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189回国会閣72号議案(いわゆる平和安全法制)第三条の書き下し(後編)

2015-07-31 10:46:30 | 税金・納税者

2015年夏を騒がさせている平和安全法制既存法の改正案(衆議院 閣七二号議案)第三条による『周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律』改正案の第六条以降の改正案の書き下しです.

当該法律の第一条~第五条の書き下しは,こちら.

当ブログ記事『重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律』改正案

改正案を斜め読みしての疑問三つ.

1.これは,法律の改正ではなく,新法として審議すべきではないのか?


2.この法律は,従来の周辺自体を重要影響事態に概念を変更するのであるが,重要影響事態は,自衛隊法第六章第七十六条改正案による「防衛出動」に該当しない.よって,重要影響事態で可能になるのは,「後方支援活動」と「捜索活動(=戦闘などで不明になった自衛隊員の捜索であった,民間人の捜索ではない)」のみである.東アジアの現状を考えた時,この法律が,どのように抑止力になるのか,私にはわからない.


3.改正案第六条第四項において,後方支援活動実施区域が危なくなった,場所を移すとしている(これは,国会で,政府が,危険な場所で後方支援はしませんとしている根拠であろう)が,「危険になったので,逃げます」と言って,支援している他国の軍から「嘲笑」を受けないのであろうか?危なくなったのならば,重要影響事態から武力攻撃事態等及び存立危機事態に移行するようにしないと,国の不安全は増すのではなかろうか?なぜならば,重要影響事態に「地理的概念」は存在しないから,日本領海・領空の極近傍の公海上で発生したら,後方支援する自衛隊の活動場所は,日本領海・領空内になり得るからである.この,法律だけからは,重要影響事態と武力攻撃事態及び存立危機事態移行の手順がわからない.

 

周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律

第六条  防衛大臣又はその委任を受けた者は、基本計画に従い、第三条第二項の後方地域支後方支援活動としての自衛隊に属する物品の提供を実施するものとする。

 防衛大臣は、基本計画に従い、第三条第二項の後方地域支援後方支援活動としての自衛隊による役務の提供について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、防衛省の機関又は自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。

 防衛大臣は、前項の実施要項において、当該後方地域支援実施される必要のある役務の提供の具体的内容を考慮し、防衛省の機関又は自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該後方支援活動を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。

 防衛大臣は、実施区域の全部又は一部がこの法律又は基本計画に定められた要件を満たさないものとなったにおいて、自衛隊の部隊等が第三条第二項の後方支援活動を円滑かつ安全に実施することが困難であると認める場合又は外国の領域で実施する当該後方支援活動についての第二条第四項の同意が存在しなくなったと認める場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。

 第三条第二項の後方地域支援後方支援活動のうち公海又はその上空における輸送我が国の領域外におけるものの実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該輸送当該後方支援活動を実施している場所の近傍又はその近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合又は付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該輸送の実施を一時休止するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、前項の規定による措置を待つものとする。

 第二項の規定は、同項の実施要項の変更(第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。

 

後方地域捜索救助活動捜索救助活動の実施等)

第七条  防衛大臣は、基本計画に従い、後方地域捜索救助活動捜索救助活動について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。

 防衛大臣は、前項の実施要項において、当該後方地域捜索救助活動実施される必要のある捜索救助活動の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該捜索救助活動実施される必要のある捜索救助活動を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。

 後方地域捜索救助活動捜索救助活動を実施する場合において、戦闘参加者以外の遭難者が在るときは、これを救助するものとする。

 後方地域捜索救助活動を実施する場合において、実施区域に隣接する外国の領海に在る遭難者を認めたときは、当該外国の同意を得て、当該遭難者の救助を行うことができる。ただし、当該海域において、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、当該活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる場合に限る。

 前条第四項の規定は実施区域、実施区域の指定の変更及び活動の中断について、同条第五項の規定は後方地域捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者について準用する。

5 前条第五項の規定は、我が国の領域外における捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者について準用する。この場合において、同項中「前項」とあるのは、「次条第四項において準用する前項」と読み替えるものとする。

 6 前項において準用する前条第五項の規定にかかわらず、既に遭難者が発見され、自衛隊の部隊等がその救助を開始しているときは、当該部隊等の安全が確保される限り、当該遭難者に係る捜索救助活動を継続することができる。

 第一項の規定は、同項の実施要項の変更(前項第四項において準用する前条第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。

 前条の規定は、後方地域捜索救助活動捜索救助活動の実施に伴う第三条第三項後段の後方地域支援後方支援活動について準用する。

 

(関係行政機関による対応措置の実施)

第八条  前二条に定めるもののほか、防衛大臣及びその他の関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、対応措置を実施するものとする。

 

(国以外の者による協力等)

第九条  関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる。

 前項に定めるもののほか、関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる。

 政府は、前二項の規定により協力を求められ又は協力を依頼された国以外の者が、その協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

 

(国会への報告)

第十条  内閣総理大臣は、次の各号に掲げる事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならない。

 基本計画の決定又は変更があったときは、その内容

 基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果

 

(武器の使用)

第十一条  第六条第二項(第七条第七項第七条第八項において準用する場合を含む。第五項及び第六項において同じ。)の規定により後方地域支援後方支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、又は第七条第一項の規定により捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、その職務を行うに際し、自己又は自己と共に当該職務に従事する自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第六項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器(自衛隊が外国の領域で当該後方支援活動又は当該捜索救助活動を実施している場合については、第四条第二項第三号ニ又は第四号ニの規定により基本計画に定める装備に該当するものに限る。以下この条において同じ。)を使用することができる。

 第七条第一項の規定により後方地域捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、遭難者の救助の職務を行うに際し、自己又は自己と共に当該職務に従事する者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。

2 前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。

3 第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。

 前二項第一項の規定による武器の使用に際しては、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十六条 又は第三十七条 に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

5 第六条第二項の規定により後方支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、又は第七条第一項の規定により捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、外国の領域に設けられた当該部隊等の宿営する宿営地(宿営のために使用する区域であって、囲障が設置されることにより他と区別されるものをいう。以下この項において同じ。)であって合衆国軍隊等の要員が共に宿営するものに対する攻撃があった場合において、当該宿営地以外にその近傍に自衛隊の部隊等の安全を確保することができる場所がないときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、第一項の規定による武器の使用をすることができる。この場合において、同項から第三項まで及び次項の規定の適用については、第一項中「現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第六項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」とあるのは「その宿営する宿営地(第五項に規定する宿営地をいう。次項及び第三項において同じ。)に所在する者」と、「その事態」とあるのは「第五項に規定する合衆国軍隊等の要員による措置の状況をも踏まえ、その事態」と、第二項及び第三項中「現場」とあるのは「宿営地」と、次項中「自衛隊員」とあるのは「自衛隊員(同法第二条第五項に規定する隊員をいう。)」とする。

 6 自衛隊法第九十六条第三項の規定は、第六条第二項の規定により後方支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、又は第七条第一項の規定により捜索救助活動(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官については、自衛隊員以外の者の犯した犯罪に関しては適用しない。

 

(政令への委任)

第十二条  この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

 

 

 

 

別表第一 (第三条関係)

 

種類

内容

補給

給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

輸送

人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

修理及び整備

修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

医療

傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

通信

通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

空港及び港湾業務

航空機の離発着及び船舶の出入港に対する支援、積卸作業並びにこれらに類する物品及び役務の提供

基地業務

廃棄物の収集及び処理、給電並びにこれらに類する物品及び役務の提供

宿泊

宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

保管

倉庫における一時保管、保管容器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

施設の利用

土地又は建物の一時的な利用並びにこれらに類する物品及び役務の提供

訓練業務

訓練に必要な指導員の派遣、訓練用器材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

備考

 一 物品の提供には、武器(弾薬を含む。)の提供を含まないものとする。

 二 物品及び役務の提供には、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を含まないものとする。

 三 物品及び役務の提供は、公海及びその上空で行われる輸送(傷病者の輸送中に行われる医療を含む。)を除き、我が国領域において行われるものとする。

備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。

 

 

別表第二 (第三条関係)

 

種類

内容

補給

給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

輸送

人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

修理及び整備

修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

医療

傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

通信

通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

宿泊

宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

消毒

消毒、消毒機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

備考

 一 物品の提供には、武器(弾薬を含む。)の提供を含まないものとする。

 二 物品及び役務の提供には、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を含まないものとする。

備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。


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