浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ワシリー・サペルニコフ アリャビエフのナイチンゲール

2006年06月25日 | 忘れられた作品作曲家
ロシアのピアノの大家、ワシリー・サペルニコフのことを知る人は少ない。リャードフ、アントン・ルビンシュタイン、アリャビエフ、バラキレフなど、ロシアの19世紀の流行曲を聴くことができて楽しい。

リャードフの音楽箱はローゼンタール、アリャビエフはロシアの提琴家ミヒャエル・エルデンコの演奏を聴き親しんでいたが、このサペルニコフの演奏では、特にリスト編曲のアリャビエフが気に入っている。アリャビエフとは聞きなれない作曲家だが、19世紀初頭にかなり流行した歌があり、グリンカやリストなど、多くの作曲家に取り上げられていて、哀愁を帯びたとても心に残る名旋律である。聴きなれた提琴の演奏も誰か有名な提琴弾きのアレンジものなのだろう。

バラキレフの曲は難易度が高いので有名だが、ここで弾いているマズルカでもテクニシャンぶりを披露している。リスト、シューマンやブラームスの小品では、豪快な中にも情感あふれるロマンティシズムを聴くことができる。

どういう経歴の人かは詳しく知らないが、決して忘れ去られるべきピアノ弾きではない。

盤は、伊國のCeder&Weiss社のCD PL212(ヴォーカリオン・レコヲドの復刻CD)。


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