慈光の部屋 武器（第52回-3）

【臼：臼杵さん（FMジャングル・DJ）、慈：久本慈光（寺小屋塾長）】

慈：話を簡単にまとめたいんですけど、臼杵さんは運転されます？
臼：運転免許持ってますよ。
慈：持ってますよね。僕も持ってます。英語をしゃべれるようになると、就職の機会が増えたり、職業選択の幅が広がる
　　という感覚が、たぶん日本人の中にはあると思うんですよ。
臼：そう思いますね。
慈：もしも、本当に文科省の言ってることが成功して、皆が英語をしゃべれるようになったとしたら、それが大きな武器に
　　なるでしょうか？
臼：うーん。
慈：求人票に「要運転免許」と書いてあることはよくありますよね。だから、運転免許がなければ、その求人にエントリー
　　ができないんですから、運転免許を持っていることで、ある程度は就職の機会が広がるのかもしれないです。でも、
　　就職面接で、「あなたは何ができますか？」と聞かれて、「車の運転ができます」と答えたら、「どんな車ですか？大
　　型ですか？重機は？」とも聞かれるでしょうね。そこで、「普通免許を持ってます」と答えて、「じゃあ、あなたを採用
　　します」ということになりますか？
臼：なりませんよね。普通ですからね。
慈：そうでしょ。普通のことですからね。普通のことを身に付けても、守りになるかもしれないけど、武器にはならないと
　　いうことです。
臼：そうですよね。プラスアルファが必要ですよね。
慈：50年前なら、普通免許持ってたら、「すごいね」って、就職できる理由になっただろうとは思います。でも、そうじゃ
　　ない社会を我々はつくってきたんです。
臼：今は誰もが運転免許を持てる時代ですからね。それでは武器にはならないですね。
慈：そうですよね。
　　（つづく）

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