昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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外宮 北御門前に立つ80年前のコンクリート電柱

2009年07月06日 | 近畿地方の旅
伊勢神宮 外宮の参拝を終え、別宮「月夜見宮」へ向いました。


北御門前から「月夜見宮」へ向かう最初の横断歩道を渡った舗道の脇で、少し古そうな電柱を見つけました。

電柱の横には案内板があり、昭和三年に両陛下の伊勢神宮ご参拝に備えて作られ、記念に1本だけ保存されているものだそうです。



案内板によるとこのコンクリート製電柱は、80年前の電話ケーブル用で、塗られているペンキの一部がはげ落ち、長い歳月が感じさせられます。

23本の電柱が建設されたのは、内宮の宇治橋から宇治蒲田町交差点(猿田彦神社付近)まで600mの道沿いにあったとされていますが、外宮前のこの場所には保存のため移設されたと思われます。

良く見ると電柱の立っている場所は、道路脇の私有地のようです。

すぐそばにNTTがあり、その関係でこの場所が選ばれたのでしょうか。

電柱が作られた昭和3年は、金融恐慌の始まった翌年でしたが、このモダンな電柱は、参拝者や、町の人々の心を明るくするものだったと思われます。

■舗道の脇にあった「コンクリート電柱」の案内板を転記します。
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昭和の歴史とともに歩んだコンクリート電柱
昭和三年に昭和天皇ご即位の大典が京都でとり行われ、同年十一月には、両陛下が伊勢神宮にご参拝されました。
これにあわせて、皇大神宮(内宮)宇治橋付近から宇治蒲田町交差点までの間、(通称おはらい町通り)約六百mに、通信ケーブル架渉用にコンクリート電柱二十三本が建設されました。
電柱は足場組立装置により現場において施工したもので、ホーロー引の番号札が取り付けられていました。
これらの電柱も、古い歴史を持つおはらい町の再開発計画(町並保存)の一環として、電話線の地中化が行われることとなり、平成四年十月に全て取り除かれました。
この電柱はその内の一本で、昭和初期としては非常に数少ないコンクリート電柱であることから、ここに保存のこととしました。
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ちなみに日本最古のコンクリート電柱は、北海道の函館港にあり、この電柱が出来た約5年前の大正12年に造られたようです。

8月上旬予定の函館旅行の下調べで知ったものです。

幾度も火災に遭っている函館の街の知恵か、送電用に鉄筋コンクリートで造られ、未だ現役で立っているようです。

電柱の断面が四角で、上が細くなった珍しい角錐形だそうで、是非見たいと思っています。

函館の送電用の電柱と違い、伊勢の電柱は、通信ケーブル用で、もしかして日本最古の電信用コンクリート電柱かも知れませんね。


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