Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

インターステラー(ネタバレ注意)

2014-11-28 16:03:52 | 映画
今回は映画「インターステラー」について。



クリストファーノーラン監督の作品。結局すべて見ていることになるのですが、僕は「メメント」が一番好きだったんです。でも、今回のこの映画で、彼の作品の中で一番になりそうです(笑)。

主演は、マシューマコノヒー、アン・ハサウエイ。

ここで、内容を・・・

近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類滅亡の回避、二つの間で葛藤する男。悩み抜いた果てに、彼は家族に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指すことを決意して宇宙船へと乗り込む。



と書いてあります(笑)。


僕は、まったく予備知識なしで観に行ってまいりました。それが良かったのか、前半のトウモロコシ畑のシーンで「あれ?これって宇宙ものだよね」っていうところから、どんどんどの世界に入り込んでいきました。環境変化が起きた理由も、アメリカの軍隊が無くなっている理由も、年代も、一切明らかになっていないのも、「どうして?どうして?」って考えることになって、そこも面白い。

特に、前半のクーパーの娘が体験する「幽霊話」は宇宙人からのメッセージなのかと匂わせる演出も、後半になってから生きてきます。

宇宙に行ってからのお話しは、ワームホール理論やブラックホール理論、時間の流れ、重力、いろんなことが出てくるのですが、僕的にはわかりやすくスムーズに入っていけました。これだけの情報量をストーリーの中でうまく取り入れているなぁと感じました。

2時間49分という長さなのですが、僕は長さを感じることが無く、最後まで見ることができました。途中から、ある程度ストーリーが予想できてくるのですが、それをどう見せてくるのかを期待して観るのも面白いと思います。

マイケルケインや、マットデイモン、ジョンリスゴー、ジェシカ・ジャスティン(ゼロダークサーティ―の)と共演者も豪華ですし、ロボットの造形や宇宙ステーションの造形なんかも、センスが感じられます。

映像と音を楽しむためには、映画館での鑑賞をお勧めします。

ここからはネタバレです。絶対にご覧になっていない方は読まないでくださいね。



















で、この環境破壊が進んだ地球から、第2の地球を探す旅に出るのですが、そこにもう一つプランBがあって、それは凍結した受精卵を持っていき、そこで、人類を増やすということだったんです。マイケルケイン演じるブランド教授(かつて、マシューマコノヒーが演じるクーパーが彼の下で働いていた)はこのプランBだけを、実は、計画していたということがわかります。このことはクーパーも、アンハサウエイ演じるブランド教授の娘アメリアにも知らしてはいなかったのです。でもこれは映画の後半で明らかとなります。

そもそも、この第2の地球さがしは10年前から行われており、12人がひろい宇宙に出て行っているのです。それは「ワームホール」が出てきたから、可能になったのです。でもこのワームホール、誰が造ったのか。映画のなかでは彼らと表現されていますが、それがあとになってわかってきます。

そして、12名のうち3人からメッセージが届くのです。一つ目の星に到達してみるとそこは海しかなく、しかも大津波がたくさん。救難信号は大破した宇宙船から送られたものだったのです。で、この星の1時間が地球の7年となるため、ここで、津波から脱出するために要した時間が地球の23年になってしまうのです。地球の環境はますます悪化してしまっています。ビデオメッセージでこの23年を表現していくあたり、すごくうまいです(笑)。

そして、次に行くべき星をどちらにするかというところで、アメリアが自分の恋人がいる星を選びたいというのですが、愛の力を信じるっていうことを言うのです。でも、この時点ではこの計画を指揮してきた「マン教授(マットデイモンが演じています)」のいる星の方が良いということになりそこに向かうのです。

マン教授は凍結睡眠状態で起こされるのです。マン教授はこの星は67時間の昼と67時間の夜があり、非常に気温が低く、大気にもアンモニアが多いが、地表には酸素の層もあり、居住に適するっていうのです。でも、その風景をみると「え~っ?」って感じを持って映画を観ていくと、やはり(笑)。



マン教授は助けに来た船を奪って逃げるつもりだったんです。クーパーを遠くまでおびき寄せて、ヘルメットを壊し殺そうとするのですが、なんとかアメリアに助けられます。アメリアとクーパーを乗せた船はマン教授を追います。宇宙ステーションにはいくつかの舟がついているんですね。

しかし、マン教授は船を盗み、宇宙ステーションとドッキングしようとます。でもロボットの機転で自動でのドッキングが不可能となり、手動でおこなうのですが、やはり失敗。無理にくっつけて、扉を開けてしまい、爆発。

制御不能の宇宙ステーションになんとか、クーパーがドッキングすることに成功します。

そして、ブラックホールの重力を利用して、アメリアの恋人のいる惑星にいくことにします。ですが、ここで、クーパーとロボットを乗せたそれぞれの舟を切り離し、アメリアだけを宇宙ステーションと一緒にいかせることになります。

クーパーとロボットの舟はブラックホールの中へ入っていくことになります。

ここで、前半の幽霊の話と、ワームホールを作ったのがだれかということが結びついていくことになります。

僕は物語の中盤くらいで、きっとあの幽霊はクーパーなのだと思っていきました。何かを娘に伝えるために未来から知らせるのだと。

重力と時間の話がいくつか出てくるので、5次元の世界ではそれが可能らしいのです。でもそれを解明するには、ブラックホールの中に入って、そのデータを解析する必要があることも、映画の中に出てくるのです。

なんとなく、わかってきましたよね(笑)。

ブラックホールの中に入ったクーパーは船が爆発するから、非常脱出を行います。そして、ブラックホールの中で、不思議な空間に入ります。それが5次元の世界で、娘の部屋が時間に沿って、つながっている世界なのです。

ロボットからの更新で、誰かがクーパー達を助けているといわれるのです。

クーパーは小さな時代の娘の姿を見つけて、なんとか自分を宇宙にいかせないようにメッセージを送ろうとします。



それが、あの幽霊になります。

そして、ロボットからブラックホールのデータを収集したことを聞き、そのデータをモールス信号にして、娘に伝えることを思うのです。自分が宇宙に行くときに、娘に置いて行った時計の秒針を動かすことによって。

33歳になっている娘は自分があの部屋で感じていたものが幽霊ではなく、自分の父親からのメッセージだと気づき(この娘だけは父親が必ずかえってくると信じています)、部屋に戻ってきます。そして、時計をみると秒針が小刻みに動いていることに気づいて、それがモールス信号だとわかるのです。

それを解読した娘は、そのデータをもとに重力をコントロールする方法を解明し、あらたな宇宙コロニーを作るというわけ。

クーパーはその信号を送ったあとに、その世界が崩れていくなかで、意識が無くなります。

目が覚めたクーパーは自分がどこにいるのかわかりません。病院のベッドにいるのですが。医者はここがスペースコロニーだと説明します。そして、それを作ったのが、娘のマーフィーだと知らされます。

マーフィーは解明した情報から、コロニーを作ることに成功したのです。

クーパーは娘に会いに行くのですが、娘はすでに100歳近くになっています。一方クーパーは出て行った年からさほど変化はしていません。

娘は父親に合えてうれしいが、娘の死に際をみることは無いと、父親に言うのです。そして、1人でいるアメリアのところにいくように促すのです。

つまり、未来の人間がワームホールを作り、過去の人間にブラックホールの重力を解明させるため、宇宙にいくことにさせていたということになります。宇宙人ではなく、未来の人間が助けていたのです。

そして、アメリアのもとにロボットと向かうクーパー。アメリアは恋人が亡くなっている地球に似た星にたたずむというラスト。


なかなか、良い話だと思うし、複雑なことをうまく観客に理解させていると思いました。

愛の力っていう古臭いことも、最新の科学と絡めてみると、なんか面白くなってしまうのも、人間ですね(笑)。

オーロラの彼方へっていう映画も、過去の父親から未来の子供へ無線で連絡しあうというのがテーマでした。なんかそれも思い出しました。


これは、機会があったら、また観たい作品です。


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