライアムト市の農家によるバイオマス・エネルギーの利用事例では、
電気をつくるときに発生する熱を有効利用するコジェネにより、
700m先の学校に地下のパイプを通じて給湯しているそうです。

1軒1軒での取り組みでなく、地域レベルのシステムが稼働していることにとても驚きました

また、シェーナウ市に発足した市民出資の配給会社(きっかけはチェルノブイリ原発事故)の設立までの
さまざまな困難とそれに負けずに戦い続けたお母さんたちのストーリーには、素直に感動しました



徳島では昨年から、小さな水力発電を地域振興にも生かしたいと再生可能エネルギーの推進団体が立ち上がっています。

日本ではまだ1%しかない再生可能エネルギーの半分を占める小水力発電
これは新しい発電方法ではなく昔からある方法(例:粉引き小屋)なので、田舎にはいまだ残っているところもあるそう。
太陽光と違って24時間発電が可能で、落差と流水があれば発電できる手軽さです。
また、大規模な工事は不要なので、地元の業者による設置・メンテナンスが可能で、地域にお金が落ちるおまけつき

そんな小水力発電を推進する事務局・運営委員として活動している吉田さんですが、

今回のドイツ訪問を通じて、
「自然エネルギーへの転換」を第1に進めるのではなく、「まずは省エネ」によって総エネルギー量を減らすこと
そしてそして廃熱の有効利用によって、熱効率をあげていくこと
(※)
の重要性を感じたとおっしゃっていました。

ちなみに環境首都フライブルグ市のエネルギー政策は
第1に 省エネ(例:パッシブハウス(3重ガラスなどで高気密化された家))
第2に 高効率化(例:コジェネ、地域暖房の普及)
第3に 自然エネルギー

となっており、何が何でも「自然エネルギー」への転換!!!という訳ではなく、
まずは無駄を減らしていき、どうしても必要な電気があれば、
それを出来るだけ自然エネルギーで
、という方針だそうです。
確かにいま使っているエネルギーをすべて自然エネルギーに転換するというのは、
非常にハードルが高そうで、一市民としては何から始めたらいいのやら
という感じですが、「省エネ」なら、いますぐ取り組めますもんね。
我が家は太陽熱温水器を利用していますが、日中太陽が出ていれば、
ガスや電気で温めずとも熱湯になるので、とても省エネです。

今回の地球人カレッジでは、今後、私たちがどう生活していけばいいのか、
大きな道筋が示されたように思います

<補足>原子力を始め火力や水力など現在の発電システムでは、
いずれも発電時に多くの熱エネルギー(廃熱)が発生します。
従って、多くの熱を捨てて作られた電気で、再びお湯を沸かすというのは、大変効率が悪いのです。
熱はできるだけ熱のまま使う方が効率的。
最近は家庭でも熱を有効利用する機器(エ○キュートやエ○ファーム)が広がってきていますね~


文責:事務局(瀬戸口)


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