水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
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「エアロゾル」に係る記載を調べました。(その6:異常気象要因)

2011-02-02 | 日記

 既報にも記載しましたが、北半球における咋年の猛暑と豪雨、今年に入ってわが国裏日本の寒波と豪雪南半球におけるオーストラリアの豪雨による大洪水
 いづれも、大気中の水分の地上への集中降下のなせる業と思われます。これらの発生要因のひとつとして、大気中の黄砂、火山噴火などによるエアロゾルの影響に着目して調査しています。

 gooニュース「北陸豪雪、車900台超が立ち往生」によれば(読売新聞)
2011年01月31日 
 「日本列島を覆う強い寒気の影響で、日本海側を中心に31日にかけ再び記録的な大雪に見舞われ、北陸地方ではJR線特急7本が前夜から立ち往生、高速道路、主要国道も福井県内で少なくとも車約950台が動けなくなるなど交通機関が軒並み乱れ、車中で夜を明かす人が続出した。・・・」

⇒古くは、昭和38年豪雪で新潟県上越地方などが「陸の孤島」と化したことをよく覚えています。日本海側での極端な「ゲリラ降雪」(寒気による水蒸気の雪化)とは好対照の昨今の関東地方の「空っ風」による低温と極端な青天続き。
 あたかも山が高くなったが如く、寒気団の影響で水蒸気からなる雲が日本海側で降雪したため表日本側へ水蒸気が飛来しなかったのでしょうか?
  はたまた、エアロゾルの触媒効果(結晶核)で雪が大量生産されてしまったのか?

 昭和38年と平成23年のわが国全土の降雪量および降雨量ならびに、その他の自然現象、社会現象、温暖化度などを調べて比較すると新たな知見が得られるかもと個人的には思っています。
 降雪量(降水量)が異常に多い現象は、CO2の増加、太陽の黒点数の増減、寒気団の南下、エルニーニョ現象によることが、一般的、大衆的なようですが、気象現象には全くの素人ゆえに根本的な原因は?と思っています。
 既報に引き続いて黄砂、火山灰、等に起因すると考えられるエアロゾルを構成している微粒子の大気中の濃度、その素性に係る記載を調べました。

熊本大学、卒業研究
西日本において大気中の粗大粒子と微小粒子の高濃度を引き起こす要因
一2002年春,天草の浮遊粒子状物質の粒径分布から一によれば、
(一部割愛しました。)
「【研究の目的】
 毎年春,日本ではアジア大陸の黄砂の拡散に伴い,浮遊粒子状物質(SPM)の濃度が著しく変化することが多くの研究に報告されている。原因は,黄砂粒子が偏西風にのって日本列島に飛来するためである。黄砂粒子の大きさは主に1μm以上のもので,黄砂が現れる時に大気中の1μm以上の範囲で粒子の数濃度が大きく増加することが分かっている。しかし1μm以下の微小粒子の変化についての情報がほとんどないのが現状である。
 本研究では,この現状をふまえて,平成14年春にアジア大陸から偏西風によって拡散する気団がよく通過する西日本において,粗大粒子(粒径1μm以上)とともに微小粒子(粒径0.1μm以上1μm以下)についても連続測定を行い,黄砂時と非黄砂時などの特徴をまとめて,高濃度の粗大粒子と微小粒子があらわれる原因について検討、究明した。・・・
【結果・考察】
 調査期間の浮遊粒子状物質数濃度変化から,粗大粒子と微小粒子ともに増加する場合と微小粒子のみが増加する場合があったことが明らかになった。粗大粒子数濃度の増加がおこったときについて,空気塊は西・北西・北方向から移動してきていることが明らかになった。つまり,大陸から移動してきており,また,黄砂飛来の記録(日本気象学会,2002)の時期とも一致しているため,黄砂粒子により粗大粒子が増加したと考えられる。また、このときに微小粒子の数濃度も増加していた。空気塊の移動速度については,平均速度が,約23km/hであり,各方向別に大きな差はなかった。微小粒子の増加については,ガスの粒子化が起こったのではないかと考えられる。粗大粒子数濃度の増加はみられず、微小粒子の数濃度のみが増加していたことがあった。空気塊は,南・東・北・北西・西と様々な方向から移動してきていたが,比較的,南・南東・東方向からの移動が多かった。平均移動速度は約20km/hであり各方向別に差が大きかった。移動方向などから,阿蘇や桜島の火山ガスが原因となり,粒子化が起こったと考えられる。
【結論】
 結果から西日本においての大気中の粒子状物質の濃度変化について以下の3つの結論が得られた。
1.粗大粒子: 粗大粒子の濃度を高くさせるのは黄砂イベントである。
2,微小粒子: 黄砂が飛来してくるときに微小粒子の濃度も高くなる。これは,中国大陸,朝鮮半島および北九州から排出される気体の汚染物質の影響であると考えられる。
3.微小粒子: 中国大陸,朝鮮半島および北九州などの人為起源以外に阿蘇と桜島により微小粒子の濃度が高くなることがある。」

黄砂、噴火、人為的な起源に由来する微粒子に係る貴重な文献です。微小粒子は目に見えないどころか、”微小粒子の増加がガスの粒子化による”との考察も記述されています。さらに、定量的なデータについて調べる予定です。


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2 コメント

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毎日 (masa)
2011-02-02 11:18:48
風土考慮された記述でしょう。
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Unknown (tetsu)
2011-02-06 09:47:14
TVニュースなどによれば、噴煙の高さは雨雲より高いことがわかりました。2000~3000mと言われています。黄砂の高さと同じ3000mということです。
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