浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

キャスリーン・パーロウによるハルヴォルセンのもの悲しいメロディ

2007年06月03日 | 提琴弾き
キャスリーン・パーロウといふ女流提琴家の珍しいレコヲドを聴いてゐる。彼女は、1890年生まれでアウアーの門下生である。ハルヴォルセンの小品を取り上げてゐるが、当時の音楽趣味を垣間見ることができる。

パーロウといふ提琴家は忘れ去られた存在で、彼女のSPを集めて復刻したCDは残念ながら見当たらない。このレコヲドは1909年、彼女が19歳のときのもので、クレディットによれば倫敦におけるファーストレコーディングのやうである。パーロウはこの後、コロムビアのリボン盤などに多くの録音を残してゐる。1963年まで存命であったやうだが、LP時代の録音も無いやうだ。

しかし、ショパンの夜想曲作品27-2では上品ではあるが熱のこもった表現を聴かせてくれる。僕のお気に入りのハルヴォルセンはグリーグの次世代に当たる諾威の作曲家である。珍しい選曲で、"Chant de veslemay"のもの悲しい旋律は心に染み入ってくる。続けて演奏してゐる「諾威の踊り」は民族色の強い作品である。ハルヴォルセン自身も提琴弾きであり、提琴のアンコールピースとしてはうってつけの小品だと思ふのだが。

盤は、英國Appian P&R社によるSP復刻CD CDAPR7015。


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1 コメント

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パーロウの復刻CD (Ibotarow)
2007-06-09 10:01:14
貴ブログの記事に触発されて、パーロウの復刻CDを探したら、運良くヤフーオークションに出ているのを見つけ、その日が終了日だったので慌てて入札、無事落札できました。WINGから10年ほど前に出たもののようです。
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