香港徒然草

働く元駐妻の香港雑記。うまいもの、ホテル・観光情報を中心にマカオ・南部中国・アジアの情報もお届けします。

香港徒然草67:香港と風水

2006年01月04日 22時53分34秒 | 【香港】風水・縁起


あけましておめでとうございます。

今年はじめての徒然草は風水の話題をお届けします。

新年になると福を呼び込むためのインテリアなどをいろいろ変えたりする方もいるかと思います。
香港でも新しい年(=旧正月からスタート)に向けて、その年の運気を基に、風水を重視したインテリアを変えたりしています。
最近では少なくなりつつありますが、それでも新年には風水師がオフィスに来て、いろいろ指示をしてゆくといった風景も香港ではごく普通に見られます。

しかしながら、香港でいう風水は日本ではやっている「お金を貯めるには、西に黄色」といったDr.某氏のように万人に対して画一的なものではありません。
日本のDr.某氏のは「風水占い」だと個人的には思っています。

では、風水とは何か?というと

迷信でも宗教でもなく、

地理学であり、環境学であり、

自然と人間が共生する為の技術だということができます。

古代より、中国では都を選定するうえで、山の配置や川の流れなどすべてがバランス良く配置された地域を選んできました。山があればいい、川があればいいというのではなく、すべてはバランスが取れている事が重要なのです。
バランスは安定を生み、繁栄をもたらすからです。
その上で重要視された考え方が「風水」であり、風水が地理学、環境学といわれるゆえんはこの辺りにあります。

中国伝統風水の考え方では自然界の万物は「陰」「陽」に分けることができ、「木、火、土、金、水」の5つの気のエネルギーを重視してゆきます。

さらに、住宅や生活環境を見る「陽宅風水」とお墓の鑑定に使う「陰宅風水」に分けることができます。
陰宅風水は陽宅風水よりも複雑な為、鑑定方法を知っている人が少なく、それゆえに陰宅風水の方がなにやら魑魅魍魎とした感じがありますが、香港でも比較的生活に根付いているのは「陽宅風水」の方の考え方です。
ですので基本的には中国伝統風水の中でも陽宅風水を指して「風水」と捉えるのが一般的です。

中国伝統風水にも流派がいくつかあり、主に形成学派、八宅派、玄空派などに分れており、流派によって多少の違いはあるものの依然として「風水」が地理学、環境学であることには変わりありません。

ちなみに、オフィスに来る風水師はそこにいるスタッフの生年月日と名前を聞いたのち、それぞれの気のエレメント(性質)にあったアドバイスをしてゆきます。
アドバイスは人によって違い、魔よけの石を置かれる人、席を替えてもらうほうがいいといわれる人など様々です。

気になる鑑定料はHK$300~上は限度がなく、風水師の有名度と、みるオフィスや住宅の広さなどによって異なります。
最近では香港のみならず、日本のマスコミにも登場している、イケメン風水師(この言い方どうにかなりませんかね?)と言われる楊天命氏が知名度が高く、荒稼ぎをしてます(苦笑)。

香港では、風水に基づいて建てられた建物は多くあり、有名どころでは、ペニンシュラホテル、レパルスベイマンション、セントラルにある香港上海銀行のビルと中国銀行のビルなどがあります。
これについては機会をみて、ご紹介してゆきたいと思います。

香港の風水事情についてさらに詳し知りたい方は、荒俣宏氏の「風水先生」(集英社文庫)がおすすめです。
江戸や京都などがいかに風水に基づいて建設されていたかなどを検証しているのですが、実際に香港の風水スポットを羅盤を用いて風水師と一緒に検証したりもしています。一風変わった香港ガイド本としても読みごたえ十分です。
(比較的古い本なので書店で探すのが難しいのが難点ですが、amazonなどを使えば比較的簡単に入手ができます。)

風水先生?地相占術の驚異amasso!


今年も昨年に引き続き徒然草をどうぞよろしくお願いいたします。

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