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恵庭の彫像-3,恵庭市立図書館にある山名常人「進取の像」と「中村矢一」彫金2点

2014-10-07 08:52:21 | 恵庭散歩<記念碑・野外彫像・神社仏閣・歴史>

前回に引き続き,恵庭市立図書館(恵み野西5丁目)にある彫刻を紹介する。山名常人の「進取の像」と中村矢一の彫金2点(「望」「はるかぜ」)である。恵庭図書館は平成4年(1992)に完成し,それを機に設置されたモニュメントである。

◆山名常人作品「進取の像」

恵庭市立図書館のエントランス左手に,少年少女の像が見える。兄妹なのか,仲良しの友達なのか,少女が指さす彼方を二人で見上げている。「進取の像」と題されているので,自ら進んで取り組む姿勢,少年少女の探究心を表現しているのだろう。指さす先が図書館であるのも,本の街を標榜する恵庭市の図書館に置くにふさわしい彫像だ。若手経営者らの団体「恵庭三四会」(昭和52年結成)が寄贈したもので,平成4年(1992)7月建立とある。高さ1m20cmほどのブロンズ。

作者は誰なのか? 台座に刻まれた文字はT.Yamanaと読み取れるが・・・。同図書館のTさんに尋ねたら,「山名常人」だとご教示頂いた。山名常人と言えば,肖像彫刻を主体に具象,抽象,仏像彫刻など多数の作品を世に残した著名な彫刻家ではないか。

作者「山名常人」は,明治43年(1910)長野県飯田市滝江に生まれる。東京高等工芸学部彫刻部卒業,同年構造社展に初出品で入選。新構造社結成に参加し,多数の肖像彫刻に励む。ニコンに勤務しステレオ写真彫像を研究。戦後は美術教師を勤めた後,洗足商事株式会社に入社。彫刻家及び経営者として活躍。池田隼人首相夫妻,佐藤栄作首相夫妻,福田赳夫首相の胸像製作。大石内蔵助立像(赤穂御崎),福沢諭吉像(慶大日吉キャンパス),雪舟禅師立像(雪舟記念館),柿本人麻呂像(柿本神社),樋口一葉像(樋口一葉記念館)など多数の作品を残した。平成5年(2005)逝去。(参照:作者経歴は洗足商事株式会社HPを参考にした)

 

◆中村矢一作品「望」

恵庭市立図書館の庭はローンが広がり,燦々とした陽射しが眩しい。その一角に,鉄製のモニュメントがある。L字型の柱は,相互に角を中心に向けて,それぞれの高さで天を突く剣先のよう伸びている。それは,あたかも燃え上がる炎のように,青空を背景に聳える山頂のように,希望溢れる若者の強い意志を象徴するように見えなくもない。高さは3m50cm程あろうか。金工彫刻家,中村矢一の作品である。制作は,平成4年(1992)7月9日とある。

 

◆中村矢一作品「はるかぜ」

恵庭市立図書館に入ると,エントランスの壁にレリーフが飾られている。こちらも,金工彫刻家中村矢一の作品。説明板には「昭和49年(1974)第60回光風会展出品,寄贈」とある。作者特有の曲線が醸し出す造形は美しい。

作者「中村矢一」は,昭和6年(1931)3月9日生れ。北海道学芸大学で畠山三代喜に学び,光風会北海道支部の幹事・審査員等。月寒高校など教職の傍ら,光風会・道展会員の金工作家として活躍した。平成20年(2008)逝去。流れるような曲線表現の彫金の評価が高い。「牧歌」(豊平市民会館),「北の旅(拓く)」など多数の作品がある。

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