パールレースIRC総合優勝!(≧∇≦)

 7/27(金)スタートの朝。暫く食べられない炊きたてご飯の朝食をワシワシ食べて7:30宿を出発、8:30ドックアウト。いよいよ伝統の外洋レース・第48回パールレースの始まりです。伊豆諸島の利島を経由し180マイル先の江ノ島を目指します。


スタートラインは護衛艦<すおう>とアウターマーク(^_^;)。見通しは…取れません(-_-;)。

天気は晴れ!でも天気予報では初日は風が期待できそうにありません。まずは南東方向8.2マイル先の神ノ島を目指します。風は北寄りでポートの追っ手スタート。結構なバイアスのラインでみんなアウターに集中してきそう。Gaiaはややショートではあるけどアウター寄りからスタート。これから先長いのにみんな結構気合カツカツのスタートです。X旗も揚がります。

スタート直後にジェネカーアップ。気づくと鳴り物入りで日本にやって来た超有名エリート艇NYYC SWAN42<エスメラルダ>が頭を出してました。速ッ。それにかっくいい。同クラスのライバル艇なのに見とれてしまいます。そのままぐいぐいフリートを引っ張ります。Gaiaも大型艇と一緒にトップ集団を固めます。速いフネって素敵だー。

1時間位走ると、徐々に風がへろって来ました。頼りない南寄りの風が入ってきたのでジェノアアップ。四畳半ブローをうまく拾って走ったら、あら!まぁ!いつのまにかエスメ様の前。第1レグ神ノ島はななななんと2番手で回航。次はいよいよ気の遠くなるような第2レグ、利島までひたすら東へ走りつづける125マイルです。再びビッグジェネカーをアップ。風弱く潮も食らってます。暫くはこんな感じで単調で長ーーーいレグをガマンの走りです。ふー。夕方にやっっっっと大王埼。風はお日様の傾きとともに少ーしずつ西に振って行きましたが、夜通し弱い南西風が吹き続けるという予報どおりの展開で、日没過ぎても夜が明けるまでずっと240度~280度くらいの軽風(時に微風)が吹き続けました。


Gaia的にはラムラインから離れ過ぎない走りを心がけます。ジェネカーなのでジャイブの角度がどうしても深くなるけど、ラムから5マイル以上外れないように刻んで行き、できるだけ利島にヘディングを向ける、VMGを稼いで手堅くロス無く走る作戦です。マッキーの言うところの「負けない走り」?

ナビ担当のわたしはGPSのチェックやロールコール、気象情報ゲットのためしょっちゅうダウンビローするのですが、ん?なんだかキャビンに入るとトロピカル~な香りが…。実はちょっとした手違いがあり、バナナとプラムをダブルで買い込んでしまい大量に積み込むことになりました。なので今回のGaiaパールレースはフルーツ・バー付き。好きな時にフルーツ食べ放題!交代で仮眠とる時も南国ムード万点~。でも結局フィニッシュまでに大量のバナ~ナがご臨終を迎えてしまい水葬の儀を執り行うことに(-_-;)


夜の間、ラッキーレディーⅤ(以下LLV)と夜通し付かず離れずでねちっこく絡み合います~。彼らの話し声が聞こえるくらい近くで何度もミート。サイズ的に格上の相手だけど夜の間ずっと踏ん張って、食らいついて走ったのが大きかったです。そして夜明け前の最後のミートで「じゃあねバイバーイ」とスプリット。
明るくなっても暫くはガスっていて周りが見えませんでしたが、あとで航跡アニメを見ると、そのあとGaiaは一時トップに踊り出た場面があったみたいです。暫くして沖からココリン登場。だんだんイイ風になってくると本領発揮です。クロスして岸へ消えて行きました。速ッ!そして再びLLVとミート。これはうれしかったですね。もうとっくに行っちゃったと思ってたので。これで、自分たちが夜が明けてもかなりいい所を走っていることを確信します。

海穏やかで良かったことと言えば、夕飯にお湯入れて作るアルファ米の五目御飯を食べられたことですかね。思ったよりも美味しくてビックリ。でも一袋の量はお茶碗2杯分はありそうで、わたしとマッキーは食べきれません。なので今後ひもじくなった時にコソ食いするために、「隠しご飯」として秘密の場所に隠しておくことに。(犬かっ!)でもその後すっかり隠しご飯の存在を忘れ危うく腐らせるところだったんだけど。

日が高くなり御前崎を越えたあたりから、徐々に風があがってきました。これも前日からの予報どおりの展開。長い長いヒョロヒョロ風の時代はついに終わり、南西20ノットの風を受け、ここから先はビッグジェネカーで豪快なカッ飛びセーリングの始まりです。その後の展開は速かったです。GPSでヘディングが新島に向いてくると、島影は見えないけど伊豆七島の上に1つずつ雲がかかっているのが遠くからもよくわかります。ココリンは見えなくなりました。エスメラルダ、LLVらしき2艇も爆走してだんだん遠くに小さくなって行きます。今回スピンのないGaiaはアプローチで落としきれずにやや遅れをとりますが、ここが踏ん張りどころ。


間近で見る島々は雄大です~。"外洋"にやってきた感じ。

風は時折25~26ノットを示すようになりました。波も悪く、時にバウ沈。サーフィングするたびにサイドデッキにジェット水流が駆け抜ける豪快なセーリングが続きます。ピンポイントのジャイブで利島と鵜利根の間を狙いますが、巨大ジェネカーのイン取りジャイブを失敗したら絶体絶命のピンチになので、ここで安全策を取ります。まずビッグジェネカーをダウンして丸坊主でジャイブ、すかさずチビジェネカーアップ。なんとか成功。ホッ。


南西の風22ノット・チビジェネカーでも艇速13ノットでさーひんぐ!アドレナリン大放出!

15:00利島を回航し、残航50マイル。いよいよ最終レグ、江ノ島に向けて北上開始です。風はどんどん落ち傾向で定石どおりに夜には陸風に変わる予報。再びビッグジェネカーにチェンジ。なんとか夕凪に捕まらずにフィニッシュしたいところです。大島灯台の情報では風早はまだ20ノットの南西風。吹き降ろしを狙ってまずは大島の西端をギリギリかすめて、岡田の方まで回り込んで北上するコースを取ります。一旦落ちた風もまた息を吹きかえし、ちょ、ちょっと強すぎ?とビビるくらいの吹き降ろしを目イッパイ受け、潮も見方してくれて一気に三崎沖付近まで北上します。日が暮れてまた風は弱まりますが南西風が思いのほか頑張ってくれているのでまだまだジェネカーでぐいぐい引っ張ります。


で、陸風は突然やって来ました。慌ててジブアップしますが暫くは安定せず。ここで後ろから忍び寄ってきていた後続艇と並びます。もしかしてレーティングが下のX35ODか?!とビビリますが、Gaiaの巨大ジェネカーにスピンの爆走で追いついてきた事を冷静に考えれば、格上の大型艇に違いない…という結論となり、気を取り直して走ります。暫く江ノ島の方向から吹いていた風は、最後右に振れて東ぽくなりました。再びジェネカーアップ。無理無理ですが何とかジェネカーで江ノ島へ向けられる風。西へノックされる潮だったのでスピンの後続艇は結局のぼりきれずにジブアップしたようです。これで引き離すことができました。マストトップジェネカー様々~。

フィニッシュが近づいてきました。もうみんなずっと歯ぁ見せてます!ハンディGPSで残航をコールしながらノリノリの大騒ぎ。自衛隊の艦船<はしだて>からサーチライトで照らされます。ドキドキしてきました(^o^)。アウターとインナーマークを確認。 キャー!(≧∇≦) どうしよう! マッキー泣いちゃうかも!そしたらわたしも泣いちゃうかも~!念のため自分たちでもフィニッシュ時間をとっておこうと秒読みを開始。そしてプーがなりました。7月28日22:30ジャスト、所要時間36時間20分でフィニッシュです。会心のレースに全員から歓声あがります。ヤッター!!

帰着申告のため江ノ島へ入港すると、何やら大騒ぎしている集団が…。LLVチームです!歓声の中もやいを取って貰いました。聞けば彼らは三浦にとっついてから西寄りのコースを取ったIRCクラスの強豪エスメを最後の最後でブチ抜いたとのこと!(≧∇≦) すばらし~!クラスこそ違うけど、LLVはORCで、私たちGaiaもIRCでほぼ優勝を確信します。お互いハイタッチして健闘称え合い、ボルボオーシャンのワンツーフィニッシュみたいな騒ぎ(^_^;)
ファーストホームは外洋レースの猛者・松永兄妹乗り込むメルボルン大阪帰りの<ココリン>(Elliott 16m)、2着は僚艇<ラッキーレディー V>(SAYER 42)、3着<エスメラルダ>(NYYC Swan42)、そして4着<Gaia>(Sydney 36CR)です。最後まで粘って粘って食らいついて走り、夢みたいな勝利で、もうサイコー!

翌日の表彰式、会場に貼り出された成績表で改めてIRC総合優勝を確認。修正で2位に1時間以上の大差をつけて、パールレースで優勝なんて…ウルウル(T-T)。
ボート、メンバー、ヘルムス、クルーワーク、風、コース、モチベーション、全てが◎でした。この経験は、一生の宝物です。Gaiaのみなさんに感謝です!

★e-Yacht(どこでもヨットレース)の航跡はこちら
※参加艇の航跡や艇速がアニメーションで再現できます。
保存&セットアップして「E-Yacht」を起動。右下のSPEEDを目一杯早くするとサクサク見られます!

★レース結果はこちら
★LLVのパールレースレポート by LLV た
★「梅雨明けの青空の下、パールレース」by 毎日新聞動画ニュース
★「帆を広げ目指せ江ノ島パールレース」by asahi.com
★「30艇スタート・パールレース」by YOMIURI ONLINE

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