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聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
レインラン6 雨の日のアクセル・ブレーキ(ブレーキ編)
雨の日のライテク、実践編。
雨の日のアクセルワーク、ブレーキのかけ方についての具体的な説明です。
まずは大事な大事なアタックチャーンス!じゃなくって、ブレーキングから。
だいぶ前になりましたが、ポイントのみを4つ挙げました。
ブレーキ編
1 制動開始はもっと早くから。
2 ブレーキは一秒かけて徐々に強める。
3 2の操作をすれば、雨のブレーキはもっと強くかけられる。
4 滑ったらわずかに緩める、手動ABSを作動させよ。
どれも私のオリジナルではなく、言い尽くされた感もあるものですが、私なりにまとめてみたいと思います。
1 制動開始はもっと早くから。
まあ、これはいわずもがな、雨の日は路面の摩擦係数が下がり、同じようにブレーキをかけても、制動距離が伸びる。だから早めのブレーキ、という訳ですな。
しかし、この意味・または効果をもう少し実際に即して考えてみたいのです。
この「もっと」早くからというのは、晴れの日よりもではなく、雨の日だからこれくらいから、と考えている開始ポイントよりもさらにもっと早くからブレーキングを開始せよ。という意味なのです。
雨の日のブレーキングに慣れると、思いの外強くブレーキングできるし、制動距離も実はイメージよりも短くできるのですが、多くの場合はスリップへの恐怖とタイヤのグリップ感の希薄さから、限界のかなり手前までの弱いブレーキングしかできないのが、実際のケースとしては多いのです。
だから、初期に強いブレーキングができず、このままでは止まりきれない!という恐怖でブレーキングの後半にぎゅううううっとブレーキを強めざるを得なくなる。そしてその恐怖が記憶に染み付いていよいよ雨の日が嫌になる…。
「もっと早く」、
バカじゃないかってくらい早くからブレーキを開始して、早めに速度を落とし、ブレーキ後半はブレーキングをどんどん緩めていくようにまずはブレーキングをプランすることから始めることが大事だと思います。
雨のブレーキが苦手という人ほど、ブレーキレバーを引ききれないまま走ってしまい、後半に行くほど強くせざるを得なくなるようなかけ方になっている傾向があります。
形式的な安全運転標語みたいですが、もっと早くかけはじめる。この余裕は全ての操作を楽にし、安全を確保してくれるのは事実。
まずはここから始めてみてください。
2 ブレーキは一秒かけて徐々に強める。
ブレーキを掛けると一般的なディスクブレーキの場合はパッドがディスクを挟んで摩擦抵抗を生むのですが、雨の日の場合、最初にパッドがディスクに触れるときに、パッドとディスクの間に水膜ができてしまうことが多くあります。
これはブレーキが利かない状態で、あわてたライダーがパニックになりギュッと握りこんだ時にディスクの水膜が切れ、強いブレーキ力をいきなり生んで、今度はタイヤと路面がグリップしきれずに足元を救われるように一気にフロントから転倒…。
この転倒は私も過去に1回のみならず喫していまして、恥ずかしい限りです…。
雨の日のブレーキングでは、まずディスクの水膜をパッドを軽く当てて飛ばしておいて、そこから本格的な制動に入るのが安全です。
その時間は別に1秒と決まっているわけではありません。(そんなにかからないことが圧倒的に多いです。)
しかし、だいたい「い~ち」と数えるくらいのタイミングでじわじわと強くしていくと、水膜も切れ、パニックからの急な握りこみも避けられて、安定したブレーキングに移れるはずです。
そう、「もっと早く」かけ始める、をだんだん短くしていくと、この水膜を切る時間だけ早くかけ始めるというのが、「もっと」の最小時間となります。
3 2の操作をすれば、雨のブレーキはもっと強くかけられる。
雨の日は、タイヤによる違いが大きいのですが、晴れの日の限界ブレーキングに比べればタイヤがスリップしやすく、ハードブレーキングはできません。
しかし、水膜をしっかり切り、リヤを先に少しかけてバイクの姿勢を安定させ、ライダーの体勢も整っていれば、意外とブレーキは効くのです。そう、正しくかければ、雨の日のブレーキはもっと強くかけられるのです。
ただし、それは直立しているときに限ります。(バンクしていても出来ますが、それが出来る人にはこの記事はそもそも必要ないでしょう)
雨に日に傾いている状態でタイヤがロックすると、立て直す暇もなく即転倒!が待っています。まるで「体落とし」にかけられたように。
いったいどれくらい強くかけられるのか。それはもちろん、その時の路面状況、タイヤ、マシン、などによって大きく変わりますが、安定して減速中に急に滑り出したという経験は、(白線に乗ったなどを除けば)思ったよりも少ないのではないでしょうか。
これは次の4を意識しながら、必ず2を経た上で、どれくらいまで不安にならず減速できるか、徐々に試してみてください。一気にレベルを上げようとすると、限界を簡単に超えてスリップダウン、ということもありますから、くれぐれも慎重に。
この強くかけられる制動力で、ブレーキング区間の初期のうちにスピードを落としてしまい、後半はブレーキを緩めつつ調速していく、そんなパターンでブレーキングできれば、雨の日のブレーキの恐怖の8割9割方は解消されるのではないでしょうか。
4 滑ったらわずかに緩める、手動ABSを作動させよ。
ブレーキング全体に余裕があれば、後半できるだけ掛け続けなければならない状態にないので、例えばちょっとスリップしたとき、瞬間的にブレーキを緩めてグリップを回復し、そこから再制動に移れます。
晴れの日のブレーキングも基本はそうですが、初期の軽い制動を経て本格制動に入ったら、その直後が一番強くブレーキがかかっていて、あとは車速が落ちるに従ってブレーキを徐々に緩めていくのが原則的な使い方です。
つまり、本格制動に入り自分としての最大制動力を発揮するようにブレーキレバーを引いたら、あとは緩める方向でのみ意識を構えて調整していけばいいことになります。
もちろん、滑らないのがいいのですけれども、滑ったら緩める。これが反射的にできるようになれば、転倒率はかなり減ります。
ABS付きのバイクの場合、この操作はバイクがしてくれますから、神経質にならなくてもいいのですが、ABSが作動すると減速度は落ちます。つまり限界のレイトブレーキなんぞしていると、ABS作動で減速しきれずにアウト、となりかねないのです。
ABS付きの場合も、減速に応じてブレーキを緩めていく、その意識でのブレーキ操作が大事だと思います。
さて、1~4まで述べてきましたが、2も、4も、ブレーキ区間に余裕があるからこそ落ち着いて出来ることなのがお分かりだと思います。
<ブレーキ開始を早くする。>このことが全ての鍵を握る最重要項目だったのです。
次回は雨の日のアクセルワークについてです。
⇒ライテク記事目次へ。
⇒ブログトップページへ。
雨の日のアクセルワーク、ブレーキのかけ方についての具体的な説明です。
まずは大事な大事なアタックチャーンス!じゃなくって、ブレーキングから。
だいぶ前になりましたが、ポイントのみを4つ挙げました。
ブレーキ編
1 制動開始はもっと早くから。
2 ブレーキは一秒かけて徐々に強める。
3 2の操作をすれば、雨のブレーキはもっと強くかけられる。
4 滑ったらわずかに緩める、手動ABSを作動させよ。
どれも私のオリジナルではなく、言い尽くされた感もあるものですが、私なりにまとめてみたいと思います。
1 制動開始はもっと早くから。
まあ、これはいわずもがな、雨の日は路面の摩擦係数が下がり、同じようにブレーキをかけても、制動距離が伸びる。だから早めのブレーキ、という訳ですな。
しかし、この意味・または効果をもう少し実際に即して考えてみたいのです。
この「もっと」早くからというのは、晴れの日よりもではなく、雨の日だからこれくらいから、と考えている開始ポイントよりもさらにもっと早くからブレーキングを開始せよ。という意味なのです。
雨の日のブレーキングに慣れると、思いの外強くブレーキングできるし、制動距離も実はイメージよりも短くできるのですが、多くの場合はスリップへの恐怖とタイヤのグリップ感の希薄さから、限界のかなり手前までの弱いブレーキングしかできないのが、実際のケースとしては多いのです。
だから、初期に強いブレーキングができず、このままでは止まりきれない!という恐怖でブレーキングの後半にぎゅううううっとブレーキを強めざるを得なくなる。そしてその恐怖が記憶に染み付いていよいよ雨の日が嫌になる…。
「もっと早く」、
バカじゃないかってくらい早くからブレーキを開始して、早めに速度を落とし、ブレーキ後半はブレーキングをどんどん緩めていくようにまずはブレーキングをプランすることから始めることが大事だと思います。
雨のブレーキが苦手という人ほど、ブレーキレバーを引ききれないまま走ってしまい、後半に行くほど強くせざるを得なくなるようなかけ方になっている傾向があります。
形式的な安全運転標語みたいですが、もっと早くかけはじめる。この余裕は全ての操作を楽にし、安全を確保してくれるのは事実。
まずはここから始めてみてください。
2 ブレーキは一秒かけて徐々に強める。
ブレーキを掛けると一般的なディスクブレーキの場合はパッドがディスクを挟んで摩擦抵抗を生むのですが、雨の日の場合、最初にパッドがディスクに触れるときに、パッドとディスクの間に水膜ができてしまうことが多くあります。
これはブレーキが利かない状態で、あわてたライダーがパニックになりギュッと握りこんだ時にディスクの水膜が切れ、強いブレーキ力をいきなり生んで、今度はタイヤと路面がグリップしきれずに足元を救われるように一気にフロントから転倒…。
この転倒は私も過去に1回のみならず喫していまして、恥ずかしい限りです…。
雨の日のブレーキングでは、まずディスクの水膜をパッドを軽く当てて飛ばしておいて、そこから本格的な制動に入るのが安全です。
その時間は別に1秒と決まっているわけではありません。(そんなにかからないことが圧倒的に多いです。)
しかし、だいたい「い~ち」と数えるくらいのタイミングでじわじわと強くしていくと、水膜も切れ、パニックからの急な握りこみも避けられて、安定したブレーキングに移れるはずです。
そう、「もっと早く」かけ始める、をだんだん短くしていくと、この水膜を切る時間だけ早くかけ始めるというのが、「もっと」の最小時間となります。
3 2の操作をすれば、雨のブレーキはもっと強くかけられる。
雨の日は、タイヤによる違いが大きいのですが、晴れの日の限界ブレーキングに比べればタイヤがスリップしやすく、ハードブレーキングはできません。
しかし、水膜をしっかり切り、リヤを先に少しかけてバイクの姿勢を安定させ、ライダーの体勢も整っていれば、意外とブレーキは効くのです。そう、正しくかければ、雨の日のブレーキはもっと強くかけられるのです。
ただし、それは直立しているときに限ります。(バンクしていても出来ますが、それが出来る人にはこの記事はそもそも必要ないでしょう)
雨に日に傾いている状態でタイヤがロックすると、立て直す暇もなく即転倒!が待っています。まるで「体落とし」にかけられたように。
いったいどれくらい強くかけられるのか。それはもちろん、その時の路面状況、タイヤ、マシン、などによって大きく変わりますが、安定して減速中に急に滑り出したという経験は、(白線に乗ったなどを除けば)思ったよりも少ないのではないでしょうか。
これは次の4を意識しながら、必ず2を経た上で、どれくらいまで不安にならず減速できるか、徐々に試してみてください。一気にレベルを上げようとすると、限界を簡単に超えてスリップダウン、ということもありますから、くれぐれも慎重に。
この強くかけられる制動力で、ブレーキング区間の初期のうちにスピードを落としてしまい、後半はブレーキを緩めつつ調速していく、そんなパターンでブレーキングできれば、雨の日のブレーキの恐怖の8割9割方は解消されるのではないでしょうか。
4 滑ったらわずかに緩める、手動ABSを作動させよ。
ブレーキング全体に余裕があれば、後半できるだけ掛け続けなければならない状態にないので、例えばちょっとスリップしたとき、瞬間的にブレーキを緩めてグリップを回復し、そこから再制動に移れます。
晴れの日のブレーキングも基本はそうですが、初期の軽い制動を経て本格制動に入ったら、その直後が一番強くブレーキがかかっていて、あとは車速が落ちるに従ってブレーキを徐々に緩めていくのが原則的な使い方です。
つまり、本格制動に入り自分としての最大制動力を発揮するようにブレーキレバーを引いたら、あとは緩める方向でのみ意識を構えて調整していけばいいことになります。
もちろん、滑らないのがいいのですけれども、滑ったら緩める。これが反射的にできるようになれば、転倒率はかなり減ります。
ABS付きのバイクの場合、この操作はバイクがしてくれますから、神経質にならなくてもいいのですが、ABSが作動すると減速度は落ちます。つまり限界のレイトブレーキなんぞしていると、ABS作動で減速しきれずにアウト、となりかねないのです。
ABS付きの場合も、減速に応じてブレーキを緩めていく、その意識でのブレーキ操作が大事だと思います。
さて、1~4まで述べてきましたが、2も、4も、ブレーキ区間に余裕があるからこそ落ち着いて出来ることなのがお分かりだと思います。
<ブレーキ開始を早くする。>このことが全ての鍵を握る最重要項目だったのです。
次回は雨の日のアクセルワークについてです。
⇒ライテク記事目次へ。
⇒ブログトップページへ。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
« チャレンジ ... | レインラン7... » |
先日も、晴天だったのに夕立に合いってかどうも雨男っぽいです。
最近必ず濡れてます。(笑
ブレーキングは、運転技術の中でも一番重要で難しく、面白いものだと思っています。
どれだけハードに掛けるかではなくて、どんな過程で速度を落としていくか、調速のアーティストを目指す!なんて感じで楽しんでいます。
夏の雨は、真夏の時期に限り、服と体が汚れてくさくなってしまいますが、気持ちいいときがありますよね。
「雨に歌えば」とか、何か歌いながらやけに明るく走るのもまたオツかと…。
やっぱりそうなんですね、ちょい安心しました。
昨日、どぶ臭くて帰って速攻風呂浴びました。
そうなんですよ、昨日は蒸し暑かったので、雨に打たれて気持ち良かったのは間違いなかったです。^^
いやそうなんですよね。
雨そのものは降り始めを除けばかなりきれいなんですが、バイクで走っていて濡れるのは前車が跳ね上げた道の水だったりしてこれが、タイヤのゴムかすかすや排気ガスをいっぱい吸った埃、様々なオイル汚れなんかが混じっててすんごく汚いんですよ。
晴れた日でも、しばらく走って食堂でおしぼりもらって行儀悪くも顔拭いたりすると、排ガスでびっくりするほど真っ黒!になっていたりしますよね。あれが雨水で溶かれて浴びせられるので、おう、NO、ですね。
でも、気持ちよかったりする時もある。
体験した人だけの、幸せ体験ですね。
当方、勝手に師匠と思っているのですが、ブログのコメの名前が樹生和人ってあってびっくりしました。
『弾正伝』、金沢発のハーレーの素敵なツーリングライフ、時々お邪魔しようと思います。
よろしくお願いします。
私のライテク記事はオリジナルはほとんどなく、先達が言ってきたことを私なりに解釈、言い直したものが多いので、私の解釈誤りもあるかもしれません。
疑ってかかってください。
それから現実の私は上手いわけでも、速いわけでもないのでした。GPZも汚いし。はははははは。