いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

千葉市動物公園 番外編 その8:スコールが嫌いなナマケモノ

2009-05-10 12:15:06 | 散策
腹がへって餌を捕りたいときに給餌場へ移動しますが、それ以外は木の枝にぶら下がって動かないフタユビナマケモノ(写真)。

熱帯雨林をイメージして造られたバードホールにフタユビナマケモノが3頭飼育されていることを知った初回は、ただ彼らの姿を探すだけでした。それでも、2頭は見つけてそれなりに写真が撮れたので帰宅します。

昨年8月26日に産まれた3代目の仔が公開されていることは2回目の撮影時に知って、飼育されている3頭のナマケモノの来歴を飼育係の方に聞きます。

身持ちの母親が来園し、半年後に出産した長女と千葉市動物公園に居た父親がペアリングした仔が産まれて死亡しています。それから、今回公開している仔が産まれたことなどが分かりました。

動物科学館には夜行性動物展示室があり、フタユビナマケモノはそこで飼育されていたのですが、狭い部屋よりは熱帯雨林地方を模したバードホールの方が住み心地がよいだろう、との判断で移転させます。結果として、第一仔は死亡しましたが、今回の繁殖に結びついたのでしょう。

バードホールでは、1日1回、午後2時15分からスコールを降らせます。
フタユビナマケモノは濡れることが嫌いで、スコールを浴びると動き出すから、彼らの姿を観察するチャンスがある。ホール内の案内板に書かれていたヒントを信じて訪れた2回目は、スコール時間帯に合わせて一人のカメラマンとホールで出会います。

彼は、フタユビナマケモノがここ数か月間に潜んでいる場所を熟知しており、彼らの動きをも予測してアドバイスしてくれたのです。しかし、スコールが降り始めてもフタユビナマケモノ達の移動は予測通りに運ばず、三代目が公開されている収穫だけで帰宅します。

なんとしても、フタユビナマケモノの姿を撮りたい気持ちは、強くなるばかり。
意を決して、5月9日に3回目の挑戦をすることに・・・。

最初の時に見付けた場所に2頭います。そこは、スコールが直に当たる範囲内なので、フタユビナマケモノは必ず動き出す。それも2頭ですから、気持ちは早くもワクワク、ルンルンですよ。
残りの1頭は、両親とは反対側にいます。先にスコールが降ったので移動するのを待ちますが、動きません。木の葉の間に垣間見える寝顔を撮っていたので諦めて、2頭の撮影に切り替えます。
2頭のフタユビナマケモノの周りに容赦ないスコールが降り始めます。
怠け者のイメージでシャッターチャンスを待っていると木の葉に顔が隠れてしまい次のチャンスを待つ結果になります。これでは駄目と判断してピントを取っては写し続けます。彼らの動きは、想像していたよりも早く、そして一回の移動量が大きいのには、驚きです。
写真の状態から左手を前に、右足を前に移動すると1回の移動になります。それは、右手と左手の距離に等しく、50~60cmくらいありますから・・・。
この写真や顔が写っている三代目の写真も撮れたので、3回目の挑戦に満足しての帰宅です。

フタユビナマケモノは夜行性であると書きました。
飼育係の方の話では、フタユビナマケモノの動きが多い時間帯があるとのことです。
それは、昼行性動物と夜行性動物が入れ替わる時間帯のようです。
太陽が地平線へ近づき夕焼けが起こり、太陽が地平線に沈んだ後に起こる、大気による太陽光の散乱によって薄明が見られ、マジックアワーとも呼ばれています。黄昏(たそがれ)、夕方などの言葉がありますし、民間信仰では、逢魔時(おおまがとき)とも言われている時間帯ですね。

反対に、日の出の時間帯にも同じような現象が起こり、山男達はローゼン・モルゲンと呼んでいます。ブルーアワーとも表現されています。また、トワイライトは、マジックアワーとローゼン・モルゲンの両方を表す言葉です。

フタユビナマケの達の取材と情報収集を通じて、人間のローゼン・モルゲンを描いた「銀嶺の果て」(監督:谷口千吉 脚本:黒澤明)と「ザ・マジックアワー」(監督・脚本:三谷幸喜)が結びつくなどの副産物が生まれ、予想外の収穫を得ました。フタユビナマケモノは怠け者ではないのです。



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