『税と社会保障の一体改革』とかで消費税率を上げるのだという。閣議決定が2012年3月30日になされた。
消費税率アップについては、大新聞(知っている限り日経新聞と朝日新聞)は賛成しいている。 朝日新聞の賛意は、社会保障費給付の安定化のためであるとなっている(2012年3月31日 社説)。
日経新聞は著作権の問題があるかもしれないが、社説を引用する。同じく2012年3月31日付けである。
『社説
首相はぶれずに突き進め
政府が消費増税関連法案を閣議決定した。連立を組む国民新党が分裂状態に陥るなどの混乱が生じているが、野田佳彦首相はぶれることなく、法案成立に突き進んでもらいたい。
国民新党の亀井静香代表は関連法案に反対する立場から、野田首相に連立を解消する意向を伝えた。しかし同党の自見庄三郎金融相は法案の閣議決定に署名し、下地幹郎幹事長らとともに連立を維持する考えを示している。
8人いる国民新党議員の多くは亀井氏に同調せずに、連立に残る見通しだ。このため首相の政権運営への影響は小さいとみられる。
亀井氏は一貫して消費増税に反対してきた。最重要政策で見解を異にする以上、連立政権から離れるのは当然だ。国民新党内の亀裂が決定的になったことを踏まえ、分党や解党などの形で事態収拾を急ぐ必要がある。
民主党では、消費増税に反対する小沢一郎元代表に近い議員の間で政務三役などの集団辞任論が浮かび、黄川田徹総務副大臣らが辞表を提出した。ただ、これに慎重な議員もいて一枚岩ではない。
政府が閣議決定したこれほどの重要法案に反対なのに、政務三役などを辞めないのはおかしい。むしろ度重なる機関決定に異を唱え続けるなら、役職辞任にとどまらずに、離党するのが筋である。
何度も繰り返される民主党の内紛劇や、今回の国民新党のお家騒動は、既成政党への信頼感を著しく損ねた。法案成立のかぎを握る自民党も百家争鳴状態で、対応が定まらない。
有権者の政治不信は深刻だが、政策を中心に離合集散が進んでいくとすれば、それは政党を立て直す契機となろう。
首相は30日の記者会見で「政局でなく大局に立つなら、政策のスクラムを組むのは十分可能だ」と述べ、野党に協力を求める考えを示した。「決められない政治」から脱却できるかどうかの正念場である。与野党はそうした危機感をもって審議に臨んでほしい。』
さて、なぜ、私が消費税率アップに反対なのか?理由は二つである。
1.消費税は社会保障費に使うことになっているそうであるが、一体どんな社会保障制度にするのかと言う議論がなされないまま、消費税率アップだけが先行している。さらに、税収増が必要なのであれば、2014年度からなどと暢気なことを言わずに、今年からでもあげるべきなのに、それをしない。危機的ならば、今すぐにでもすべきである。あえてモラトリアム期間を設けていることに、疑問を持たざるを得ない。
2.消費税率アップの直接的理由は社会保障費の増加である。しかし、その根本的原因は、税収減と多分、社会保険料収入の減少である。これらは、10年前には予見できたのに、行政府と立法府は無策で通した。今も、無策のままである。その無策に金を搾り取られるかと思うと、感情的に悔しくて仕方が無い。
データを見て行こう。
まず、社会保障費給付金の推移である。 これは、厚生労働省のHPが見つけてきた。
このデータを見る限り、1970年以降、社会保障費が一様増加している。これが少子高齢化でさらに増えるというのが、政府の言うところである。
社会保障給付金の負担の状況を見てみよう。同様に厚生労働省のHPで見つけたものである。
政府の言う消費税を社会保障費に充当するというのは、このデータで一般歳出の半分が社会保障費だからという論理であろう。
ついでに、厚労省のデータを付しておく。考察はあとで考える。
さて、それでは、歳入はどうなっていたかである。これは、財務省のHPから見つけてきた。まず、公債残額推移(国債残高推移)。
明らかに、平成6年(1994年)から、一気に特例国債残高(赤字国債残高)が増えている。平成21年度からは、増加率が大きくなっているのは、政権が自民党から民主党にかわったからであろうか? それにしても、毎年予算を組み、論議しているならば、もっとはやく手を打てたはずである。 それを端的に示すのが次のデータである。このデータも財務省のHPに行けばみつけることができる。
税収は1991年がピークであり、それ以降ほぼ一様減少している。 つまり失われた20年である。 それを、古い経済学を基に、財政投融資で赤字国債を発行し続けて、『いつかは税収が上がるから』として、無策を通してきたことをこのデータは語っている。
政治家もしくは官僚がもっと頭を使って、日本の財政のあり方、税収増の取り組み、もっと言えば、日本の経済構造改革を早くしておけば、今のような状況には生らなかったはずなのである。 まさしく『無為無策』と言う言葉が適切であろうと思う。
さらに、日本の国の資産と言うのも財務省のHPで見つけることができる。あきれたことに、国を全部売り払っても101兆円しかない。
これが何を意味するか、赤字国債は価値あるものに投資されずに、それこそ、無為徒食に使われたと言うことである。
何かを変えるのであれば、『けじめ』が必要である。
消費税率を云々する前に、過去の政治の失敗を認めて、反省し、そこから教訓を導き、そして、短期と中長期の対策を考える。 そして、未来を見据えた上で、税や社会保障費をどうするかの議論をすべきである。
『将来のことはこれから考えるから、金だけ先にくれ』と、言うのは、民間では『やらずぼったくり』といわれて、税務署の監査が入ると、指摘事項になり、最悪は脱税といわれかねないことに相当する。
では、どうすればいいか。
民主党がどうなろうと、国民新党がどうなろうと、自民党がどうなろうと関係ない。 未来へのディベートを公式にすべきである。『公式なディベート』とは『総選挙』以外には無い。
未来の選択を国民にさせるべきである。 中長期の未来が描けないのであれば、短期的なその場しのぎのことでも、総選挙を実施した上で、現行の歳出構造を維持して増税すべきか、社会保障給付金を減らしてでも増税しないかの選択を国民にさせるべきである。
加えて、増税による社会保障の給付は、すでに年金を受給している、もしくは、もうする受給する人たちのためではなくて、未来を生きる人たち、つまり若い人たちの希望となる社会保障給付であるべきである。 今の制度では、単に、若者よ老人を食わせてくれと言う制度でしかない。民主党の案だって、基本的には変わらない。
未来につながる改革でなければ、また無駄にお金が使われるだけである。 若者のためにお金が使われるべきである。年寄りのためではない。 ちなみに私はもうすぐ50歳である。 若いとはすでに思っていない。
消費税率アップについては、大新聞(知っている限り日経新聞と朝日新聞)は賛成しいている。 朝日新聞の賛意は、社会保障費給付の安定化のためであるとなっている(2012年3月31日 社説)。
日経新聞は著作権の問題があるかもしれないが、社説を引用する。同じく2012年3月31日付けである。
『社説
首相はぶれずに突き進め
政府が消費増税関連法案を閣議決定した。連立を組む国民新党が分裂状態に陥るなどの混乱が生じているが、野田佳彦首相はぶれることなく、法案成立に突き進んでもらいたい。
国民新党の亀井静香代表は関連法案に反対する立場から、野田首相に連立を解消する意向を伝えた。しかし同党の自見庄三郎金融相は法案の閣議決定に署名し、下地幹郎幹事長らとともに連立を維持する考えを示している。
8人いる国民新党議員の多くは亀井氏に同調せずに、連立に残る見通しだ。このため首相の政権運営への影響は小さいとみられる。
亀井氏は一貫して消費増税に反対してきた。最重要政策で見解を異にする以上、連立政権から離れるのは当然だ。国民新党内の亀裂が決定的になったことを踏まえ、分党や解党などの形で事態収拾を急ぐ必要がある。
民主党では、消費増税に反対する小沢一郎元代表に近い議員の間で政務三役などの集団辞任論が浮かび、黄川田徹総務副大臣らが辞表を提出した。ただ、これに慎重な議員もいて一枚岩ではない。
政府が閣議決定したこれほどの重要法案に反対なのに、政務三役などを辞めないのはおかしい。むしろ度重なる機関決定に異を唱え続けるなら、役職辞任にとどまらずに、離党するのが筋である。
何度も繰り返される民主党の内紛劇や、今回の国民新党のお家騒動は、既成政党への信頼感を著しく損ねた。法案成立のかぎを握る自民党も百家争鳴状態で、対応が定まらない。
有権者の政治不信は深刻だが、政策を中心に離合集散が進んでいくとすれば、それは政党を立て直す契機となろう。
首相は30日の記者会見で「政局でなく大局に立つなら、政策のスクラムを組むのは十分可能だ」と述べ、野党に協力を求める考えを示した。「決められない政治」から脱却できるかどうかの正念場である。与野党はそうした危機感をもって審議に臨んでほしい。』
さて、なぜ、私が消費税率アップに反対なのか?理由は二つである。
1.消費税は社会保障費に使うことになっているそうであるが、一体どんな社会保障制度にするのかと言う議論がなされないまま、消費税率アップだけが先行している。さらに、税収増が必要なのであれば、2014年度からなどと暢気なことを言わずに、今年からでもあげるべきなのに、それをしない。危機的ならば、今すぐにでもすべきである。あえてモラトリアム期間を設けていることに、疑問を持たざるを得ない。
2.消費税率アップの直接的理由は社会保障費の増加である。しかし、その根本的原因は、税収減と多分、社会保険料収入の減少である。これらは、10年前には予見できたのに、行政府と立法府は無策で通した。今も、無策のままである。その無策に金を搾り取られるかと思うと、感情的に悔しくて仕方が無い。
データを見て行こう。
まず、社会保障費給付金の推移である。 これは、厚生労働省のHPが見つけてきた。
このデータを見る限り、1970年以降、社会保障費が一様増加している。これが少子高齢化でさらに増えるというのが、政府の言うところである。
社会保障給付金の負担の状況を見てみよう。同様に厚生労働省のHPで見つけたものである。
政府の言う消費税を社会保障費に充当するというのは、このデータで一般歳出の半分が社会保障費だからという論理であろう。
ついでに、厚労省のデータを付しておく。考察はあとで考える。
さて、それでは、歳入はどうなっていたかである。これは、財務省のHPから見つけてきた。まず、公債残額推移(国債残高推移)。
明らかに、平成6年(1994年)から、一気に特例国債残高(赤字国債残高)が増えている。平成21年度からは、増加率が大きくなっているのは、政権が自民党から民主党にかわったからであろうか? それにしても、毎年予算を組み、論議しているならば、もっとはやく手を打てたはずである。 それを端的に示すのが次のデータである。このデータも財務省のHPに行けばみつけることができる。
税収は1991年がピークであり、それ以降ほぼ一様減少している。 つまり失われた20年である。 それを、古い経済学を基に、財政投融資で赤字国債を発行し続けて、『いつかは税収が上がるから』として、無策を通してきたことをこのデータは語っている。
政治家もしくは官僚がもっと頭を使って、日本の財政のあり方、税収増の取り組み、もっと言えば、日本の経済構造改革を早くしておけば、今のような状況には生らなかったはずなのである。 まさしく『無為無策』と言う言葉が適切であろうと思う。
さらに、日本の国の資産と言うのも財務省のHPで見つけることができる。あきれたことに、国を全部売り払っても101兆円しかない。
これが何を意味するか、赤字国債は価値あるものに投資されずに、それこそ、無為徒食に使われたと言うことである。
何かを変えるのであれば、『けじめ』が必要である。
消費税率を云々する前に、過去の政治の失敗を認めて、反省し、そこから教訓を導き、そして、短期と中長期の対策を考える。 そして、未来を見据えた上で、税や社会保障費をどうするかの議論をすべきである。
『将来のことはこれから考えるから、金だけ先にくれ』と、言うのは、民間では『やらずぼったくり』といわれて、税務署の監査が入ると、指摘事項になり、最悪は脱税といわれかねないことに相当する。
では、どうすればいいか。
民主党がどうなろうと、国民新党がどうなろうと、自民党がどうなろうと関係ない。 未来へのディベートを公式にすべきである。『公式なディベート』とは『総選挙』以外には無い。
未来の選択を国民にさせるべきである。 中長期の未来が描けないのであれば、短期的なその場しのぎのことでも、総選挙を実施した上で、現行の歳出構造を維持して増税すべきか、社会保障給付金を減らしてでも増税しないかの選択を国民にさせるべきである。
加えて、増税による社会保障の給付は、すでに年金を受給している、もしくは、もうする受給する人たちのためではなくて、未来を生きる人たち、つまり若い人たちの希望となる社会保障給付であるべきである。 今の制度では、単に、若者よ老人を食わせてくれと言う制度でしかない。民主党の案だって、基本的には変わらない。
未来につながる改革でなければ、また無駄にお金が使われるだけである。 若者のためにお金が使われるべきである。年寄りのためではない。 ちなみに私はもうすぐ50歳である。 若いとはすでに思っていない。
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