流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

2段遠心コンプレッサー発電電動ターボチャージャーの熱流体解析による温度分布結果

2017年03月16日 | 未来製品設計

設計した2段遠心コンプレッサーと遠心ガスタービンを持ち、発電と電動駆動の両機能モーターも持つターボチャージャーの熱流体解析による温度分布計算の結果です。

次が発電電動ターボチャージャーの運転時の熱流体解析を行う状態を示します。

これは実際の発電電動ターボチャージャーの運転時に相当する正確な熱流体解析をおこなうために、2段遠心コンプレッサーと遠心タービン、そしてモーターローターが同時に回転して運転されている状態を再現した高度な熱流体解析計算となっています。

次が運転時温度分布断面表示ですが、タービンケーシング入口には600℃の燃焼ガスが流入しておりタービンローターを回転させてその駆動力発生によりガス温度がタービン出口で下がっているのが見られます。

さらに、コンプレッサー側では1段目遠心コンプレッサーから2段目コンプレッサーの渦巻きケーシング出口に向かって断熱圧縮により空気温度が上昇しているのが分かります。

この運転時にはモーターが発電も行っているため、モーターのステーターとローターの電磁的な発熱も起こることによる温度上昇も再現されています。

それらによる熱がケーシング部や主軸部を伝わって伝播されていることもケーシングや主軸形状材質を指定しているので厳密に計算されており、特に高温タービン部の熱が主軸とケーシングを伝わってモーター側が暖められるのが問題となりますが、ここで冷却用の油を主軸部に供給することも再現しているので、それで冷やされモーターローター部温度尾が許容値を超えていないことが分かります。

次図は、温度分布内に流体の速度ベクトルも示していますが、この図では分かりにくいのですが、電磁的な発熱が多いモーターのステーターとローターのエアギャップ部には1段目の遠心コンプレッサーで加圧された空気が流れ込みモーターの冷却を行っていることも詳細に見られます。

<今日の流れ>

朝から4月以降に取り組みを始める自主的研究の構想について考えていました。

自主的研究テーとしては、ガスタービンエンジンの研究が最も中心となり、さらにそれを使った機械の構想設計があります。

他には、自分で造るシミュレーションプログラムの拡充です。

シミュレーション領域をどんどん広げていき、なんでもシミュレーションであらかじめ挙動を把握出来るようになれば良いと考えています。