浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ウィリアム・プリムローズ ベンジャミンの小品

2006年07月29日 | 忘れられた作品作曲家
ハイフェッツの3歳年下でアンサンブルも組んだ仲のヴィオラ奏者、ウィリアム・プリムローズの公開レッスンを大学の講堂で見たのは、今から四半世紀前のことだ。かなりのご高齢であったが、しっかりとした声で的確な指示を出しておられた。僕は奏法のことは詳しく分からないが、その音楽造りを聞き漏らすまいと真剣に聴いていた。そのときの録音は今でも大切に保管している。

そのプリムローズが1945年に録音したベンジャミンの小品集がある。この作曲家はオーストラリア生まれで、プリムローズの親友でもあった。ここには「エレジー」「ワルツ」「トッカータ」の3曲が収められたアルバムと、「ジャマイカ・ルンバ」「マッティー・ラグ」「クッキー」「サン・ドミンゴより」の4曲もののアルバムが復刻されている。

後者の4曲が僕のお気に入りで、特に「ジャマイカ・ルンバ」はスカラムーシュの3楽章の伴奏の上にヴィオラが楽しげに遊ぶような曲想だ。どの曲も大変親しみやすく、プリムローズの技巧も冴え渡っている。

盤は、英國Biddulphの復刻CD LAB146。



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