べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

「大造じいさんとガン」を読もう(3)|「記号選択しか書けません…」

2010年10月20日 | 国語
 国語のテストの解答は、あなたが考え出すものではありません。筆者の考えを"探す"ものです。前回はこちら

「記号選択(せんたく)しか書けません…」

 記述(きじゅつ)問題が書けない。テストで点数がとれない理由の一つです。これには、二つの場合が考えられます。

(1)記号で選ぶ記号選択が、あっていたりまちがっていたり

 学校で学ぶ国語は、相手の考えを正確に理解し自分の考えを正確に伝える、"対話"のための訓練です。毎日使うことばで、だいたいわかるのは当たり前なので、正確な"対話"ができることまで求められます。

 漢字やことばの意味は、その土台になります。また、音読してもらうと読みとばしていたり、ことばの意味を調べなかったり、だいたいわかるで済ませているひとがいます。

「国語は勉強しなくてもわかるよ」
まず音読、ほんとうに読めてますか?


(2)記号選択はすべてとれるが、文章で答える記述が書けない

 まずは書くこと。書いてみなければ、いつまでも出来るようにはなりません。「次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。」なので、答えとヒントは本文と問いに必ず書いてあります。感想文ではありませんから、あなたはその答えを"探す"だけです。記述でも、ぬき出し問題は書けるはず。

「だいたいわかるけど、点数は…」


 次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。

 残雪(ざんせつ)は、大造(だいぞう)じいさんのおりの中で、ひと冬を越しました。春になると、そのむねのきずも治り、体力も元のようになりました。

 ある晴れた春の朝でした。

 じいさんは、おりのふたをいっぱいに開けてやりました。
 残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が、
 バシッ。
 快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。
 らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。
「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」大造じいさんは、花の下に立って、こう大きな声でガンに呼びかけました。そうして、残雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。

 いつまでも、いつまでも、見守っていました。

大造じいさんとガン』椋鳩十(むく・はとじゅう)

[問題]
たとえを使って情景がえがかれている一文を、文章中からぬき出しなさい。


 文章中から探すだけですね。ぬき出しは必ずとけます。たとえ・情景・一文…ことばの意味は正確に言えますか?ことばの意味を正確に知れば、答えは自然に見つかります。書き出しましょう。

 続きます。(塾長)


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