既報にて、福島原発から漏洩した放射性物質からの放射能によって発生する放射線に係る初歩的な内容を記載しました。
放射能漏洩・拡散による空気、農畜産物、海水、飲料水などの周辺への汚染に対して、"現状の放射レベルなら、直ちに人体には影響はない"とのことであるが、地方自治体などの調査によって、その範囲が広がっているようです。
乳児は別として、人間には1人あたり平均して1年間で約2.4ミリシーベルトの自然放射線(宇宙線0.39ミリシーベルト、大地0.48ミリシーベルト、日常摂取物0.29ミリシーベルト、空気中のラドンなどの吸入1.26ミリシーベルト)を吸収しても、ある程度の被爆に対しては、その免疫性は少なからずあると言われています。 発電所事故の早期収拾を祈るばかりです。
核分裂によって発生した放射性物質の種類によって、その放射線の半減期、線質係数が異なり、生物への影響度(シ-ベルト(Sv)値)は変化すると言われています。
現在、報道されている原子炉の核分裂によって発生する放射能物質のセシウム134、ヨウ素131とは放射性性物質として一体どのような位置づけになっているか調べました。
原子炉の原理ー核分裂 によれば、 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/6734/kisogenri/
seiseibutu.html (一部抽出しました。)
「核分裂生成物とは 核分裂の結果として生じる大きな2つの破片を核分裂片とよぶ。 それぞれが原子核となって新しい2つの原子ができる。分裂のしかたは、さまざまであるが、真半分に割れることは少なく、大きさの割合で3:2ぐらいになることが多い。元素の種類としてはニッケル(原子番号28)からジスプロシウム(66)まで約40種、質量数でいえば66から166までほぼ100種類のものができる。これらを総称して核分裂生成物(FP)とよぶ。・・・
核 種 核分裂収率(%) 半減期
85Kr クリプトン-85 0.3 10.8年
89Sr ストロンチウム-89 4.8 51日
90Sr ストロンチウム-90 5.8 28年
95Zr ジルコニウム-95 6.2 65.5日
131I ヨウ素-131 3.1 8.05日
133Xe キセノン-133 6.6 5.27日
135Xe キセノン-135 6.3 9.1日
137Cs セシウム-137 6.2 30年
144Cs セシウム-144 6 285日
147Pm プロメチウム-147 2 2.64年
原子番号92以上の重い原子核では核反応の結果として大きく2つに割れる場合があり、これを核分裂という。 核分裂の起こる原因はいろいろあるが、中性子の吸収によって起こるものがある。このような核分裂を起こすものはウラン-233、ウラン-235、およびプルトニウム-239の3種がある。このうち天然に存在するのはウラン-235だけで、天然のウランの中にわずか0.72%しか存在しない。 核分裂の際には大量のエネルギーが放出され、また同時に2~3個の中性子が出る。この中性子を利用して反応をうまく継続して起こすようにするのが原子核エネルギーの利用である。・・・」
⇒セシウムー134は引用には含まれていませんが、核分裂条件によってさまざまな中性子が原子核に含有されると想われる。*これらが発生する種々の波長からなる放射線(電磁波)のエネルギーが生物に吸収されて細胞中のDNAを励起して、悪影響を及ぼすと想われる。
*原子力エネルギー「ウラン(U)、プルトニウム(Pu) アクチノイドと主な核分裂生成物の半減期」によれば、http://www.aec.go.jp/jicst/NC/sonota/study/aecall/
book/pdf/siryou1.pdf
(詳細は引用文献を参照願います。)
⇒ヨウ素-129、セシウムー135、137などの記載がありました。同一元素でも、その質量数によって半減期は異なるようです。ヨウ素-129の半減期はヨウ素ー131より、長いようようです。