浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ハロルド・バウアーとオシップ・ガブリロヴィッチ ワルツ

2006年06月11日 | 洋琴弾き
無条件に美しいレコヲドを紹介しよう。

ハロルド・バウアーとオシップ・ガブリロヴィッチの連弾によるアレンスキーのワルツは、19世紀末の浪漫の極致を味わうことができる。何といっても、その音色が素晴らしい。

僕の師匠が演奏会でこの曲を取り上げていたのを聴いたことがある。師匠はクロイツァーの弟子で、極めて柔らかなタッチで、こういった小品を好んで弾いていた。

有名な曲ではないが、これほど親しみやすく美しいメロディーもそうあるものではない。一度耳にすると一生忘れることはない。美しいのはメロディーだけではない。和声もチャイコフスキーのやうに単純ではなく、適度にサロン的であり、高雅な雰囲気も併せ持つ。やわらかいクロマティックな内声部の動きもたまらなく良い。

未だお聴きになっておられない方は、幸せが一つ足りない。ちょっと探すのには苦労されるかも知れないが、是非、バウアーとガブリロヴィッチのデュオで聴いていただきたいものだ。きっとCDでも復刻されて販売されているはずだ。

盤は、米國RCA LP試聴盤 AX-20。


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