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日常と好きなものと母の自宅介護の極私的記録

鉄のかたまり

2015-09-11 00:27:32 | バイコヌール 旅行
【バイコヌール 珍道中 (12)】




ガッチャコン、ガッチャコン。

レールの上を貨物列車に乗せられて
50mの鉄のかたまりが
横倒しで運ばれてくる。
仰々しくて、まがまがしい威圧感かと思ったら違った。
小さい。
噴射口がこちらを向く。
束ねられたエンジンノズルが美しい。
細身の外観は近づくにつれ、
とても頑丈な事がわかる。
硬そう。
薄くはない。
痩せているけど、骨太。
工業機械そのものといった感じ。
あっという間に通りすぎてゆく。
すげえ、本物だ。





前日にバイコヌール入りしたツアー御一行。
この日は朝から皆、浮ついた感じ。

7時にホテルのロビーに集合。
雲が空を覆い、昨日と違って
日光が肌を攻撃してきません。

大型バスに揺られ、
昨日やってきた砂漠の道を引き返すこと数十分。
砂漠にぽつんと現れた線路沿いに
バスは停車。

観覧スペース確保の為、
急げや急げと
疲れも忘れてダッシュ。


プレスの間をぬって最前列へ。
というか人数に比して観覧スペースの広いこと広いこと。
周りに何もないから当然っちゃあ当然か。
走ることなかったなw
プレスの方々も観光客来やがったと呆れ気味でした。

周りは警備兵やら、本物の銃やら、マジもんの装甲車やらで
しっかり?
いや割と緩め?
ロシアンスタイルなのか、あまり威圧感もなく
のんびりと、しかし見るとこ見てるで感で守られている感じ。



ふと目をやると
遠くにロケットの発射台。
整備塔やチューリップ型支柱、マストが開ききっている。
主人を待ちながら待機しているのねと
反対方向を見ると
さらに遠くに組み立て工場とおぼしき大きなビル。



プレスの何mmで撮るよ。
GMSだからデータ送るの大変など。
報道現場の裏側を垣間見ていると
やおら皆が色めき立ちます。

「あ、見えた」
「出てきた」

え?どこどこ?とビルを睨みつけますが、
肉眼ではよくわかりません。
ああ、また目悪くなったか。
カメラでズーム倍率をマックスにしてみると、、、
「あ!」
見えました。



ゆっくりと列車に引かれてやってくるソユーズロケット。



すげえ。
本物。
綺麗。



童心に返って、夢中でシャッターを押しました。
結構早いスピードでこちらへやってきます。
大切なものをゆっくり慎重に、、、
という感じはなく、
粛々と工業品を運ぶといった方がしっくりきます。



砂漠だから、警備の車が追走すると煙があがる。
なんか映画で見たような演出だなと
思っている間にソユーズが一旦線路の奥まで移動完了。



前向きでやってきた列車が
スイッチバックして、今度は目の前を通過します。
ソユーズタソが、小ぶりのお尻を向けて
発射台に向かうわけですね。











目の前3m程の距離を
ガチャコンガチャコンと運ばれていくソユーズ。
間近に見た彼女は
細身だけど芯の強そう…
たいそう気の強そうな女性でした。



余談ですが、
私フィギュアスケートのリプニツカヤ女史のファンなのですが、
ソユーズタソはあんな感じ。
まさに小柄なロシアン美女。

さらに余談というかエクスキューズですが、
やみくもにソユーズを女性に例えてるってわけではないですよ。
古今東西、船乗りは乗る船の事を女性に例えるそうですから。
母船っていうでしょw
(カーク船長もエンタープライズ号をShe is beautiful. つってたし)
擬人化の歴史は深いのねw



あっという間にソユーズとの邂逅が済んでしまい
息つく間も無く
バスに乗り込み移動開始。

発射台への設置風景、
つまり
「ソユーズ大地に立つ!」(吊り下げられるが正確かw)
その姿を見に行きます。


次回へつづく。


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